心の記憶
今回の事件は人の心が関係していきます
人は誰しも過去にあった事件で心に傷を負うことがある
それは時間が経てば記憶からは消されてしまうが心が覚えている時がある
それを人はトラウマと呼ぶのだった
「はぁ〜・・・」
今朝の登校中、いつもは元気な愛心が今日は珍しくため息をついていた
「どうかしたんですか?表情が暗いですよ?」
奏歌は一体何があったのか聞いてみると
「いや・・・ちょっと朝の夢がひどくてさ・・・思いっきりトラウマを呼び起こされたわ・・・」
どうやら夢の内容がかなり酷いものだったらしくそれで気持ちが沈んでいたらしい
しかし奏歌はそれを聞いて少し意外そうな顔をしていた
これほどまでに元気で活発な愛心にもこんな風に落ち込んでしまう瞬間があるのだと
「・・・ちなみにどんな夢なのか聞いていですか?」
奏歌はそんな愛心が落ち込んでしまうほどの夢が一体何だったのか聞いてみると
「・・・昔見たアニメで気持ちよさそうにブランコに乗ってて
自分もそれに憧れてブランコに乗って揺られてたらそのまま勢いよく飛んでいっちゃう夢・・・」
愛心は見た夢はどうやら過去にやった自分の失敗談の話だったらしく
しかもそれはやはり彼女らしいなんとも活発で元気な失敗談だった
(ここでわかってしまっては愛心ちゃんに怒られてしまいますけど
やはり愛心ちゃんらしくて安心しました)
それを聞いた奏歌も愛心らしい話で少し安心していた
それほどまでに先ほどまでの彼女の顔が暗かったのだ
「思えばあれ以来ブランコには乗ってないな〜・・・
いやまぁ・・・もうこの歳でブランコに乗る気もないけどさ・・・」
そんな夢を見てしまった所為なのか愛心は少しだけ昔を思い出して
あれからブランコには全くと言っていいほど乗っていないと話していた
「そういえば公園の遊具も最近は危険だからという話で撤去されていってしまってますからね・・・」
昔あるものが今は当たり前のように消えていってしまい奏歌は悲しいと思っていると
二人の通り道にある公園で先ほど言っていた遊具の撤去が行われていた
「・・・おかしいよね・・・昔の私達はそんなに危険だと思って遊んでなかったのに
大人になった瞬間に子供に遊ばせていると危ないって思っちゃんだからさ・・・」
確かに愛心の言う通り昔は家で遊ぶ物が少なくその為に公園へ行って友達と遊んでいた
しかし大人になった人達が今度は自分達の子供がその遊具で遊ぶようになり
それで怪我をするのではないかと考えて結局は危険だと思いやめさせてしまう
それが結果として公園の遊具撤去に繋がってしまっている
「・・・大人ってさ・・・時間が経つと忘れちゃうんだよね・・・
怖いことだけじゃなくて・・・嬉しかったり楽しかった思い出も・・・」
愛心は自分もこの公園で楽しく遊んでいた事を思い出してそれがなくなってしまうのだと悲しむ
「・・・早く学校に行かないと遅刻しちゃうね!」
しかしすぐに気持ちを切り替えて奏歌と一緒に学校へと向かう
「おはよう!」
教室の扉を開けて勢いよく挨拶をするのだが返事が全然返ってこなかった
「・・・あれ?」
不思議に思ってあたりを見回してみると何故か生徒はほとんどいなかった
「・・・今日って休みだったっけ?」
その様子に愛心は思わず休みだったかどうかを後ろにいる奏歌に聞く
「そんなはずはありません・・・ちゃんと今日の予定は見てきましたから・・・」
しかし奏歌はちゃんと今日の予定表を見てきて行動しているので休みではない事は確信しているし
もし突然休みになったとしても何か連絡が来るはずだと思っていると
「あちゃ〜・・・やっぱり二人とも来ちゃったんですか・・・」
後ろからそんな声が聞こえてきて振り返るとそこには明里の姿があった
「えっと・・・もしかして何かあったんですか?」
「実は・・・今朝方になってこの学校に犯行声明が送られまして・・・」
何とみんながいない理由はあまりにも衝撃的な事だった
「えっ?!それって爆弾を仕掛けたとかそういうやつなの?!」
愛心はすぐに心配してどういった犯行声明だったのか聞くと
「・・・犬を大量に送りつけるという犯行声明・・・」
それを聞いて二人は思わず絶句してしまった
机に凶器が刺さっていたり爆弾を仕掛けたなどはよくある事なのだが
まさか犬を大量に送りつけるという犯行声明があるとは思っていなかったようだ
「で・・・実際に犬が大量に送りつけられまして・・・先生達もその対応に忙しくて連絡ができず・・・
私もついさっきまでその犬と一緒に戯れていました・・・」
そして実際に犬が大量に学校に来てしまったらしく先生方はその対応で連絡を忘れ
明里も学校に来てからそれを知り今までその犬達を戯れていたらしくその顔は緩んでいた
「・・・なんかその犯人は何がしたいのか全然分からないわね・・・」
愛心は何がしたくてそんなに犬を送り込んできたのだと呆れていたが
これにはちゃんとした理由があったのだとすぐに知ることになった
二人はとりあえずこのまま帰るのは勿体ないのでその大量の犬だけ見に向かった
「・・・マジで多いわね・・・こんな数はペットショップでも見ないわよ・・・」
そこには100匹はいるであろう可愛い子犬で満たされており
見る人から見れば確かにほっこりする光景だろう
「でも・・・こんな数は普通に考えておかしいですよね?
