豹変
今回は現代でも戦いです
凶夜は鬼の本拠地に入り口はどこにあるのか
ひたすらに探し回っている時・・・そいつは現れた
「・・・何か用か?・・・キグス」
凶夜が振り返った先には黒いローブに身を包んだ四天王のリーダー・・・キグスが現れた
「久しぶりだな・・・リリムとの戦い以来だな・・・しかと顔を合わせるのは・・・」
キグスはそう言いながら手を凶夜に向ける
「・・・何の真似だ?いくらあんたでも俺と真正面からの勝負は分が悪いってわかってるよな?」
仮にも元四天王であり最強の称号を持っていた凶夜と真正面から戦闘を行うのは
不利だとわかっていながらどうして構えつのか凶夜は質問する
「まともに戦うつもりはない・・・私も目的はただ一つだ・・・」
そう言ってキグスは何の前触れもなく魔法を放つ
「そうかい!だったらその目的を力づくで教えてもらおうか?!」
『ヘン・・・シン・・・』
凶夜は間一髪でそれを躱しながらベルトを取りだしてフィアーナイトへと変身する
「さて・・・悪いが俺も面倒なのは嫌いだからな・・・一気に行かせてもらう!」
そう言ってフィアーナイトは剣を取り出してキグスへと斬りかかる
それをキグスは難なく避けるとフィアーナイトへと魔法を放つ
「はぁ!!」
フィアーナイトはその魔法を正面から叩き切ると今度は真横から魔法が放たれた
「オラァ!!」
しかしそれすらも読んでいたフィアーナイトは拳と剣で魔法を打ち消した
「ったく・・・相変わらず厄介だよな・・・動作なしの魔法なんてよ・・・」
そう・・・キグスの得意技のひとつは動作なしの魔法の発動だった
これまでの手をかざす動作はあくまでフェイクのものであり本当はそんな必要はないのだ
それをあえてすることで敵の注意を引きその隙をついて倒すのがキグスの主な戦闘方法である
「やはり手の内を知っている相手に通用するほど甘くはない・・・か」
しかしキグスの手はあくまで不意打ちの技であり手の内を知っている者にはあまり通用しない
現に手の内を知っていたフィアーナイトは見事にその攻撃を読んでいた
「ならば・・・お前にも見せたことのない技を見せてやろう・・・!」
そう言った瞬間にキグスの体がぶれてそこからなんと三人に分身した
「「「ただの分身ではないぞ・・・魔法の数も三倍だ・・・!」」」
フィアーナイトの周りから先ほどとは比べものにならないほどの魔法が放たれた
「だったらこの魔法ごと切り裂くだけだ!」
『ブラッ・・・ド・・・』
フィアーナイトは剣にオーラを溜めて回転し分身ごと魔法を切り裂いた
「っ!・・・やはり四天王最強は伊達ではないか・・・」
キグスはその攻撃を障壁を出してなんとかガードしたがその顔からは焦りが見えた
「さてと・・・どうする?お前のことだからまだまだ色々と隠してるもんがあるんだろ?」
フィアーナイトは次にどんな手を打つんだとキグスを挑発し始める
「・・・ならばこういうのはどうだ?」
キグスは指を鳴らすと突然フィアーナイトの周囲が暗くなっていった
「なるほど・・・今度は視覚を潰して反撃が当たらないようにするって寸法か・・・
確かにいい手だが・・・そんなもんが俺相手に聞くと思ってるのか?」
フィアーナイトは視覚を塞がれたくらいでは自分は止められないと告げる
「確かにそうだろうな・・・だが・・・これならばどうだ?」
キグスがそう言った瞬間に何かがフィアーナイトの体を拘束する
(・・・なるほど・・・極細のワイヤーか・・・しかもご丁寧に魔法で強化されてやがる・・・
こりゃあちょっとやそっとじゃ取れそうにないな・・・だが・・・!)
