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それぞれの戦い

今回は中編になるかも?

後ろではライフレンジャーが戦っており

前には凶夜を追ってきた四天王の一人であるリリムが立っていた

まさに絶体絶命な状況だと思っていたが

「お前が俺と戦う?本当に言ってるのか?」

凶夜はまるで自分より下の者に言うかの如く呆れていた

「確かに昔は兄様には一回も勝てませんでした・・・

 ですがあれから私も努力したのです!

 絶対に兄様を倒してみせます!!」

そう言ってリリムから放たれる殺気は本物だった

それは愛心達を怯えさせるには十分だった

「はぁ・・・それじゃあ久々に遊んでやるか」

凶夜は仕方ないと言ってベルトを取りだし腰につける

「変身・・・!」



『ヘン・・・シン・・・』



凶夜はフィアーナイトへと変身し

リリムはそれを見て両手にエネルギーを溜める

「まずは小手調べです・・・!」

そう言ってリリムは両手を合わせてそこから光線が発射された

フィアーナイトはそれを躱さずに受けてみせた

「・・・確かに威力は上がってるが・・・そんなものか?」

なぜなら受けても別にダメージはないからだ

それほどまでにフィアーナイトとリリムには実力に差があるのだ

「・・・やはりこれくらいでは兄様には効きませんか・・・

 ならばこれはどうですか?!」

今の攻撃が効かなかったリリムが次に繰り出したのはピンク色の粉だった

「?なんだこれ?」

フィアーナイトはこの粉が一体何なのかと思っていると

「?!」

急にフィアーナイトが膝から崩れ落ちた

「「フィアーナイト(さん)?!」」

二人は慌てて変身しフィアーナイトに近付こうとすると

「邪魔をしないでください」

その邪魔をするようにディーズが立ちはだかった

「こいつら!邪魔!」

ノワールはディーズを倒しながら前に進もうとすると

「グァァァァァ!!」

後ろからスカイレッドが吹き飛ばされてきた

「スカイレッド様?!大丈夫ですか?!」

ノワールは一旦そっちに向かう



「ああ・・・!大丈夫だ・・・だがあいつ・・・めちゃくちゃ強い!」

スカイレッドがここまで苦戦しているということは

グレアスと呼ばれていたあいつは上級魔人だということだ

「なんだ・・・お前らが強いと言ってたから期待してたのに・・・

 五人いても俺に勝てないじゃないか・・・つまらない・・・」

どうやらグレアスにとってライフレンジャーはお眼鏡に叶わなかったらしく

期待していたのに残念だと言っていた

「テメェ・・・!言ってくれるじゃねぇか・・・!!」

グリーンはボロボロの体をなんとか起こして反抗の意思を見せるが

さすがに勝てそうな感じはなかった

「う〜ん・・・俺もあっちに混ざろうかな?」

しかしグレアスはそれすら無視してリリム達の方を見ていた

これはライフレンジャーにとってとても悔しいことだが

それほどまでに奴との差があるのも事実だった

「?!」

しかしグレアスは向こうを見て驚いていた

なぜなら先ほどまで優勢だったリリムが押されていたのだ



「残念でしたね・・・私は直接攻撃だけではないんです・・・

 この粉は相手の神経に直接作用し

 幻覚を見せることができるんです・・・

 これでもう兄様は私の手中です」

リリムは勝ち誇ったような表情でじわじわとフィアーナイトに近づいて行く

「・・・これがお前の切り札か・・・なら・・・お前の負けだ」



「?!」

強烈な音とともにフィアーナイトのベルトが開き

リリムの放った粉を吸い込み始めた

そしていよいよ全ての粉が吸い込まれてしまった

「さて・・・茶番は終わりにしようか?」

そのまま今度はフィアーナイトがゆっくりリリムに向かって歩いていく

リリムは驚きを隠せずに徐々に後退していく

しかし後ろに壁が出てきてしまい

フィアーナイトが逃げようとするリリムの逃げ道を塞いだ

「・・・まだ・・・やるか?」



「っ!」



「・・・わかりました・・・今日は引きましょう・・・」

リリムは諦めて今日は引くと言って空に逃げていった

「リリム様が逃げたのなら俺も逃げよう」

グレアスもリリムが逃げたのを見て地面に穴を掘り逃げていった

「逃げてくれたか・・・グレアスの能力は厄介だしな・・・」

凶夜は変身を解除してその場を去っていってしまった

「・・・彼に助けられてしまったな・・・」

スカイレッドは助けてくれたことを感謝していた

しかしブルーとグリーンは悔しそうだった

いや・・・本当はここにいる全員が悔しいのだろう

だがそれはフィアーナイトに助けられたことにではない

全くと言っていいほど相手にならなかった自分達にだった

フィアーナイトが四天王の相手をしている時に

自分達は上級魔人にいいようにやられていた

もしまた同じ状況になったら今度こそやられてしまい

しかもそのままフィアーナイトが二対一の戦いに追い込まれてしまう

つまりは自分達が彼に迷惑をかけてしまうことになるのだ

「・・・とりあえず傷の手当てをしましょう・・・」

奏歌はとにかく今は傷の手当てが先決だと

みんなを連れて来島博士の研究所へと向かうことにした



「なるほどのう・・・ついに四天王が出てきてしまったか・・・」

みんなの傷の手当てをしながら話を聞いた博士は

まずい状況だと思っていた

「・・・やはり凶夜さんの協力が必要だと思います・・・」

そんな中で奏歌は勇気を振り絞ってそう主張した

それに対してみんなは何も言わなかった

いや・・・言えなかった

