逆転する感情
今回は強敵が現れます
暑い夏は未だに続いており愛心達は少し夏バテみたいな状態になっていた
「はぁ〜・・・最近戦ってばっかりだからもう暑さ倍増〜・・・」
ここ最近の戦闘の多さに愛心は少しうんざりしていたようだ
それもそうだろう
こんなに暑い日が続いているのに戦闘で体を動かしてさらに熱くなってしまう
わざわざそんな事をする人間など少ないだろうが
愛心達の場合はそうせざる負えないので仕方ないことなのだが
なんで自分達だけこんな目にあっているのだろうと愛心は思ってしまっていた
「はぁ〜・・・しばらくは何もないことを祈るわ〜・・・」
アイスを口に咥えながら愛心はこれ以上は何も起こらないことを祈っていた
しかしそうもいかないのがこのお話の悪いところである
「・・・暇だしテレビでもつけてみるか・・・」
愛心は特にやることもないのでテレビをつけてニュースを見てみると
『続いてのニュースです
とあるアイドルグループの全国ツアーが今日から開催されました
するとメンバーの皆さんは今朝から急に態度が変わり
とても冷たい態度でファンと触れ合っている様子だったとのことです』
そう言ってそのアイドルグループのツアーの様子が映されていた
そのアイドルグループは愛心も見たことのあるほどの有名なグループで
自分が見た時とは全くと言っていいほどキャラが変わっていた
ファンとの握手は全くせずに顔はとても冷たい目をしており
まるで蔑むようにファンの人と交流していた
「これは・・・ひどいわ・・・」
さすがの愛心もこれにはファンもドン引きだろうなと思っていたのだが
映されていたファンの人達はとても嬉しそうな顔をして帰って行っていた
「・・・それでもいいのかよ・・・」
しかしさすがにあれだけの変わりようはおかしいと思い
愛心は奏歌と連絡をとって秘密基地へと向かうことにした
「確かにお前さんらの言う通り昨夜は魔人の反応が出ておった
しかしのう・・・それがかなり妙なのじゃよ・・・」
どうやら二人の読み通り今回の犯人は魔人らしいのだが
来島博士はその動きが少し妙だと感じていた
「どういうことですか?」
奏歌は何が一体妙だと思っているのか確認すると
「実はのう・・・今回は魔人の反応が二つも出てきておったのじゃよ・・・
だから空達に手分けして向かってもらったのじゃが・・・
やはり間に合わなくて今回の事件が起きてしまったわい」
どうやら今回の魔人側は撹乱作戦に出たらしく
それに惑わされ今回の事件を止めることができなかったらしい
「相手も色々と考えるようになってきましたね・・・
何か対策を練らないとダメでしょうか・・・」
それを聞いて奏歌は相手も色々と対策をし始めてきたので
自分達も何か作戦を考える必要があるのではないかと思っていた
「確かにその必要はあるかもしれんのう・・・しかし問題は相手の能力じゃ
ニュースで見たかもしれんが人の人格を変えてしまうほどの能力・・・
下手をすれば皆が洗脳されて仲間内で戦うハメになる可能性もある」
しかし来島博士は一番先に考えなくてはいけないのは相手の能力だった
相手は人の人格に何らかの作用をもたらして変えてしまう
もし自分達にそれを使われてしまったら仲間内で争うなんていう最悪の展開だってありうる
「出来ることならもう少し相手の情報が欲しいところなのじゃが・・・」
来島博士はそれに対する作戦を練るためにもう少し情報が欲しいと思っていた
「ならあの人の助力が必要というわけですね・・・!」
「ああ・・・すでに空達には動いてもらっておる・・・!」
「・・・なるほどな・・・それでまた俺のところに来たのかよ・・・」
空達が敵の情報を知る為に会いに来ていたのは凶夜だった
確かに彼ならば魔人についての情報は知っているだろう
「頼む!どうすればいいのか教えてくれ!」
あまり乗り気ではない凶夜に対して空は頭を下げてお願いする
「別に教えてもいいが・・・聞いてもどの道対策のしようはねぇぞ?」
すると凶夜は教えても対策なんてものは絶対に取れないと言っていた
空達はそれを聞いて首を傾げるがその後の凶夜の説明で全て理解することになる
「いいか?その魔人の名前はソイン・・・感情を逆転させる魔人だ・・・
あいつの前ではどんな奴でも感情を逆転されてしまう
今回の件で言えばファンに優しくしようと思えば思うほど冷たくしてしまう
だが・・・あいつの長所はそこじゃねぇ・・・
あいつの前では戦おうと思えば思うほどあいつを傷つけられなくなってしまう
それがあいつにとっての一番の武器だ」
それを聞いてようやく空達は理解する
どうして能力を聞いても無駄だと言われたのか
つまりは自分達がどんなに戦おうと躍起になっても
相手の感情を逆転させる能力の前では全て無になってしまうのだ
それはまさに絶対防御と言っても過言ではないだろう
「わかったろ?あいつの能力なんて聞いても意味はねぇんだよ」
確かにこんな能力ならば聞いたところで何の対策もしようがない
すると霧はふと疑問に思ったことがあった
「あの〜・・・その能力には制限とかそう言ったものはないのですか?」
それはソインの能力に対して何かしらの弱点はないかというものだった
「確かに制限はある・・・あいつの能力は半径1キロにいる人間にしか効かない
だが・・・遠距離攻撃でもあいつを傷つける意思があったらどの道、攻撃は当たらない」
「・・・なるほどのう・・・それほどまでの能力か・・・」
戻った空達から話を聞いた来島博士はとても深刻な顔をしていた
「さすがに感情どうこうと言われてしまってはのう・・・
機械でどうにかできる問題でもないし・・・手詰まりじゃわい」
さすがの来島博士でも今回の相手には何の対策も行えない自信があった
感情の問題など機械でどうにかできるもんではないし
かと言って遠距離攻撃の武器を作っても使用者が当てようと思っては意味がない
完全に手詰まりと言った状況だった
「彼の話でもソインは相当の実力者だと言っていました・・・
普通の人間にソインを倒すのはおそらく不可能だと・・・」
空の話では凶夜もソインはかなりの強敵だと言っていたらしい
それもそうだろう人の根幹の一つである感情を操られてしまったら
さすがのライフレンジャーやスピリットメイデンでもなす術がない
かと言って感情のない兵器に任せばいいのではないかとも思うが
今の所、魔人に対して効果のある無人兵器など存在しない
「う〜む・・・本当に強敵じゃのう・・・!
