第2話 少年の使命と光の礎
――翌日
昨日の夜の出来事が嘘であるかのような清々しい朝。
木漏れ日がキラキラと揺れ、小鳥が鳴き声が聞こえるエスカルラータ中心街から遠く離れた街外れ。
中心街の祭の声が微かに響くその小さな町の小さな宿屋にヴェルダッド・ジャステシアと碧の少女いた。
「ふわぁ〜〜」
決して贅沢とは言えないベッドだが、目覚めた少女の大きなあくびがその平和さを強調している。
寝ぼけた少女が当たりを見回すと目の前のは白髪の少年。「おはよう」と少年は優しく声をかけ、微笑みかけた。
「!?」
少女は驚きと羞恥心がこみ上げ、赤面した。
少年に背を向け、深呼吸をし、どうやら少し落ち着いたようで、
ベッドに腰掛け不自然な顔で冷静さを装って話し始めた。
「ここは?」
「エスカルラータの街の外れだよ。昨日街中であんなことがあったんだ。はぁ、宿屋のおじさんには悪いことしたな……。中心街から一時避難しにここへ着たんだ」
彼女は再び当たりを見回した。改めてその平和さを実感した。
「へぇ〜、……いいところね」
「ねぇ、それより大丈夫? 昨日は無理させたみたいで……。突然気を失って……って、まさかまた演技!?」
そう。昨日のブラゾとの対戦に見事打ち勝った後、少女はヴェルダッドに抱きつき、
極度の緊張から解放された安堵からそのまま気を失ってしまったのだ。
少女は少し顔を赤らめながら言った。
「コホン。と、とりあえず、ありがとう。助かったわ」
数秒の間、宿屋の部屋には小鳥のさえずりだけが鳴っていた。先に口を開いたのはヴェルダッドだ。
「……そう言えば名前。聞いてなかったね」
「ん? あ、えぇ」
「では改めまして、私はヴェルダッド・ジャステシアと申します。白の民です」
「私はジュリア。見て分かると思うけど碧の民よ」
「ジュリア……か。いい名前だね。あっそうだ、ボディーガードの件、引き受けることにするよ」
先日ヴェルダッドと碧の少女改めジュリアが中心街の宿で結ぼうとした約束である。
「あら、どうして? 昨日は若干渋ってたじゃない」
「……昨日今日と君を見てるとほっとけなくて。それに、ヴァルハラの件もあるし」
「じゃあ、お願いするわ。あなた相当強いみたいだし」
「でもね、一つ条件がある。ぼくはある目的のためにエスカルラータに来たんだ」
ヴェルダッドのその言葉で先程の平和な空気は重々しいものになった。
ジュリアは息を呑んで質問する。
「ある目的?」
「ああ。実はぼくはブラングルス皇帝直属の密使で、ある人物を探しているんだ」
「ブラングルス皇帝の密使ですって!?」
ジュリアは驚いて聞き返した。
ブラングルス皇帝直属の密使。
このワードはヴェルダッド・ジャステシアという人物の地位がどれほど高いかを表している。
白の民の使いというだけでもかなり地位が高いのにも関わらず、
白の民の国の長、ブラングルス皇帝直属ともなればそれは遥かに高い位置だ。
ジュリアはヴェルダッドを頭の先から足の先までじっくりと見た。
どこからどう見ても普通の少年だ。
信じられない……と発しようとしたジュリアであったが、
昨日の出来事を思い起こして言った。
「嘘……、ではなさそうね……」
「意外とあっさり信じてもらえたみたいだね。条件というのはぼくの使命を最優先すること」
「わかった。……で? ある人物って誰?」
ジュリアの質問にヴェルダッドの顔つきが変わった。
ジュリアもその緊張感を共有し、その場の雰囲気はより重々しいものになった。
ヴェルダッドは答えた。
「探している人物は……エスカルラータ最強にして最凶の闘士、――フェルテ・インデント」
