共闘
前半はスピリットメイデン
後半は巨大ロボット戦です!
ノワール達はフィアーナイトがグレアスと戦っている間
四天王リリムの足止めをお願いされた
「あなた達は中級魔人にすら苦戦している弱者・・・
とても私の相手が務まるとは思えませんね・・・」
確かにリリムの言う通り二人の実力では遠く及ばないだろう
「でも・・・やるからには全力で相手する!」
しかし誰かが相手をしなくてはいけない以上
二人は是が非でも喰らい付く覚悟でいた
「そうですか・・・ならば死になさい・・・!」
そう言ってリリムは二人に向かって攻撃する
二人はギリギリでその攻撃を飛んで避けるが
「翼のある私に対して空に逃げるのは愚策ですよ?」
翼を持っているリリムが高速で接近し二人を叩き落とす
「グゥ・・・!やっぱり・・・強い・・・!」
ノワールは改めてリリムの強さを感じていた
確かにフィアーナイトに負けているとはいえ
それでも彼女は四天王の一角なのだ
「さて・・・それでは終わりにしましょうか・・・」
そしてリリムは止めだと言って両手にエネルギーを集め
二人に向かって一気に放出した
「その攻撃を待っていたわ!」
その攻撃を待っていた二人は直撃コースの前に立った
「一体何を・・・?」
リリムは何をするつもりなのだと見ているだけだったが
それは大きな間違いだった
「「フェアリートルネード!!」」
「なっ?!」
二人は力を合わせて竜巻を起こし
リリムの放った攻撃を返した
予想外に事態にさすがのリリムも反応できず
自分の放った攻撃をまともに喰らってしまった
「はぁ・・・はぁ・・・やっ・・・た?」
二人もあの威力を全て返すのは無理があったらしく
かなりのダメージを負っていた
しかしこれで相手を倒せるのならそれでいいと思っていたが
「・・・やってくれましたね・・・!」
「「?!」」
なんとリリムはまだ倒れていなかった
煙が晴れていくと少しだけ傷ついたリリムが出てきた
「まさかあなた達の狙いがカウンターだったとは・・・
ですが私も四天王・・・自分の攻撃でやられるほど甘くはありません」
さすがは四天王というだけはあり
たとえ自分の攻撃でも倒すまでには至らなかったらしい
「これは・・・ちょっとピンチかな?」
ノワールはそう言って強がってはみるものの
実際はかなりピンチだった
というのは先ほど使ったカウンター技は一回しか使うことができず
しかも自分達はその攻撃の影響でかなりダメージを負っていた
これでは先ほどの攻撃を避けることはおろか
普通の攻撃ですら避けることはできないだろう
つまり今の二人は何もできないということだ
それを知ってか知らずかリリムは余裕とばかりに
ゆっくりと二人に近づいていく
「私に傷を付けてくれたあなた達には
特別な方法で苦しんでもらいましょうか?」
そう言ってリリムは二人に触れようとしたその時だった
「悪いが次の遊び相手は俺だぜ?」
「?!」
リリムは急いで振り返ってみると
いつの間にかフィアーナイトが帰ってきていた
「この短時間でグレアスを倒したのですか・・・
さすがは兄様ですね・・・」
リリムはさすがだとフィアーナイトを尊敬すると
同時に恐怖していた
次は自分がその相手をしなくてはいけないのだと
そう思ってリリムが構えた瞬間だった
「そのくらいにしておけ」
「「?!」」
気がつくとリリムの後ろにいつの間にか
黒いローブに身を包んだ男が浮いていた
「・・・キグス・・・
四天王のリーダーの登場か・・・」
なんとその男は四天王のリーダーだったようだ
さすがのフィアーナイトも警戒しているらしく
いつも以上の殺気を放っていた
「キグスさん・・・私はまだ満足していませんが?」
リリムはまだ戦うとキグスに喰ってかかるが
「グレアスが破れた今・・・我々の作戦は失敗したと同義・・・
これ以上の戦闘はこちらにとって不利なものとなる・・・
故にこの場は引くことを優先せよ」
キグスは今の状況を冷静に分析し撤退するのが得策だと言い放った
「それに・・・いずれ奴とは戦うのだ・・・
その場はちゃんと設けてやる」
キグスにそう言われたリリムは仕方ないと
「・・・わかりました・・・撤退します・・・」
その命令を受け入れた
「ちょっとあいつら逃げるわよ!!いいの?!」
ノワールは逃げていく二人をただ見ているだけの
フィアーナイトに追わないのか聞く
