激動の学校祭
今回は凶夜目線で進みます
明里から学校祭のチケットをもらった凶夜は行くべきかどうか悩んでいた
確かに本来なら行く理由もなければ行く気もなかった
しかしつい先日、気になる情報が彼の耳元に入ってきたのだ
それは近々、新しく入った四天王の一人が本格的に動き出すという話だった
そして凶夜にはその新しい四天王に心当たりがありもしその考えが当たっているのならば
相手はとてつもなく厄介な相手だと思っていたのだ
「はぁ・・・あんまり関わるつもりはないんだけどな・・・」
凶夜自身はその相手とあまり関わりたくはないと思ってはいるものの
相手の方は絶対と言っていいほどこちらに対して嫌がらせをしてくるのは目に見えていた
「・・・そして・・・おそらく俺の狙いが正しければあいつの狙いは・・・」
そう言って凶夜は愛心達の学校に着いたのだった
「学校か・・・そういえば来るのは小学校以来だな・・・」
凶夜は中に入ってすぐに懐かしい感じだと思っていた
彼はほとんどの時間を復讐の為に費やしていたので
学校はおろか普通の人間が歩むであろう道すら捨てていた
「・・・祭というだけあって・・・みんな楽しそうだな・・・」
周りを歩くみんなは楽しそうにはしゃいでいた
それを見ていた凶夜は思ってしまっていた
自分もあんな人生を歩んでみたかったと・・・
「・・・いて・・・」
そんな暗い気持ちに襲われていると後ろから頭を小突かれ
後ろを振り返ってみると愛心と奏歌の姿があった
しかも格好は可愛いオバケの衣装を身に纏っていた
「なんで本当に来てるのよ?!あんたはそういう人間じゃないでしょうが!!」
どうやら愛心はその衣装を見られるのが恥ずかしかったらしく
それで絶対に来てほしくなかったようだ
「まぁな・・・本当は俺も来るつもりはなかったんだが・・・」
凶夜はここに来た理由を二人に話そうとしたがそこで口を噤んだ
この光景を見た所為なのか二人の邪魔をしてはいけないと思ってしまったのだ
「が?なんなのよ?」
途中で止められてしまった愛心は凶夜のその後の言葉を待っていた
「いや・・・どうせお前らにか関係のない事だ・・・」
凶夜は自分の問題だとはぐらかして学校の中へと入っていった
(凶夜さん・・・もしかしてこの学校で何か起こるのを阻止しに来たのかも・・・)
勘のいい奏歌は先ほどの凶夜の言葉を聞いて
もしかしたら学校で何かよからぬ事が起きようとしていて
凶夜はそれを阻止する為に来てくれたのではないかと思っていた
(ですがおそらく凶夜さんの事です・・・教えてはくれないでしょうね・・・)
しかし同時に凶夜に何が起こるのか尋ねても絶対に答えはくれないと悟ってもいた
「それならこちらにもちゃんとした考えがありますよ・・・」
奏歌は向こうが隠す気満々ならこちらにも考えがあると言っていた
「・・・奏歌・・・あんた今の顔めちゃくちゃ怖いわよ・・・」
その時の顔を見ていた愛心は思わずドン引くほど悪い顔だと思っていた
「・・・何か・・・言いました?」
そう言われた奏歌はその顔のまま愛心の方を見つめる
「早く追いかけないとあいつを見失うわよ?!」
もはや誰しもがわかる棒読みで愛心は話を逸らして凶夜の後を追いかける
そしてこの時に愛心は思っていた
絶対に奏歌だけは怒らせたはいけないと・・・
「さすがに脅かし過ぎましたかね・・・私も早くしませんと・・・」
イタズラを終えた奏歌も悪い顔をやめて愛心の後を追いかけていく
「・・・付いてくるのはいいが・・・お前ら自分のクラスはいいのか?」
凶夜は後ろについてくる二人にクラスの方はいいのか尋ねる
「私達の出番は午後からなので午前は衣装を着て宣伝なんです」
二人の出番は午後かららしくそれまでの間は衣装を着て歩くことで
そのお化け屋敷の宣伝を兼ねているのだとか
「・・・そんなんでいいのか?」
思わずそれを聞いて凶夜はそんな曖昧な感じでいいのかと思っていた
「大丈夫でしょ?どうせウチのお化け屋敷なんでそんなに興味ないだろうし」
自分のクラスはそんなに繁盛はしていないだろうと愛心は思っていたが
実際は愛心目的の女子客と奏歌目的の男子客でいっぱいになっており
それを予測していた明里が午前ではなく午後からにシフトを変えたのだ
そんな事を全く知らない二人は普通に楽しく学校祭を回っていた
「う〜ん!美味しい!!」
愛心は出店で売っていた焼きそばを食べていた
「おい・・・招待しておいてなんで俺が奢るんだよ・・・!」
しかもその焼きそばはなぜか凶夜が奢った物だった
「招待したのは私じゃなくて明里です〜
おまけに年上が年下におごるのは常識です〜」
こういった時にだけ年上という単語を使う愛心に凶夜はイラっときていた
「あはは・・・凶夜さんも何か食べますか?私がお詫びに買ってきますよ?」