「フェルテ・インデント!? ……誰それ?」
ジュリアの返答にヴェルダッドはポカンと口を開けた。
「し、知らないの!? 誰でも知ってるエスカルラータの英雄と呼ばれた最強の格闘士だよ!」
「ふ〜ん、興味ないわ。でもそんな有名人ならすぐ見つかると思うけど……」
「……見つけるだけじゃあ、意味がないんだ」
――エスカルラータ中心街 とある屋敷
先ほどの宿屋とはうってかわって豪華な屋敷。
屋敷の大広間には五十人程度の緋の民がおり、何やら殺気立っている。
突然、豪華な屋敷には似合わない轟音と共に一人の男性が2メートルほどふっ飛ばされた。
「それでテメェらはノコノコ帰ってきたってのかい!?」
煙のたった拳を挙げている真紅のワンピースを着た女性が部下を強烈に叱っている。
一見華奢な女性上司だが、彼女を侮ってはいけない。
なぜなら強力な緋の民だからである。男性をふっ飛ばしたのは彼女の仕業だ。
ふっ飛ばされた男は指に包帯を巻いている。男は崩れた体勢を立て直し、正座で言った。
「えぇ……そ、それがとんでもねぇ奴でして……」
「テメェ……!! 緋の戦士が! 情けねぇぞ!!」
またも女性上司が叱責する。
すると、大広間の一番奥に存在する大きな椅子に座る大男が声を発した。
暗くてよくその姿は見えない。
「止めてやれ、デリカ」
「お、親分! でも! ……」
女性上司デリカが食いつこうとするも、
親分と呼ばれるその男の異様な威厳で俯き、黙ってしまった。
どうやらこの大男こそ緋の民五十人を治めている人物のようだ。
男は椅子から立ち上がり、その巨体をふっ飛ばされた男の前まで運んだ。
徐々に光が指し、その身体の特徴が見え始めた。
身長は2.5メートルほど、太い腕に太い足、二の腕には特徴的な獅子の入れ墨が掘ってある。
しかし、顔は見えない。
大男が言った。
「そんなに強ぇのか? その白と碧のガキは」
「え、えぇ……。俺の拳を片手で止めやがったんです。で、でも大丈夫ですよ。今頃、ブラゾの兄貴が――」
男の言葉を遮るように大広間の扉が開き、突然別の男が飛び出してこう言った。
「親分! 大変です! ブラゾの兄貴がやられました!」
屋敷の大広間に戦慄が走った。
豪腕のブラゾはとある緋の民の集会で幹部の一人に君臨する猛者である。
そのブラゾがやられた。と聞き、
誰にやられたとは聞かずとも、その場にいる全員が先程の会話に出てきた”白のガキ”を思い浮かべた。
すると大男は大声で笑い始めた。
「ハッハッハッハッッ! あいつがやられたのか! 俺達の上にいつもふんぞり返ってやがる白の屑にしてはやるじゃねぇか……!! ただ……、このままやられて終わる俺達ヴァルハラじゃあねェ……よなぁ?」
そう。ここは白と碧を排斥するという緋至上主義の集会であり、
昨日ヴェルダッドとジュリアが打ち勝ったヴァルハラの屋敷である。
親分の呼びかけに鼓舞され、ヴァルハラの緋の民達は雄叫びをあげた。
その雄たけびの中、親分がデリカに言った。
「デリカ! 街中に奴らの手配書を用意しろ! 賞金もつけてだ! 探し出して徹底的に叩き潰してやる」
「ハッ!」
デリカは敬礼で応え、二人の顔を知っている指の折れた男と共に屋敷を後にした。親分は続けていった。
「いいかお前らぁ……。この世で圧倒的な”力”を持つのが俺達、緋の民だ。 神から授かった最強の”能力”だ!!」
親分がこの言葉を言っている内に、拳を後ろに振ったため、屋敷の壁に若干のヒビが入った。
拳が壁に触れていたわけではない。
ただ腕を振った衝撃波によって強固な壁にヒビが入ったのだ。
エスカルラータの建造物は緋の民仕様で全てが強固に造られているにも関わらずである。