今回の一件で彼は四天王とも互角以上に戦えると見せてくれた

おそらく今後の戦いは彼なしでは無理なものもあるだろう

それを身を以て感じ取った彼らは反対することなどできなかった

「・・・俺も賛成だとは思う・・・だが・・・

 問題は彼自身がそれを了承してくれないということだ」

空の言う通りたとえここにいる全員が

凶夜を仲間に迎え入れようと言っても

その本人が参加してくれると言ってくれなければ意味がないのだ

「・・・やはり無理でしょうか・・・?」



『いえ・・・そうでもないかもしれませんよ?』



「「!大婆様?!」」

愛心達の鏡から声が聞こえてきて

二人は急いで鏡を取り出し蓋を開ける

「何かいい方法でもあるのか?」

来島博士は大婆様の考えを聞くと

『彼は復讐に囚われてはいますがそれだけではありません』

どうやら大婆様は何かをわかっているらしく

凶夜が復讐だけの人間ではないと言っていた

「それはどういうことですか?」

空はその根拠を聞いてみると

『彼女・・・確か四天王のリリムとか言っていましたね・・・

 彼はその者と戦ってはいましたが

 決して彼女を傷つけてはいませんでした・・・

 おそらくその理由は・・・彼女も元は人間だからでしょう』



「「「「「?!!」」」」」

大婆様の発言を聞いてみんなは驚いていた

それほどまでに彼女が人間だと誰も思っていなかったのだ

「・・・それは本当の事ですかな?」

来島博士はもう一度本当かどうか確かめると

『ええ・・・彼女からは彼と同じ波動を感じました・・・

 悪の心に囚われていながら光を求める彼と・・・』

それを聞いたみんなは本当の事だと納得した

それと同時に不思議に思った事もある

それはなぜ彼女が魔人の側にいるかという事だった

「それって彼女も凶夜と同じく復讐のために

 魔人の仲間になったって事?」

愛心は彼女が魔人側にいるのは凶夜と同じ復讐かと推測するが

『残念ですがそれは私にもわかりません・・・

 もしかしたら彼女が彼にとても執着しているのが

 理由かもしれません・・・』

さすがの大婆様も理由までは分からず

憶測でしか話ができないと言っていた

「・・・私・・・彼ともう一度話をしてみます」

奏歌はそれを聞いてもう一度凶夜と話す決心をして探しに向かう

「ちょっ?!待ってよ奏歌!!」



「・・・何か面倒なのが来そうだな・・・」

一方の凶夜はビルの屋上で寝っ転がって空を見上げていた

そしてちょうど愛心達が研究所を出て行った瞬間に嫌な予感がし

その場を離れようとするが

「・・・一足遅かったか・・・」



「兄様・・・今度こそ勝たせてもらいます・・・!」



「そういうセリフは俺に一撃でもいれてから言え」






二人は急いで研究所を出て凶夜のいる場所に向かうと

すでにそこではリリムと戦っているフィアーナイトの姿があった

二人は変身し加勢に向かおうとするが

「おっと!リリム様の邪魔はさせねぇぜ?」

その前にグレアスが立ち塞がった

(スカイレッド様でも敵わなかった相手・・・

 私達に勝てるの・・・?)

これまでにないほどの驚異にノワールは怯えてしまう

「何を固まっているんだぁ?!」

するとその隙をついてグレアスが突進してきた

「しまっ?!」

あわやノワールが攻撃を喰らってしまうと思われたが

「ノワァ?!」

横からグレアスを吹き飛ばす影があった

それはリリムと戦っていたはずのフィアーナイトだった

「凶夜さん・・私達にもお手伝いさせてください・・・!」

ブランは少しでも役に立ちたいと手伝いを願い出るが

「普通に足でまといだから帰れ」

フィアーナイトは邪魔だときっぱり断る

「あんただって二対一はきついでしょうが!

 それに誰があんたの言うことなんで聞くか!!」

しかし愛心はそれでも戦うと言って構える



「はぁ・・・なら俺の作戦通りにしろ・・・」



「何を話しているかは知りませんが・・・

 グレアス・・・邪魔者を排除しなさい」

リリムはグレアスに二人を倒すように指示する

「了解しました!」

そう言ってグレアスは三人に突っ込んでいく

「来るぞ!」

三人は難なく突進を避けてみせるが

「隙ありだ!」

グレアスは待っていたとばかりに二人に向かって光線を放った

二人はいきなりの攻撃に反応できず一歩も動けなかった



「それを待ってた!」



「何?!」

しかしその攻撃を喰らったのはフィアーナイトであり

攻撃を受けたフィアーナイトとグレアスは消えてしまう

「さすがは兄様・・・まさかグレアスの特性を利用するなんて・・・」

リリムは素直にフィアーナイトを賞賛していた

グレアスの能力は自分の持つ特殊な空間に相手を閉じ込める能力だった

それを使いいつもは逃げられないように相手と戦うのだが

今回は違う

相手は自分より格上の相手

つまり逃げられないのは自分だということだ

まさにフィアーナイトの作戦通りにことが運んでいる

・・・だが・・・

「ですが・・・グレアスを倒す間の足止めを

 あなた達に頼むなんて・・・

 さすがに無茶な気がしますね・・・」

問題はこの時間の間二人が

リリムを相手にしなくてはいけないということだった

「確かに私達では役不足でしょう・・・でも・・・」



「ただでやられるほど甘くもないわよ!」



「いいでしょう・・・ならば私も全力相手をしてあげます・・・!」

次回はスピリットメイデンの二人がメインになりそうです

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