空飛ぶ影
今回はヒーロー側がメインです
とある日の来島研究所・・・
「実は最近、上空で不思議な影を見たという情報が相次いで出ている
そこでお前達にはその調査を任命する!」
ライフレンジャーを集めた来島博士は
最近のおかしな目撃情報の正体を探って欲しいと言っていた
「・・・ただのデマじゃないのか?」
森はそんな曖昧な情報を信じていいのか疑問に思っていたが
「ああ・・・その時にかすかじゃが魔人発見マップにも反応があった・・・
しかしあまりにも反応が小さすぎて場所の特定まではできんのじゃ・・・」
どうやら来島博士の作った魔人発見マップにも反応があったらしく
彼らにはそれだけに信用に足るものだった
「わかりました!とにかく手分けして情報を集めてきます!」
空は快くそのお願いを引き受けて外へと飛び出していった
「・・・あいつ・・・どこで目撃されたとか聞かないで行っちゃわね・・・」
しかし空は肝心のどこで目撃されたのかを聞かずに出て行ってしまい
海はそれを見て呆れていた
「それが彼のいいところだよ」
すると大地がそれが空のいいところだと言っていた
「空は困っている人がいるならすぐに助けるために行動する
それができるからこそあいつがリーダーなんだよ」
大地は空の行動力を高く評価しており
だから彼がリーダーなんだと誇らしげに言った
「別にそれに文句は言わないけどさ・・・
せめてリーダーらしい行動はしてほしいわよね」
海は彼がリーダーなことに文句はないが
もうちょっとリーダーらしく振舞って欲しいとも思っていた
「あははは・・・」
「さて・・・どこに向かえばいいんだ?」
そして勢い良く外に出て行った空は
案の定どこに向かえばいいのか悩んでいた
「まぁ誰かに聞いていけばなんとかなるだろ!!」
だが空はめげずに誰かに聞けば大丈夫だと思いとにかく聞き込みを始めた
しかしそんな空の考えとは裏腹に色んな人に聞き込みをしても
どんなのもを見たのかはおろかどこで目撃されたのかすらわからなかった
「はぁ・・・まいったな・・・どうしよう・・・」
疲れた空は一旦公園のベンチに座りこの後どうすればいいのかを考える
(まさか誰一人としてみた人がいないなんて・・・
もしかして聞き方が悪いのか?
それとも見た人間は限定されていたりするのか?)
などと考えながら通りを見ていると
「ん?あの子達は・・・」
「はぁ・・・まさか休日返上で
こんな事に付き合わされるとは思ってなかったわ・・・」
愛心はあくびをしながらため息をついていた
「だって未確認飛行体だよ?!
もしかしたらUFOとかかもしれないじゃん!!」
こうしながらそう言っているのは愛心達のクラスメイトである
皆縞 明里
彼女はスクープを撮るのが趣味で二人はよくそれに付き合わされている
そして今回の彼女の目的は空を飛び回る影の調査だった
「まぁ私達も正体は気になっていたし別にいいんじゃない?」
実は二人もこの影については調査しており
今回の彼女の提案は二人にとっても有益なものだったのだ
「それにしても明里はどこで目撃されたのとか知ってるの?」
愛心達もどこでその影を見たとかは聞いておらず
それを知っているのかどうか明里に聞くと
「もちろん!この私に抜かりはないのですよ!!」
明里は自慢げに知っていると胸を張って言った
「その調査・・・俺も手伝っていいかな?」
「あっ赤井しゃん?!」
愛心はその姿を見て思わず驚き噛んでしまった
「何?このイケメンさん知り合い?」
しかし明里は彼のことを知らないので誰だと思っていた
確かにこんな普通の格好をしている人が
あの有名なスカイレッドだとは誰も思わないだろう
二人は親戚のお兄さんということで明里を納得させた
「そうなんだ〜・・・調査の参加はいいよ!
ちょうどボディーガードが欲しいと思ってたし!!」
明里は空の参加を心よく受け入れてくれた
「・・・ん?ボディーガードってなんのこと?」
「・・・何?・・・ここ・・・」
「何って・・・まぁいわゆる裏通りかな?」
「そんなもんは見ればわかるわ!!
問題は何でここに連れてきたってことよ?!!」
四人が来ていたのは飲み屋やキャバクラなどはある裏通りに来ていた
こんな場所に連れてこられた意味がわからず愛心は何でここに来たのか聞く
「実はここで空を飛んでる影を目撃したって人が多かったんだよね!
ちなみに今日はここでその目撃者と落ち合うことになってるんだ!!」
何と例の影はここで目撃されていたらしく
明里は事前にその目撃者と連絡を取りここで落ち合うことになっていたのだ
「なるほど・・・だからボディーガードが必要だったというわけですか・・・
こんな所に女子高生が三人でいれば何をされるかわかりませんからね」
そして先ほどの発言のわけも納得できた
確かにこんな場所に女子高生が三人でいれば
変な輩に絡まれるのは目に見えており
それを避けるためにボディーガードは必須だった
「それじゃあとにかくその目撃者のいるお店に向かおう!」
四人はまずここで落ち合う予定の目撃者との待ち合わせ場所に向かった
「えっと・・・あった!このお店だよ!」
しばらく歩いているとようやく目的のお店にたどり着いた
「・・・ってここ思いっきりキャバクラじゃない!!
その目的のお店はいわゆるキャバクラと呼ばれる場所だった
「だってその目撃した人がここで働いてるんだもん!
