黒の一撃
死闘、熊童と決着!!
真の姿を現した熊童
その姿はこれまでの鬼とは明らかに違っていた
元々大きかった体はさらに巨大化しており
爪や牙は動物のそれよりも鋭いものとなっていた
まさに熊という名前にふさわしい体だと言っていいだろう
「さぁ・・・ここからは本気で俺と戦ってもらおうか!!」
熊童は少しだけ拳を振るうとそこに大きな爪痕が残される
「さっき以上にパワーが上がっているのか・・・!」
スカイレッド達はその余波だけで吹き飛ばされそうになってしまう
「これが幹部クラスの本当の力・・・!
一体こんなのにどうやって勝てっていうのよ・・・!」
ノワールはその力を見てどうすれば勝てるのだと思っていた
いや・・・先ほどの状態ですらまともなダメージを与えることができなかったのに
本気になってしまった熊童に勝つことなど不可能だろう
(どうする・・・これじゃあ足止めはおろか全滅だってありえる・・・!
いやそれ以上に・・・街への被害が大きくなってしまう・・・!)
さすがにこのままでは自分達はおろか街も壊滅してしまう可能性がある
これではとてもパワーアップアイテムの完成など待っている暇はない
(もはやこれまでのなのか・・・!)
スカイレッドはもうダメだと諦めきっていると
「おいおい・・・こりゃあ予想より大分やばそうだな・・・」
熊童の後ろから声が聞こえてきた
全員がその方向を一斉に見るとそこにはフィアーナイトが立っていた
どうして彼がここにいるのか?
それは少しだけ時間を遡って説明しよう
「おい・・・いい加減、俺はこんな小手先の勝負は飽き飽きなんだが?」
フィアーナイトはこんななんの意味もない戦いは終わらせようと考えていた
「そうですか?私としてはもっと戦ってあなたの本気を見てみたいのですが・・・」
しかし茨童は未だに見れていない
フィアーナイトの本気を見なければ終われないと言う
「本気じゃないやつに本気出せるわけないだろ・・・
それに・・・この後も戦いが控えているなら体力は温存する方がいいだろ?」
フィアーナイトが本気を出さないのはこの後も戦いを予想してだった
だからこそ無駄に体力しか消費しないこんな勝負は早く終わらせたいのだ
「しかしまぁ・・・そんなわけもいかないみたいだし
・・・少しだけ本気出すぞ・・・!」
フィアーナイトは剣を無造作に振り回し続ける
すると葉や土などが舞い始めて茨童の視界を塞ぎ始める
「目潰しですか?ですが・・・これくらいでは私は止まりませんよ」
しかしそれぐらいでは茨童が止まるわけでもなく
そのまま真っ直ぐに突っ込んでいく
「?!」
だが・・・その先にはフィアーナイトが剣を振りかぶっていた
彼が目潰しをしたのは視界を塞いで逃げる為ではなく
突っ込んでくる場所を限定する為だった
つまりこれは誘い込まれた一撃だったのだ
「チィ?!」
茨童はなんとかその攻撃を躱すことができたが
手傷を負ったことには変わりなかった
「さすがにこれ以上は自分の命が危ないですか・・・
いいでしょう・・・この勝負はあなたの勝ちです・・・」
そう言い残して茨童は姿を消していった
「そんなわけで急いで来たんだが・・・なんなんだこりゃあ?
お前誰だ?俺は見た事ないぞ?」
明らかに姿の変わってしまった熊童を見て
フィアーナイトは誰なのかわからず首を傾げる
「茨童め・・・しくじったのか・・・!
だがまぁ良い!楽しみが増えたんだからな!!」
熊童は完全にやる気になっており目の前にいるスカイレッド達を無視して
そのままフィアーナイトへと突っ込んでいく
「ヌゥン!」
それに対しフィアーナイトも剣を振り下ろして攻撃する
熊童もそれと同じ瞬間に腕を振り上げて迎え撃つ
二人の攻撃がぶつかった瞬間・・・とてつもない衝撃がみんなを襲う
「くっ?!なんて威力なんだ?!!」
スカイレッド達は吹き飛ばされないようにするので精一杯で
とてもではないが加勢なんてできる雰囲気ではなかった
(ここまで来ておいて・・・俺達は足手まといでしかないのか・・・!)
スカイレッドは自分達の力不足を悔しがる
しかし二人ともそんな一朝一夕で埋まるほどの実力の差ではなかった
そう・・・二人ともすでに人知を超えていた・・・
そんな戦いに人である彼らが入れる事など出来るわけもない
「なるほど・・・変わっているのは姿だけじゃないわけ・・・
久々に本気を出さないといけないみたいだな・・・!」
フィアーナイトも戦ってその実力がすぐにわかったらしく
自身も本気を出さなければまずいと思ったようだ
「がははははは!楽しいな!もっと戦おうぜ!!」
熊童はそれを見てまるで狂ったかのように笑っていた
「全く・・・少しは楽させろっての・・・!」
フィアーナイトはあまりの強さに文句を漏らすが
それでも攻撃する手を緩めようとはしていなかった
熊童もそれを見て受けて立つかの如く拳を振り続ける
(さて・・・どうしたもんかね・・・
さすがにこんなんじゃ永遠に決着なんてつかないし
てか決着つく頃にはここら辺が全て吹っ飛んでるぞ)
さすがのフィアーナイトもこのままいけば
ここら辺を荒地にしてしまうと考えていた
だからこそ何か決め手が欲しいのだが
今の彼にはそれを打つだけの時間がない
かといって時間を作ろうと攻撃の手を緩めてしまったら
あの手数と威力に負けてしまう
「こうなったら・・・ダメージ覚悟でやるか・・・!」
フィアーナイトはこのままジワジワと共倒れになるくらいなら
いっその事、勝負に出るべきだと思い攻撃する手を止めようとすると
「そんくらいの隙なら私達で作ってやるわよ!!」
何と先ほどまで両者の攻撃に圧倒されていたノワールとブランが立ち上がり
蔦を伸ばして熊童を拘束し出したのだ
「今更こんなもんで俺様が止まるかぁ!!」
しかしそれでも攻撃の手を止めれたのは数秒ほどで
とても時間が足りたようには見えなかった
(二人とも・・・!俺達は・・・何をしているんだ・・・?!)