「ああ・・・まだやることが残ってるしな・・・」
しかしフィアーナイトはまだやるべきことがあると言って
追おうとはしなかった
「賢明な判断だな・・・グレアス!」
「おっしゃぁ!リベンジマッチだぁぁぁぁぁ!!」
するとどこからともなくグレアスが現れた
「ちょっと?!あいつを倒して出てきたんじゃないの?!」
ノワールはてっきりフィアーナイトが倒してきたのだと
思っていたので目の前にいる相手に驚いていた
「確かに倒したけどあいつの空間内で倒しても
時間が経てば普通に復活して出てくるんだよ」
どうやらグレアスは自分の空間の中で倒しても
すぐに復活して出てきてしまうらしい
「どんだけチートな能力なのよ・・・」
それを聞いたノワールはどれだけチートを積んでいるのだと思っていた
「それじゃあ行くぜ!!」
そう言ってグレアスはボトルを取り出し
それを飲み干して巨大化し始めた
その隙にリリムとキグスはどこかに消えていった
「ちょっと!どうするつもりなのよ?!」
ノワールはこの状況をどうやって打破するつもりなのか聞く
「ん?別に何もするつもりないぞ?」
しかしフィアーナイトは何をする気はないと言っていた
「何で?!」
「あいつらにもリベンジさせないとな?」
『その通りだ!』
すると空から声が聞こえてきて上を見上げると
ライフイーグルが空を飛んできた
その後ろには他のマシンをこっちに向かっていた
『ここからは俺達に任せてくれ!!』
どうやらフィアーナイトは彼らにリベンジをさせるべく
その為に何もしないつもりだったらしい
『鋼獣合体!!』
『完成!ライフキング!!』
『デュアルフィザーソード!!』
合体を果たしたライフキングは武器を構えて
グレアスに突っ込んでいく
「おもしれぇ!また返り討ちにしてやらぁ!!」
グレアスも拳を構えてライフキングに突っ込んでいく
ライフキングは武器を振り下ろしてみせるが
グレアスは華麗にその攻撃を躱して鋭い一撃を腹に叩き込む
『グゥ!!さすがにやるな!!』
一撃を受けたライフキングは後ろに下がってしまう
「オラオラァ!!まだまだ行くぜぇ!!」
グレアスはその隙をついてまたも懐に入り
連打を叩き込んでみせる
『くぅ・・・!これだと反撃する隙がない・・・!』
「・・・やられてるじゃねぇか・・・
はぁ・・・しょうがない・・・手伝ってやるか・・・」
あまりのやられ具合にフィアーナイトは思わずため息を吐いてしまい
仕方なく協力することにした
「凶獣招来!」
その声とともに黒いキツネ、クマ、コウモリ、ヘビがやってきた
「凶獣合体!!」
そして黒いキツネを中心に
クマ、ヘビ、コウモリが合体する
「完成!イビルエンペラー!!」
「これで止めだぁ!!」
グレアスは倒れこんだライフキングに止めの一撃を放とうとするが
「スネークハウンド!」
イビルエンペラーの伸びた腕に攻撃される
「グァ?!」
攻撃を受けたグレアスは吹き飛び地面に倒れる
「ハウリングホールド!!」
そしてその隙をついてキツネの口から電撃が放たれ
グレアスを拘束する
「こんだけやればお膳立ては十分だろ?
とっとと止めを刺しな」
フィアーナイトは最後の止めだけをライフレンジャーに譲る
『ありがとう!それじゃあこれで止めだ!!』
ライフキングは大きく空に飛び上がり
『ライフストレートフィニッシュ!!』
落下と同時に武器を振り下ろしてグレアスを切り裂いた
「この俺が・・・一度勝った奴らに・・・負ける・・・なん・・・て」
グレアスは悔しがりながら地面に倒れ爆発四散した
「・・・で?なんで俺がお前らを家まで送らないといけないんだ?」
戦いを終えた凶夜は先ほどの戦闘で動けなくなった愛心達をおぶって
二人に家まで送っていた
「すいません・・・さすがに疲れちゃって・・・」
奏歌は申し訳なさそうな顔で謝り
「しょうがないでしょ!
第一あんたが私たちにあの子を押し付けたんじゃん!!」
愛心は凶夜の所為だと逆ギレしていた
「なぜに俺が怒られなくちゃいけないんだよ・・・」
そうぼやきながらしばらく歩いていると
「「・・・zzz」」
どうやら疲れきった二人は寝てしまったようだ
「おいおい・・・せめて家の場所を言ってから寝てくれよ・・・」
そう言いながらも凶夜の顔はとても穏やかであった
少しだけ二人に心を許した凶夜
しかしそんな彼に新たなる敵が迫る!