屋敷の照明が揺れ、天井からはポロポロ少し瓦礫が落ちてきている。
親分は続ける。
「緋の民で最も強い者が!! この世界の王になる権利を持っている!! そして、その資格を持つのは――、フェルテ・インデントただ一人!!!」
ヴァルハラの緋の民たちは同意の雄叫びをあげた。
雄叫びはさらに強いものになり、屋敷にもより一層ボロボロになっていった。
そしてヴァルハラの親分は最後に一言。
「この世は”力”こそ全てだ!!」
――エスカルラータ国立図書館
「この世は力こそ全て」
「へ?」
ヴェルダッドはジュリアの提案でエスカルラータ中心街にある国立図書館に足を運んでいた。
エスカルラータ国立図書館はエスカルラータのありとあらゆる記録、書物がおさめられている最大の図書館だ。
中心街には至るところにヴェルダッドとジュリアの手配書が設置されており、
ヴァルハラの下っ端たちも街中をうろついている。
そんな中、中心街にまで来れた理由はジュリアの具現の能力によって、
緋の民の変装道具をつくりだし、身につけていたからである。
二人は若干赤味がかったかつらをかぶり、見事に緋の民に扮している。
二人は念の為、深いローブを纏っている。
ところで、図書館にまで来た理由は、無論”フェルテ・インデント”の情報を得るためである。
「ほら、この記事よ。昔の新聞のインタビュー。ここに書いてるでしょ? 『この世は力こそ全て』ってね。これがフェルテ・インデントの思考回路よ。 全く、緋の民ってのはどこまで野蛮――」
ジュリアがまだ言い終わる前にヴェルダッドは焦った顔をして急いで口を塞いで小声で言った。
「シーッ! 駄目だよジュリア! こんなところで彼の悪口なんか言っちゃあ!」
ジュリアは口を塞ぐ手をどけて少しニヤついた顔で言った。
「あら、その時はあなたが守ってくれるんでしょ?」
「はぁ……」
ため息を尽き、困っているヴェルダッドがジュリアの後方に目を向けると、
テーブルの上に山積みになった20冊の本がおいてあるのを見つけた。
「あれ? この本ジュリアが持ってきたの?」
「ええ、そうよ? 半分くらいは読んだわ」
ヴェルダッドは静かに驚いて、じーっと、まじまじとジュリアの方を見つめた。
次はジュリアの方が困っている様子だ。しばらくの沈黙の後、
「……なに」
「あ、いや。調べものとか得意なんだなって……」
「褒めても何も出ないわよ。……ただ、幼い頃からよく本は読んでたから」
「そっか」
ヴェルダッドはそう応えると本を読み始めるジュリアの顔を少し見て、読みかけの本を読み始めた。
一つ気になることがヴェルダッドにはあった。
それは自慢してもいい特技を語るジュリアの顔が少しの寂しさを含んでいることだった。
ジュリアは言った。
「そういえば、聞かないほうがいいのかしら。密命の内容。なぜ彼を探しているのか」
「ああ、言ってなかったっけ。プロフェイトの大預言書って知ってる?」
「ええ、もちろん。世界を終焉に導く魔王と、それを阻止する勇者の本でしょ? 確か、ブラングルス皇国の国教、バリエント教の聖典――、だったかしら」
「流石。よく知ってるね。正確には、預言書下巻に
『魔界冥界の王となりし者来たり。王は地を終焉へ導く者なり。
これ止めるは勇ましく挑む選ばれし者の力の他に非ず。選ばれし者は比類なき強さを持つものなり』
と書いてある。これは君を信頼してるから言うんだけど、ぼくはその預言書に出てくる勇者を探している」
ジュリアはヴェルダッドの返答に特に驚くこともなく、冷静に返した。