さすがに申し訳ないと思った奏歌が何か買って返そうかと凶夜に言うが
「いや・・・そこはちゃんと自分の金で買うさ・・・
これはあくまでお前らの祭りだからな・・・」
凶夜はメインの人間に奢らせるわけにはいかないと言って拒否した
「う〜ん・・・!それじゃあ一緒に食べるのはどうですか?」
「・・・何を言ってるんだ?」
奏歌に連れられてやってきたのはホットケーキの大食い競争をしている会場だった
「・・・まさかと思うが・・・これを一緒に食べろと?」
先ほどの言葉の真意を問いただす凶夜
「はい・・・本当は愛心ちゃんと参加したかったんですけど
このイベントは男女一組じゃないと参加できないんです・・・」
どうやら凶夜は愛心の代わりにこのイベントに参加させられるらしい
「・・・はぁ・・・ルールはどんな感じなんだ?」
もう抵抗する気もなくなった凶夜はルールがどんな感じなのか尋ねる
「簡単ですよ?二人で10分以内にどれだけ食べれるかを競うだけです」
そのルールはいたってシンプル
10分のうちに多く食べた人の勝利というそれだけだった
「はぁ・・・正直そこまで大食いではないんだがな・・・」
さすがの凶夜も大食いに関しての自信はなく本当に大丈夫かと思っていたが
その考えはすぐに不要のものだと誰しもが気付かされる
スタートの合図がなりみんな一斉に食べ始めたのだが
一組だけ明らかに人から逸脱したスピードと量を食べていた
それこそが奏歌と凶夜のペアだったのだ
「まぁ・・・奏歌は普段はそんなに食べないけどお菓子とかになると
私すら軽く超えるほど食べるのよね・・・しかも尋常じゃない勢いで・・・」
本来の奏歌を知っていた愛心はそこまで驚いてはいなかったが
そうではないほとんどの生徒は驚いて目を飛び出しそうになっていた
しかしそれと同じくらいのスピードで食べている凶夜も異常だった
実は彼は変身するとかなりのエネルギーを必要としており
普通の人よりも圧倒的に食べる量が増えているのだ
しかし魔人はそう言った物が多いので自分が特別食べると思ったことはなかった
「・・・もうこれ・・・優勝は決まったわね・・・」
案の定、優勝を飾った二人は優勝商品を貰い受けるのだった
「全く・・・宣伝しろとは言われたけど目立ちすぎでしょ・・・」
先ほどの大会はやりすぎだと愛心は奏歌に注意する
「すいません・・・どうしても商品が欲しかったのでつい・・・」
どうやら奏歌は優勝商品がそんなに欲しかったらしく
それで滅多に見せない本気を見せたらしい
「・・・これってそんなに人気なのか?・・・」
その言葉を聞いて凶夜は自分の持っているそれを見つめる
二人が勝ち取ったのはとあるマスコットキャラのぬいぐるみだった
この手の事に詳しくない凶夜はそこまでするほど有名なのかと思っていると
「違うわよ・・・むしろ人気がないからそう言ったグッズが貴重なのよ・・・」
しかしこのマスコットはあまり人気がなかったらしく
グッズを出したはいいがすぐに生産を中止してしまい
世の中に出回っているのだけになってしまったらしいのだ
「なるほど・・・確かにそれはレアだな・・・」
凶夜もそれを聞いてようやくそれがそんなに貴重な物なのだと理解し
「それならこのもう一つの方もやる」
自分が持っていたもう片方のぬいぐるみを奏歌に渡した
「えっ?いいんですか?」
奏歌は思わず本当にもらっていいのか尋ねると
「ああ・・・俺は正直そう言ったのはわからないからな・・・
それならちゃんと価値がわかって大事にしてくれる者が持っていた方がいいだろ」
価値のわからない自分より価値を理解している奏歌が持っている方が
ぬいぐるみ達も喜んでくれるはずだと凶夜は思っていた
「ありがとうございます・・・大切にしますね・・・!」
奏歌はそのぬいぐるみを受け取り一生大事にすると約束した
「二人とも〜早くしないと午後になっちゃうわよ〜?」
すると先に行っていた愛心が早く来るように二人を急かす
「は〜い!今行くね〜!」
奏歌はそう言ってぬいぐるみを大切そうに持ちながら走って言った
(・・・どうして私・・・声を掛けちゃったんだろう・・・)
それを見ていた愛心は自分の行動に戸惑っていた
先ほどの奏歌と凶夜のやり取りを見てなぜか胸がざわついた
そして気がついたら二人に声を掛けていた
本当はそんな急いでもいないので声をかける必要などないのに
「・・・大丈夫ですか?なんか元気ありませんよ?」
するとその様子に気が付いた奏歌が愛心の顔を覗き込む
「・・・ううん!大丈夫!それじゃあ早く他も回ろう!」
愛心は心配をさせまいと先ほどの悩みはしまい今は遊ぶことに集中することにした
この後、待ち構えている戦いに気付かずに・・・
三人に待ち構える敵とは?!
新しい四天王もちょっとだけ出るよ!




