本の大好きな内木くん
夏の日差しがまぶしい一日、外は虫のさざめきと運動部が練習している声がする。
ペラッペラッ
部室に本をめくる音が響く。
「……あの」
「……なに?」
僕の名前は内木、この本棚学園の1年生だ。
「いえなんでもないです……」
「そう……」
この人は本野先輩僕の一つ年上の先輩だ。
僕はこの学園の文学部に所属している。
他の部員は用事があるらしく、
今部室には先輩と僕の二人だけ。
他の部員がいない今がチャンス。
けれどその日僕はあることを
なかなか言い出せずにいた。
「その……」
僕の問いかけに先輩は
本から顔を上げ僕に聞いた。
「何なの?」
「いややっぱり何でもないです……」
「そう……」
しばらく会話が途切れる。
「……あのささっきから何なの?」
先輩が不思議そうに聞いてきた。
「いや、なんでもないです本当……」
僕には言い出す勇気がなかった。
「いや何かあるよね?」
先輩は誤魔化す僕が気になり
また聞いてきた。
「何もないですってば……」
「絶対に何かあるよね」
「本当に何もないんですって!」
あっ、しまった…つい焦って強めに言ってしまった。
「……わかったもう何も聞かない……」
先輩はしょんぼりして口を閉じた。
「あっ…いやっ…そんなつもりじゃなくて!」
「……」
「その……すいません……」
「……いいよ別に……」
僕は…覚悟を決めた。
「ほんとすいません、本当は伝えたいことが、ありまして」
「………なに?」
「その僕は……」
「うん……」
「僕は!ッ!」
「………」
緊張しすぎて手が震える。
声が上手く出せない。
けど覚悟を決めたんだ。
スーハァ~スーハァ~。
僕は深く深呼吸をした。
よし!。
「言いますいいますよ!」
伝えるぞ…。
「スゥ――――――……」
「先輩ッ!、僕はあの日からずっと、先輩のことが!、―――――――だっ大好きです!」
伝えた伝えてしまった、
もうあと戻りはできない。
「………」
少しの間僕と先輩の間に沈黙が走る
「………」
「………フフッ♪、知ってる♪」
そう、花のように微笑んで言った。
「へ?」
本の大好きな内木くん♪
いかがでしたか?
これから二人の物語は
きっとしあわせなものになることでしょう。
それはまたいつか♪。