だからここで落ち合おうって話になって・・・」
どうやらその目撃者はここで働いているキャバ嬢だったらしく
それで自分のお店を待ち合わせに使ったようだ
「はぁ・・・まぁいいわ・・・とにかく中に入りましょう・・・」
愛心はこれ以上の問答は無意味だと思い早く中に入って証言を得ることにした
中に入ってみるとやはり朝なのでお店は閉まっており
その奥に向かってみると一つのテーブルに一人の女性が座っていた
おそらくあの人が目撃者だと思った四人はそのテーブルに向かった
「・・・あなたが私に例の影について聞こうと思った子かしら?」
するとその女性がこちらに気がついたらしく
連絡をしてきた者かどうか聞いてきた
「はい!今日はわざわざ来ていただいてありがとうございます!
早速で申し訳ありませんが例の影について聞かせてください!!」
明里は早速例の影についてその女性に聞く
「あれは三日前の晩だったわ・・・いつも通りお得意様の相手をして
出口まで見送りをしたんだけど・・・そこで見ちゃったのよ・・・
空を飛び回る大きな翼の生えた影を・・・!」
どうやらその女性が空飛ぶ影を見たのは三日前だったらしく
ここで頻繁に目撃されているらしい
「う〜ん・・・翼の生えた影ですか・・・」
「それってただ鳥を見ただけじゃないの?」
愛心は翼の生えた影なら鳥なのではないかと告げると
「ううん・・・私も最初は鳥だと思っていたけど・・・
あの影にはちゃんとあったのよ・・・
鳥にないはずのちゃんとした腕がね・・・」
本来は鳥にとっての腕は翼を指しており
翼と腕を両方持っている鳥類はこの世に存在しない
つまりその影は明らかに鳥ではないという証拠だった
「翼と腕を持った影ですか・・・確かに怪しいですね・・・
それは大体何時くらいに見ましたか?」
明里はその影を見た時間を確認する
「正確な時間まではわからないけど・・・皆の話では
夜中にその影を見るって言ってたわよ?」
どうやらその影が多く目撃されたのは夜中らしく
それを確認した四人はとりあえず夜中に再集合することにした
「・・・で夜中になったのはいいけど・・・
やっぱりこうなるよね・・・」
夜中になり再び裏通りに四人はきたのだが
そこには仕事を終えたサラリーマンなどでごったがえしており
とてもではないが影の調査どころではなかった
「さぁ・・・出てこい!謎の鳥人!!」
しかしそれでも明里はキラキラした目で
その影が出てくるのを待っていた
「・・・そういえば赤井さんはこっちにいていいんですか?」
ふと愛心は赤井がここにいることを不思議に思っていた
「ああ!影がどこに出るかはわからないから
みんなと手分けして待機することになったから大丈夫だよ!」
どうやらみんな別行動し範囲を広げることにしたらしい
「そうなんですか・・・」
それを聞いた愛心は顔では残念そうな顔をしているが
(おっしゃぁ!夜に赤井さんと一緒になれるなんてまさに天国!!)
内心はめちゃくちゃ喜んでおり嬉しさを隠すのに必死だった
「それにしても・・・人がいっぱいいて迷子になりそうですね・・・」
四人は影を探して通りを歩いているのだが
あまりに人が多く迷子になりそうになっていた
「確かにそうだね・・・みんな大丈夫?・・・って・・・苧環さんは?」
(・・・しまった・・・赤井さんと一緒の嬉しさに浮かれて
みんなを見失ってしまった・・・)
愛心は赤井と一緒に居られる嬉しさで舞い上がってしまい
そのまま歩いていたら三人を見失ってしまった
(しかも・・・)
迷子になってすぐに愛心は男三人組に絡まれてしまった
「おい嬢ちゃん・・・俺達と良いことしようぜ?」
一人の男性が愛心の手を掴んで詰め寄っていく
「悪いけど私には好きな人がいるんで」
だが愛心はそれに屈することなく気丈な態度でいた
「それじゃあ俺様がそんな男の事なんて忘れさせてやるよ」
そう言って男が愛心に手を伸ばしていく
「そんな男勝りな女が良いとは・・・趣味が悪いな・・・」
「?!誰だ?」
男は急に声が聞こえて振り返るとそこには凶夜がいた
「・・・なんであんたがここに・・・」
愛心は何でここにいるのだと驚いていたが
ナンパしてきた彼らにはそんなことは気にせず
「誰だが知らねぇが・・・俺達の邪魔をするんじゃねぇ!!」
ナンパを邪魔された腹いせに殴り掛かってきたが
呆気なく返り討ちにされた
「さて・・・財布漁ろう」
しかもそのまま財布の中身を全て取られてしまう
「あんたね〜・・・助けてくれたのは感謝するけど・・・
それはダメでしょ・・・」
愛心は感謝すると同時にその様子を見て呆れていた
「別にお前を助けたわけじゃなくこいつらの財布に用があっただけだ」
しかし凶夜は愛心を助けたわけではなく
金を漁るためにやったと言っていた
「あんたねぇ・・・!」
それを聞いた愛心は頭にきて殴り掛かろうとした
その時だった
「キャァァァァァ!!」
「「?!!」」
二人は急いで叫び声の聞こえた方に行ってみると
そこには翼の生えた異形の存在がいた
しかしそれにはもう一つ特徴があった
それは頭に大きな角が生えているということだ
つまりあの存在は・・・
「「・・・鬼・・・!」」
再び現れた鬼の存在
果たして奴の目的は?!