スカイレッドは二人の姿を見て自分を恥じていた
彼女らは自分達とは違い普通の人間
なのに彼女らの方がフィアーナイトの援護ができている
「俺も・・・負けてられるかぁぁぁぁぁ!!」
「?!!」
スカイレッドは自分を奮い立たせて熊童に攻撃を仕掛ける
それを予測していなかった熊童は簡単に攻撃を食らってしまうが
やはりそこまでの傷を負ってはいなかった
「テメェ・・・よくもやりやがったな?!」
しかし熊童を怒らせるには十分だったらしく
完全に視線はスカイレッドへと向いていた
「クッソ!俺達も体さえまともに動けば・・・!」
イエローはなんとかして体を動かそうとするが
全快にはほど遠く立ち上がるので精一杯だった
「じゃったらこれを持って行け!!」
そこへ何かの機械を持った来島博士が立っていた
「博士!できたんですか?!パワーアップアイテムが!!」
イエローはその様子を見て例のパワーアップアイテムが出来たのだと悟った
「うむ!じゃが急いで作ったから一回しか使えんし
ちゃんと機能するかもわからん!後でダメでも文句は受け付けんぞ!」
どうやら急ピッチで開発を進めたらしく出来としては最悪な状態だった
しかしそれでも何もないよりマシというものだろう
イエローは早速それを受け取りスカイレッドの元へと向かう
「「はぁ!!」」
スカイレッドに向かって拳を振り下ろそうとしていた熊童に対して
イエローとグリーンは武器を当ててその場から退かせる
「レッド!これを使うぞ!!」
イエローは先ほど渡されたパワーアップアイテムをスカイレッドに渡す
それを受け取ったスカイレッドはみんなの武器を合体させる
「ライフバズーカ!フルパワーモード!!」
「ファイヤ!!」
その一撃はこれまでのものとは比べものにならず
その攻撃を放ったライフレンジャー自身も吹き飛ばされてしまう
「ぐぉぉぉぉぉ?!!」
しかしそれでも熊童は倒れていなかった
どうやらダメージはあったものの倒すまでに至らなかったようだ
「クッソ!もう打つ手はないのか・・・!」
「いや・・・時間稼ぎには十分だ・・・!」
『カ・・・オ・・・ス・・・!』
「オラァ!」
機械音と共にフィアーナイトの持っていた剣に黒いオーラが纏われ
その剣を熊童に向かって投げ飛ばして突き刺す
「ハァァァァァ!!」
そして足に黒いエネルギーを溜め勢いよく上空にジャンプし
そのまま剣が突き刺さっている場所に向かって蹴りを放つ
「ガァァァァァ?!!!」
その一撃を受けた熊童の体は大きな風穴が開き絶叫と共に地面へと倒れた
「・・・ハァ・・・やっと倒れたか・・・」
さすがのフィアーナイトも疲れたらしく
地面に座り込んでしまう
「・・・まだ・・・だ・・・!」
しかしそんなに休憩させてもくれるわけもないらしく
倒れたはずの熊童が起き上がり始めた
「俺様はまだ・・・負けてねぇ・・・!」
そして例の酒瓶を取り出して中身を飲み干し巨大化する
「チィ!だったら徹底的にやってやるよ!凶獣合体!」
フィアーナイトはマシンを召喚し合体させ
「俺達も行くぞ!鋼獣合体!」
それを見たスカイレッド達もマシンを呼び出し合体させる
「さぁ・・・行くぞ!!」
最初はライフキングが突っ込んでいくが
攻撃を躱されて逆に反撃され吹き飛ばされてしまう
「オラァ!」
そのすぐ後にイビルエンペラーが攻撃を仕掛けて
熊童を仰け反らせる
「喰らいやがれ!!」
熊童はお返しとばかりに腕を振り下ろしてイビルエンペラーを攻撃する
「危ない!ライフストレートフィニッシュ!!」
すると吹き飛ばされたライフキングがそれを見て後ろから必殺の一撃を放つ
「ガァ!テメェ!!」
直撃した熊童は怒りを露わにしながらそちらの方を向いたが
それは間違いだった
「お前の相手は俺だ!!」
その隙をついてイビルエンペラーが腕を伸ばして熊童を拘束し
「零距離幻魔総咆撃!!」
零距離からの必殺技を放った
「ガァァァァァ!!バカなぁぁぁぁぁ!!!」
その直撃を受けた熊童は今度こそ爆発四散した
「・・・熊童が倒れたか・・・
どうやら人間も少しはやるようになったみたいだな・・・」
そしてそれをどこか遠くの地下から見つめる誰かがいた
ようやく幹部の一人を倒したフィアーナイト達
しかしその戦いはあまりにも辛く険しいものだった