「なるほど、魔王が誕生してから勇者は現れる……。ブラングルス皇帝は『魔王がもう誕生しかけている』と判断しているってことね……。でも良かったじゃない、ここで勇者が見つかって」
「ああ、フェルテ・インデントは勇者じゃないよ」
ジュリアは驚いた。「え!? じゃあ何故彼を探しているの」と言わんばかりの顔で
まじまじとヴェルダッドを見つめている。それはその反応になるだろう。
「『魔界の王は魔物従えし闇の王。勇ましき者は真実照らせし光の子。
光の子望む者に告ぐ。強き三人の礎を聖なる地に集わせよ』
勇者到来のためには、光の基盤という緋、蒼、碧の実力者が必要なんだ。
それで、聖なる地っていうのはブラングルス皇国のこと」
「なるほど、じゃあフェルテ・インデントを説得して、残り二人と一緒にブラングルスに連れて行かなきゃいけないのね。『見つけるだけじゃ意味がない』の意味がわかったわ。面倒ね」
「面倒じゃないよ。これは僕が絶対にやらなきゃならない使命なんだ」
いつもと違い、この言葉を発するヴェルダッドは凛々しかった。
『責任』の一言で表せないような重く真剣な眼差しだった。
そのヴェルダッドを横目に、「ふ〜ん」とジュリアはフェルテ・インデントの調査を再開した。
――しばらく時間が経ち、時は夕暮れ。
「よしっ、そろそろ帰ろうかしら」
「そうだね」
ジュリアが読んでいた本の最後のページを閉じて言い、ヴェルダッドが応答した。
図書館閉館の鐘の音がなり始め、二人は帰り支度を始めようとしている。
ジュリアの近くのテーブルには100冊ちかい本が積まれているが、
一方ヴェルダッドのテーブルには20冊程度しか積まれていない。
その差を見たジュリアはヴェルダッドを励ますように、貶すように言った。
「別に落ち込まなくていいわよ。あなた強いんだから」
「何も言ってないんだけど……」
――街外れの宿屋
ヴェルダッドとジュリアは街に徘徊するヴァルハラの連中に注意して、今朝の宿屋に帰ってきた。
宿屋の部屋に入るとヴァルハラの追手がここまで迫ってくることを考えると、
同じ店に長居するわけにも行かないので、次の宿泊候補をヴェルダッドは決めていた。
ジュリアはすぐに壁際に設置された机の前の椅子に座り、赤味がかったカツラを取って言った。
「疲れるわね〜、変装は。私が蒼の民だったらもっと楽だったのかしら」
「人によるよ。それより、今日得た情報をまとめよう」
「そうね」
ジュリアは椅子、ヴェルダッドは立ってジュリアの座る椅子に手をかけながら、
ふたりは図書館で得た情報、街を歩きながら得た情報などをまとめ始めた。
「こんなところかしら」
情報をまとめた紙を両手で持って腕をのばした。その紙をヴェルダッドが取り上げ、音読する。
「そうだね。緋の民最強の闘士フェルテ・インデント、30歳独身。ジュリアの倍はある大男で、戦闘時には愛用の大鎚を携える。毎年開かれるエスカルラータ最大の祭典、エスカルラータ闘技会では初出場から10年無敗であることから、エスカルラータの英雄と呼ばれ、緋の民から非常に高い人気を誇る。闘技会の一ヶ月前からは精神統一のために修行鍛錬を繰り返すため、見かけることはまずない。約束は守る義理堅い男だが、闘技会優勝後のインタビューで『この世は力こそ全て』という発言を繰り返している。気になるのは価値観がそっくりなヴァルハラとの関係だね」
「ええ」
フェルテ・インデントがヴァルハラと関係があるとすると、敵地に二人で乗り込むのは危険過ぎる行為だ。
フェルテ・インデントとやむを得ずの戦闘はヴェルダッドの視野に入っていたが、
緋の民の大群のと対峙することは任務の遂行が極めて難航になるのだ。
