幽霊墓地から脱出せよ!
今回、愛心は一言も喋りません!
あまりの怖さに気絶してしまった愛心を運びながら
奏歌と明里は人魂を躱して墓地の探索を始める
「さっきから移動してるけど・・・人魂以外はお墓しか見かけないね・・・
いや・・・墓地だから当たり前なんだけどさ・・・」
しかしどんなに移動しても人魂と墓しか目撃できず
同じような道を行ったり来たりしているような状態だった
さすがにこんな状況が続くのはまずいとは思ってはいるのだが
出口が見つからない限りこうするしか方法がなかった
「!ちょっちょっと!あれ!!」
すると明里が何かを見つけたらしくとある場所を指差す
奏歌もそこを一緒に見てみるとそこには何故か大量の人魂が漂っていた
もしかしたらそこに誰かがいるのではないかと思い二人は静かに近寄っていくと
「あれは・・・酔っ払いの人?」
そこには酔っ払って寝ている一人の男性がいた
おそらくは道を間違えてここに来てしまい酔いが回って寝てしまったのだろう
そしてそれを人魂達が見つけて取り囲んだようだ
『体・・・見つけた・・・!』
すると一つの人魂がそのままその人の体の中へと入っていく
しばらくするとその人の目がゆっくりと開かれていき
『ようやく手に入れたぞ!俺の体だ!!』
どうやらその人は人魂に体を乗っ取られてしまったらしく
体を手に入れた人魂が大喜びしていた
(そんな・・・体が乗っ取られてしまうなんて・・・!)
それと同時に奏歌達はそれを見て恐怖していた
それもそうだろう
もしあの時に捕まってしまっていたら確実に自分達も体を乗っ取られていたのだから
「とんでもないのを見ちゃったわね・・・」
明里はすごいものを見てしまったと少し興奮していた
確かにこんなものを写せていたのならスクープ間違いなしだろう
しかしそんなスクープもここから無事に出れなければ意味はない
二人は何としてもここから出なければならないと思いすぐさま作戦を考える
「とりあえずはここから出ないとね・・・
そうなると出口に構えている人魂をどうにかしないとダメか・・・」
明里はどうやって出口にいる人魂を離れさせるかを考える
「それなら私が囮になって彼らを引きつけます!
その間に明里さんは愛心ちゃんを連れて逃げてください!」
奏歌は人魂が生きた人間の体を欲しがるのを利用して
自分を囮にして二人を逃がそうと考えていた
「でもそれじゃあ奏歌さんが逃げられないでしょ!
それは最後の手段にとっておきましょう・・・
今はみんなで脱出する方法を考えないと・・・!」
しかし明里はそんな作戦を絶対に認めず全員で脱出できる方法を考える
「・・・あれ?そういえばあの人はどうなったのかな?」
すると明里は先ほど体を乗っ取られた男の人がどうなったのか疑問に思う
確認する為にそっちの方を見てみると
『ようやく人の姿を手に入れたし・・・寝るか!・・・zzz』
何故か体を手に入れた人魂は何をするでもなくその場で寝てしまった
これでは体を乗っ取る前とやっている事がほとんど一緒である
「・・・なんか乗っ取られても大丈夫な気がしてくるわね・・・」
それを見て明里は別に乗っ取られても問題はないのではないかと思ってしまう
確かにこんな姿を見てしまったらそう思うのも無理はないだろう
しかしあんな人魂がそんなにいるわけでもないので
やはり乗っ取られるわけにはいかないだろう
「とりあえず人魂の行動を観察しましょうか?」
明里は人魂の行動を観察すれば何か弱点がわかるのではないかと思い
静かに彼らの行動を見続けていると一つの法則性があるのを見つけた
それは一つの人魂がずっと同じ場所をぐるぐると回っている事だった
おそらくはそこに自分の墓がありそこから一定の範囲でしか行動できないのだろう
だからこそ人の体を乗っ取りその制限を外そうとしているのだ
「なるほど・・・って事は出口に構えている人魂にも行動制限があるのかも!」
明里は出口にいる人魂にも行動制限があると予測し
彼らのお墓を見つけて移動させればいいのだと考えていた
「でも見つけても私達じゃ移動させる事は出来ないと思うのですけど・・・」
しかし奏歌の言う通り墓を女子二人だけで移動させるなど不可能だろう
結局行動制限という弱点を見つけてもどうにもできなかった
他に何かいい方法はないかと思い明里は再び観察を再開する
「う〜ん・・・やっぱりそれ以外はいい方法ないな〜・・・」
しかしそう簡単に他の何かが見つかるわけでもなく
結局は只の無駄足で終わってしまった
「はぁ〜・・・やっぱりみんなで脱出するのって無理なのかな〜・・・」
さすがの明里もこれ以上は無理だと半分諦めてしまう
それほどまでに追い詰められた状況になっていた
するとどこかから何かを破壊する音が聞こえてきていた
まさか人魂とは別の何かがいるのではないかと二人は不安に思っていると
『ぎゃぁぁぁぁぁ!!墓が破壊されるぅぅぅぅぅ!!消されるぅぅぅぅぅ!!』
そう言って人魂の一つがまるで昇天するかのように消えていってしまう
その奥には大量のお墓が粉々に破壊されていた
「・・・何て罰当たりな・・・!」
明里はそれを見て誰がこんな事をしたのだと思っていた
「全く・・・俺の体を乗っ取ろうとするなんてのは100年早ぇんだよ」
そんな声が聞こえてきて二人が振り返るとそこには大きな影があった
「「キャァァァァァ?!!」」
それを見た二人は本物のお化けだと思い悲鳴をあげる
「うるさいな!もうちょっとちゃんと見ろ!!」
するとその声はまるで自分達を知ってるかのように言ってきた
それを聞いてもしかしたらと思い奏歌はゆっくりと振り返ると
そこには街灯の光に照らされているフィアーナイトの姿があった
「なんだ凶夜さんだったんですか・・・はぁ〜・・・」
見知った人の姿を見て奏歌はようやく一安心だと思っていた
「でもどうしてここにいるんですか?」
すると奏歌はどうしてここにフィアーナイトがいるのか尋ねる
「ここら辺で休憩してたら例の人魂に襲われたんだよ・・・
そんでムカついたから片っ端からやっつけていってた」
どうやらフィアーナイトは最初からここに来るつもりではなかったらしく
近くで休んでいたら人魂に襲われて
それを返り討ちにしていたらココに来てしまったらしい
「えっと・・・人魂って倒せるんですか?」
そこで奏歌は疑問に思う
どうして実態のない人魂を倒すことができるのかと
「人魂に攻撃してもすり抜けるが本体は墓だからな
だからその人魂の墓を破壊すればそいつも消えるってわけだ」
フィアーナイトはその人魂と連動している墓を破壊すれば人魂も消えると言っていた
つまりあの墓の瓦礫の山を作り上げたのはこの男だったのだ
「えっと・・・いくらなんでもそれはさすがに罰当たりなんじゃないですか?