フィアーナイトは自信が拘束されているのが一体何なのか調べ終わると
今度はその拘束を解くための行動を開始し始めた
「・・・何をするつもりなのかは知らないが無駄だ・・・そのまま消えろ」
「・・・悪いが・・・その攻撃を待ってたぜ?」
「?!」
キグスはその言葉を聞いて魔法を放つのを止めようをしたがすでに遅く
その攻撃はフィアーナイトに直撃・・・普通はそこで終わるはずだったのだが
「やっぱり魔法には魔法を使って解くのが一番だな」
何とそこには無傷なのはおろか拘束すら解いているフィアーナイトの姿があった
「・・・なるほど・・・あらかじめ剣で切れ目を作っておきそこに私の魔法を当てたか・・・
やはり貴様を相手にするには多少の手傷は覚悟せねばならないようだな・・・!」
キグスはその姿を見て無傷で勝つのは無理だと判断し多少の傷を計算に入れる覚悟を決めた
「さてと・・・それじゃあとりあえず鬼ごっこだな・・・捕まえて色々を吐いてもらおうか!」
フィアーナイトはキグスを捕まえようとやる気をみなぎらせていた
(さて・・・やはりフィアーナイトを私一人で倒すのは無理なようだな・・・
となると・・・あちらの方が終わって合流するまで粘らなくてはな・・・)
一方その頃・・・愛心と奏歌は急いで秘密基地の方へと向かっていた
「みなさん!この街の付近で巨大な力のぶつかり合いが!!」
そう言って愛心が作戦室に入っていくと
そこには険しい表情でレーダーマップを見ているみんなの姿があった
「・・・博士・・・この反応は間違いなく四天王で間違い無いですよね?」
空はマップの反応から相手は四天王だと判断していた
「おそらくそうじゃろうな・・・しかも戦っているとなると・・・相手はフィアーナイトか」
来島博士は戦闘している事から相手をしているのは間違いなくフィアーナイトだと判断していた
「そんな・・・!それじゃあ私達もすぐに行かないと!!」
愛心はそれを聞いてすぐにでも援護に行くべきだと進言するが
「いや・・・残念じゃがこの力のぶつかり合いじゃ・・・足手纏いになりかねんし
そもそも今のお前さんらの力では近づく事すら不可能のはずじゃ・・・」
力の差はもはや歴然であり二人の戦闘に入り込めるほどの力はないと来島博士はみんなに告げる
「ですが・・・!」
奏歌も行きたい気持ちは同じで何とか説得しようとするが
おそらくそれ自体は間違いなのだと思っていた
「・・・ここはあやつを信じて待つしかない・・・今の儂らにできるのはそれだけじゃ」
来島博士はフィアーナイトが勝って帰ってくるのを信じるようみんなに言う
「「「・・・・・」」」
それを聞いてみんなは頭では納得していたが心までは完全に納得できなかった
しかしそうやってここでじっと出来ていたのも今のうちだけだった
「!何じゃと?!また新しい反応・・・しかも同じ四天王じゃと?!」
何とマップに新しい反応が現れてしかもその反応から同じ四天王だと判別していた
「チィ!フィアーナイトに混ざりに行くつもりか?!」
空はおそらくその四天王はフィアーナイトの戦いに混ざりに行くつもりなのではないかと思っていた
「だったらこいつだけは私達で相手をします!!」
そう言って愛心と奏歌は作戦室を出て行ってしまう
(四天王が二体同時に現れるじゃと・・・まさか?!あやつらの狙いは!!)
「空!いますぐあの二人を連れ帰ってくるのじゃ!後に現れた四天王の狙いはあやつらじゃ!」
来島博士はすぐに相手の狙いが愛心達だとわかり空に連れ帰ってくるように伝える
「?!わかりました!みんな行くぞ!!」
空はそれを聞いてすぐにみんなと一緒に愛心達の後を追っていった
(頼む・・・!間に合ってくれ・・・!!)
来島博士は空達が間に合うのをただ祈るだけだった
「・・・!見つけた!!」
愛心達は急いで走って向かうとそこには邪悪なオーラを放っている影を発見した
「「スピリットメイク!!」」
そしてすぐに変身しその影の前に立つ
「?!あんたは!!」
二人はその人物を見た時に驚きを隠せなかった何故ならその影の正体はリリムだったのだ
しかし前にあった時は明らかに何かが違っていた
「見つけた・・・あんた達が・・・兄様を変えた・・・元凶・・・!!」
そしてリリムが二人を捉えた瞬間、とてつもない殺気が二人に向かって放たれた
「っ?!なんて殺気!!いやもうこれは殺意そのもの!!」
しかしブランはその殺気を感じてすぐにその違いがわかった
リリムは自分達を殺すつもりで来ているのではなく殺そうとしているのだと
「お前らさえいなければ!兄様は私をぉぉぉぉぉ!!」
リリムはそう言いながら凄まじい勢いで二人へと突っ込んでいく
「くっ?!」
二人はなんとかその攻撃を躱すが反撃できるほどの余裕はなかった
「・・・なんかあいつおかしくない?まるで暴走してるみたいなんだけど・・・」
ノワールはリリムの様子が明らかにおかしく一体何が起こったのかと疑問に思う
「わかりません・・・明らかなのは彼女の怒りの矛先は私達だという事だけです」
ブランもどうしてああなったのかはわからないが
確実に狙われているのは自分達だという事だけは理解した
「とにかくここで戦うのは危険です・・・一旦この場から離れて人気のない場所に行きましょう」
ブランは怒りの矛先が自分達ならばうまくすれば街から離せると思い
ノワールと一緒にまずは人気のない場所を目指す事にした
「逃がすかぁぁぁぁぁ!!」
案の定、暴走したリリムは他には目もくれずに二人だけを追いかけていく
(しかし・・・どうして彼女はあんな風に暴走してしまったのでしょうか・・・?)
ブランは逃げながらもリリムの観察をして暴走した原因を調べるが
特に変わった様子はなくしっかりと調べるにはとにかく大人しくさせるしかないと判断した
「よし!ここなら誰にも迷惑をかける事はないわね!!」
そして二人はあまり知られていない廃墟までリリムを誘導した
「気をつけてください・・・今の彼女は前に戦った時よりもケチ違いに強いです・・・!」
ブランは明らかにリリムは前の時よりも力も凶暴性も増していると告げる
「わかってるわよ・・・!とにかくあの子を全力で止めるわよ!!」
二人は戦闘体制をとりリリムと戦う覚悟を決めた
突如として豹変してしまったリリム
どうして彼女はこうなってしまったのか?!
果たしてスピリットメイデンの二人は彼女を止められるのか?!