やっぱりどこかから盗まれたりしたんですか?」
奏歌は子犬達と戯れながらこの子達がどこから来たのかを尋ねる
「警察の話では動物病院に保健所とか色々だって言ってたよ?」
どうやらこの子犬達は一箇所から来たのではなくバラバラの場所から集められたらしい
「なるほどね・・・そりゃあ警察の人も確認するのに必死になるわよね・・・」
「そういえばさっき先生の何人かが犬にトラウマがあったらしくて
すごい勢いで逃げていくのを見つけました!ちょうど写真もあるしみる?」
そう言って明里が見せてくれた写真には逃げ惑う先生の姿が映されていた
「あんたね〜・・・そのうち本当に後ろから襲われるわよ?」
そんな明里に愛心はいつか本当に恨みを買うのではないかと心配していた
「・・・とりあえず私達がいても邪魔そうだし帰りますか・・・」
現状を見て満足した三人は邪魔になっては申し訳ないと思い帰ることにした
「それにしても・・・本当にアホみたいな奴もいるもんよね〜・・・
結局あの子犬達を学校に送ってきて何がしたかったのよ・・・」
愛心はあの子犬達はどういう目的で送られてきたのだと思っていた
「さぁ・・・でも普通に考えたら誘拐とかそういう感じなのは間違いないと思いますよ?」
確かに明里の言う通りこれは犯罪という形には間違いないので
あとは犯人が早く捕まるように祈るしかないと考えながら歩いていると
「うわぁぁぁぁぁ?!!」
お店の方から叫び声が聞こえてきて三人は急いでそこに向かってみると
「「「なっ?!」」」」
なんとそこには大量の蛇が発生してお店の人を囲んでいた
三人はなんとかその中をかき分けていきお店の人の近くまで向かった
「大丈夫ですか?!」
お店の人は怯えていてまともに返すことはできず
三人は仕方なくその人を連れてお店の外まで避難した
「悪趣味ないたずらにしてもほどがあるわね・・・!」
愛心の言う通りここまで来てしまったらいたずらと呼ぶにはいささかやる事がすぎている
もはやここまできたら犯罪だと言ってもいいだろう
そこへお店の人を警察まで送ってきた明里が帰ってきた
「お店の人の様子はどうだったの?」
「やっぱり取り乱してた・・・まぁ私もあれをやられたらね・・・」
明里はお店の人の同情をしていた
普通の人間でもあれほどの蛇が急に現れたら取り乱すだろう
「でも・・・なんかおかしいんだよね・・・怯え方が尋常じゃないっていうか・・・」
しかし明里が言うにはそれにしても怯え方がおかしかったらしい
それこそ過去に蛇で何かあったのではないかと思わせるくらいの怯え方を
「・・・やっぱり怪物の仕業なのでしょうか・・・」
奏歌はこんな事が出来るのはもはや魔人か鬼だけだと考えていた
「・・・でしょうね・・・子犬はそんなんでもないけどこんな量の蛇を集めて
しかも誰にもバレないように運べるのなんてそれしか考えられない・・・」
犬は1匹ずつ運べばおかしく思う人間は少ないが蛇はそうはいかない
しかもここは学校とは違い人通りの多い通りにある場所
明らかにそんな不審人物を見逃すはずもないしお店の人が叫んだのは自分達が来たすぐ後
つまりはその前後にその蛇を連れた者がいるはずだが三人は誰も見ていない
そんな人ではできないような芸当ができるのは魔人か鬼のどちらかしかいないだろう
「でも・・・問題はその目的よね?蛇に関しては恐怖を与えるってのはわかるんだけど・・・
子犬に関しては怯える人なんてそうそういないわよね?
愛心の言う通り蛇は毒物を持っていたりなどして危険な為、恐怖する人も多いが
犬は人間にとってよく親しまれている動物の1匹だ
しかもその中で子犬ともなれば可愛がられこそすれ怯える人間はそうそういないだろう
「・・・そうですね・・・今は考える材料が少ないです・・・
今はとにかくこの事を空さん達に報告を・・・!」
今のままでは何もわからないと思った奏歌は一度、来島博士達にも相談しようと言った時だった
先ほど駆けつけた警察の方からまたも悲鳴が聞こえてきて振り返ると
そこには大量のカラスが出現しており人々を襲っていた
「嘘でしょ?!さっきまでカラスなんて一匹もいなかったのに!!」
確かに三人が見た時にはカラスなんて一匹も存在しなかった
つまりあのカラス達は突如としてその場所に出現したということだ
これはもう明らかに怪物の仕業と見て間違いないと二人は思っているが
詳しく調べようにも現れたカラス達が邪魔でその場から動けなかった
「てか多すぎるのよ!本当に何匹いるのよこいつら!!」
三人はなんとかしてカラスを追い払ったのだがその頃にはもう体力は使い切ってしまっていた
「はぁ・・・はぁ・・・詳しく調べるのは・・・また今度にしよう・・・」
それに奏歌はただ頷いて同意するのだった
突然現れていく動物達
果たして敵の能力は一体?!