明日になってここに来た人が怒りますよ?」
「大丈夫だよ・・・人魂になってるのは大抵悪者だからな」
フィアーナイトの話では人魂になっているのは生前に罪を犯した者であり
自分の欲望を満たすために人の体を求めているのだと言っていた
「だから消されたって文句の言える立場じゃねぇんだよ・・・
まぁ・・・後片付けするやつには申し訳ないけどな」
そう言ってフィアーナイトは三人に近づいていく
「・・・てか後ろの二人は大丈夫なのか?」
するとフィアーナイトは奏歌の後ろを指差しながらそう言っていた
奏歌はそれを聞いて振り返ってみると
「・・・・・(チーン)」
先ほどまで大丈夫だった明里も気を失っていた
どうやら先ほどのフィアーナイトの姿を見て限界を迎えたらしい
これで気絶をした足手まといが二人になってしまった
「・・・とりあえず運ぶの手伝ってもらえませんか?」
さすがに二人一緒に運ぶのは無理なので
奏歌はフィアーナイトに手伝ってもらえないか聞く
「・・・まぁ俺のせいでもあるみたいだからな・・・」
フィアーナイトも少し罪悪感があったのか素直に手伝いを受け入れる
そして二人はそのまま彼女らを担いで墓地の奥へと進んで行く
「そういえば凶夜さんはこの想像を起こした人がわかるんですか?」
奏歌は今回の元凶を知っているのか尋ねる
「ああ・・・俺のアテが外れてないのならあいつで間違いないだろうな・・・
全く自分の姿を晒さずに好き勝手やりやがって・・・あの臆病者が・・・!」
どうやらフィアーナイトはその人物を知っているようで
その者の悪口を言いながら歩いていた
「俺は臆病者なんかじゃねぇよ!!」
「・・・ようやく姿を現したか・・・ジンガ」
二人はその場で振り返ってみるとそこには大量の人魂を連れた
明らかに人手はない存在がそこにはいた
「久しぶりじゃねぇかフィアーナイト!
よくも俺を臆病者呼ばわりしてくれたじゃねぇか!!」
ジンガと呼ばれていたその魔人は
フィアーナイトの先ほどの言葉に対して怒りを露わにしていた
「実際そうだろ?
自分は高みの見物を決め込んで人魂ばっかりを送り込んで
こいつらのをひたすら追い回していたんだからよ?」
しかしフィアーナイトはそれに対して一切謝ろうとはせず
むしろ言われて当然だろうと言っていた
「テメェ・・・!言わせておけばいい気になりやがって!
いいぜ!それだったらこれはどうだ?!ディーズ!!」
ジンガは手下であるディーズを呼び出すとそれに人魂を取りつかせた
するとディーズの姿が変わり始め強化されたようだ
「いけ!」
そしてそのディーズ達にフィアーナイト達を襲わせようとする
「そんなんだから臆病者だって言われるんだよ!!」
しかしいくら強化されたとしても雑魚には変わりなく
一瞬で全滅させられてしまい人魂も成仏されていく
「この野郎・・・!こうなったら俺が直々に相手してやるわ!!」
見かねたジンガは直々に戦ってやると言ってフィアーナイトへと向かっていく
「最初っからそうしやがれ・・・その方が最初から手っ取り早いんだよ!!」
フィアーナイトはようやく本人が向かってきたと思いベルトのボタンを押す
『デッ・・・ド・・・』
「オラァァァァァ!!」
フィアーナイト必殺の一撃がジンガに突き刺さり
「ゴァァァァァ?!!」
そのまま空の彼方まで飛んで行ってしまった
ジンガが消えてしまったことにより人魂を姿を保てずに消えていく
「これで一件落着か?」
そう思いフィアーナイトは安心していたのだが
「・・・まぁこうなると思ってたよ・・・!」
ジンガをを倒しても愛心達は目を覚ますことがなく
凶夜は仕方なく二人をおぶって家まで送るのだった
一番活躍したのにご褒美もない凶夜であった