戦う前からこんなに悩まされる羽目になるとは・・・!」
まだ出会ってすらいない相手にここまで悩まされてることに対して来島博士は悔しがっていた
「「?!」」
そんな時に限って魔人が出たというアラームが鳴り響く
「おのれ!まだ何の対策も出ておらんというのに!」
来島博士はこうも早い登場に思わず歯を噛み締めてしまう
「さすがに何もしないわけにはいきません!行ってきます!」
何の対策もないから黙って見ているわけにいかない空達はすぐに現場へと向かった
「私達も行こう!」
そのすぐ後を愛心達も追いかけていく
「・・・なかなか現れてはくれませんね・・・前回は陽動を仕掛けましたが・・・
今回は自信があるので何もしていないはずなのですがね・・・」
とまるでどこかの呪術師のような格好をした魔人が何かを待っていた
「そこまでだ!・・・ってなんだこれ・・・?!」
そこへ変身したライフレンジャーが到着するのだがそこで見た光景に驚かれる
なんとそこでは明らかに恐怖しそうな魔人に対して
すべての人がまるで神でも崇めるかのように敬服していたのだ
「なるほど・・・恐怖の心を逆転させて信仰の心に変えたのか・・・!」
グリーンの読み通りソインは人の恐怖する心を逆転させ人を信仰させる心へと変えていたのだ
「ようやく来ましたか・・・なかなか遅いので心配しましたよ」
どうやらソインが待っていたのはライフレンジャーだったようだ
「俺達を待っていただと?一体どういうことだ!」
しかしなんでわざわざ自分達を待っていたのか知らないライフレンジャーは何が目的なのか聞く
「別に特にこれと言った理由はありませんよ・・・
少々あなた方を邪魔だと思い始めた幹部達の命令を受けただけです」
ソインの話ではどうやら魔人の幹部がライフレンジャーを邪魔だと思い始めて
彼らを消す命令を受けてここに来たらしい
「さて・・・長話も何ですし・・・そろそろ始めましょうか?」
ソインは急に話をやめて武器を取り出し突っ込んでいく
ライフレンジャーも武器を構えて対抗しようとするが
「なっ?!」
急に体が動かなくなり何の抵抗もなくソインの攻撃を受けてしまう
「なるほど・・・!これが感情を逆転されるということか・・・!」
みんなは武器を構えて攻撃を受け止めようとするが
その感情が逆転され攻撃を素直に受けるように体が動いてしまったようだ
「これじゃあ手も足も出ないわよ?!どうするの?!」
その後も攻撃は続き次第にライフレンジャーはボロボロになっていく
「どうしました?こんなものなんですか?」
そんなライフレンジャーにソインはゆっくりと近づいていく
「クッソ!こいつ・・・強すぎる・・・!」
さすがのライフレンジャーも勝てるイメージが湧かず
このままではやられてしまうと思っていた
「やれやれ・・・どうやら本当にここまでのようですね・・・
それでは・・・止めといきましょうか・・・!」
ソインは動けないライフレンジャーを見てこれ以上は戦う必要性はないと止めの一撃を放った
「「させない!フェアリートルネード!!」」
そこへスピリットメイデンの二人が現れて必殺のカウンター技を放つ
「残念ですけど私には効きませんよ?」
しかしそんなカウンターもソインには当たらずに逸れてしまう
「おや?・・・どうやら逃げられてしまいましたか・・・」
だがノワール達はその攻撃の隙に乗じてその場から退散した
「まぁいいでしょう・・・止めはまた次の機会ということで・・・」
そう言ってソインはその場から姿を消したのだった
手も足も出なかったライフレンジャーにスピリットメイデン達
果たしてソインの能力を攻略することはできるのか?!