はじめにヴァルハラに目をつけられたことは、
フェルテ・インデントがヴァルハラと関係あろうがなかろうが非常に難点である。
「弱点らしい弱点は酒と賭博と……女。か」
ヴェルダッドはジュリアを見ながら言った。ジュリアは頬を赤らめながら、
「な、……なによ」
しばらく沈黙したあとヴェルダッドは言った。
「……無理だ」
「なによ!」
ジュリアは間髪を入れず、立ち上がって宿屋の壁に手を添え、
宿屋の天井、つまりヴェルダッドの頭上に大量のフライパンを出現させた。
そのフライパンは落下しヴェルダッドの頭部に激突した。
ヴェルダッドは頭を抑えながら言った。
「イテテテ、ごめんごめん。いやぁ、どちらにしろ現実的ではないから……」
「でもどうする? 闘技会が始まる前は誰もどこにいるか知らないっていうじゃない。となると闘技会が終わってから……。考えられる中では闘技会が終わる一ヶ月後にまた探し始めるのが最も得策ね」
ヴェルダッドは腕を組み、ベッドの近くにある丸椅子に腰掛けて足を組んだ。右手を顎元に寄せ、何かを考えている様子だ。
「う〜ん」と言ったあと、「闘技会、義理……賭博……」とボソボソ言い始めた。
「どうしたのよ」とジュリアが声をかけると、突然ヴェルダッドが立ち上がり言った。
「いや、闘技会に出よう。一対一で接触できるチャンスだ。この機会を使わない手はない!!」
――翌日 中心街・エスカルラータ闘技場
「さあ! 今年もこの時期がやってきた! エスカルラータ闘技会! 今年の優勝者は誰だ! 性別、年齢、身長体重、民族さえも全く関係ない闘技会はここだけ! なお参加申し込みはエスカルラータの各闘技場にて行っています! じゃんじゃん参加してくれよな!」
溌溂とした声で街中に響き渡る声はエスカルラータ闘技会開始3日前を知らせるアナウンスだ。
昨日の打ち合わせ通り、二人はエスカルラータ闘技会に参加するため、闘技場まで来ていた。
闘技会のルールはシンプルで、相手が戦闘不能、敗北を宣言、もしくは死亡した場合に決着がつく。
全参加者がトーナメントで誰一人例外はない。
毎年10万人を超える応募者が集まり、そこには緋の民だけでなく、蒼や碧の民も集まっている、
エスカルラータ王国最大のイベントなのだ。しかし、
「参加の条件がたった一つだけある。それは、審査に合格すること」
審査とは道徳的なものではなく、ここでも求められるのはただ「強さ」である。
約10万人に及ぶ参加応募者の中から上位1024人に絞り込む。
この1024名の中に選ばれたものこそ、栄えある世界最大の格闘技会エスカルラータ闘技会の挑戦資格を得ることが出来る。
そして、名だたる猛者たちを制したものが、世界最強エスカルラータの英雄の称号を得ることが出来るのだ。
「へぇ〜、じゃあまず、その1024人に入らなきゃならないのね」
「そゆことみたいだね。――でも、君まで闘技会に参加しなくてもいいけど……」
「何言ってるよの。まさか、ボディーガードのくせに私を1人にするつもり?」
「そうだけど……。闘技会に参加するほうが危険じゃ……」
「私そんなに弱くないし! それに……一回……助けてもらったし……」
「え?」
「うるさい! 出るったら出るのよ!」
「はいはい……」
ヴェルダッドとジュリアはその過酷な審査を受けるために
例によって緋の民に変装しながらエスカルラータ1000ある内の一つの小さな闘技場に足を運んでいた。
しかし、その背後では……
「やっと見つけたぜ……。お前のおかげだぁよぉ。クシシシシッ。礼はたっぷりしてやるからなぁ」
「……俺も目的を果たせそうだ」
何やら不穏な動きが……