地中に潜む敵
今回はみんなでますよ!
「・・・またか・・・」
近頃、この街では異常なほど地震が増えていた
それほど異常と言えるほどに
凶夜はこれはおそらく怪物の仕業だと考えていた
(しかし・・・魔人の中にこんな事ができる奴は
二人くらいしか思いつかない・・・
そうなると・・・残るは鬼・・・か・・・)
凶夜の知る限り魔人の中にはこんな事ができる者は少なく
残る可能性は鬼の今回の地震を起こしている者がいると判断した
「だが・・・相手が地中にいるんじゃ対策はできないな・・・」
だが問題は正体などではなく倒す方法だった
地震が起きてしかもこの街にだけとなると
おそらく相手は地中にいると判断していいだろう
しかし凶夜には地中で戦う方法がなかった
「どうしたもんかね〜・・・何かいい方法はないものか・・・」
凶夜は対策を考えながらとりあえず場所を特定しに向かった
一方で空達も今、起きている地震は敵のものだと判断し
どうやって炙り出そうかと案を出し合っていた
「う〜ん・・・やっぱり敵と同じく地面を揺らして閉じ込めるしかないか?」
空は敵と同じく地面を揺らして
押し潰せばいいのではないかと思っていると
「そうなったら今度こそ本当にこの街が沈んじゃうわよ」
もしそんな事をすれば街が沈んでしまうはずだと海が告げる
「さすがにそれはダメでしょ」
大地の言う通り街を守る人が逆に破壊するわけにはいかない
「そうなると・・・残るは相手を地表に引きずり上げる・・・か」
そうすると残る可能性は必然的に一つになってしまう
それは敵をこの地表に引きずり上げる事だった
「問題はその方法ですね?」
問題はそれをどうやって実行するかだった
「確か相手は今も動き続けているんですよね?」
霧は来島博士に相手は今どこにいるのか確認する
「うむ・・・儂のレーダーでもさすがに地中までは届かんからな〜・・・
地表に近くなった時しか反応せんのだ・・・」
だが来島博士のレーダーマップでも地中の敵を詳しく索敵することはできず
地中に近づいた時にした居場所を特定する方法はなかった
「う〜ん・・・難しいな・・・」
さすがの彼らでも相手の居場所がわからない限り手が出せない
しかし時間は刻一刻と刻まれていく
空達はどうにかして居場所を特定できないかと考えていると
「うむ・・・あの者ならなんとか出来るかのう・・・」
どうやら来島博士にはこの状況を打開できる人物に心当たりがあるらしい
「博士その人物とは?」
「説明は後じゃ・・・今はあの二人を呼ぶことにしよう」
「えっと・・・それで私達二人が呼ばれたんですか?」
来島博士から呼び出しが来て愛心達はすぐに基地へ来た
「うむ!早速で悪いが大婆様と連絡を取ってくれんか?」
二人を呼んだ来島博士は二人に大婆様と連絡を取りたいと言う
「「?」」
それを聞いて二人は首を傾げるがとりあえず連絡を取ろうと
スピリットミラーを取り出す
「大婆様、少しお時間よろしいでしょうか?」
奏歌がスピリットミラーに向かって呼びかけると
鏡の中に大婆様が映り始めた
『大丈夫ですよ・・・大体の事情も理解しています・・・
おそらく私にその鬼の捜索をお願いしたいのでしょ?』
どうやら大婆様は自分の力で鬼を探して欲しいのだろうと悟っていた
「うむ・・・お主の森はこの街の地下にも根を張らせているのだろう?
じゃったらお主ならば鬼を探すことができるはずじゃ」
来島博士は癒しの森の主である大婆様なら
きっと鬼を見つけることができるはずだと考えていた
『確かにそれは可能でしょう・・・
ですが私も全ての根に意識を割いているわけではないので
おそらくは発見するまでに時間が掛かってしまいます・・・』
大婆様は時間を掛ければそれも可能だと言っていた
「・・・どのくらいの時間が必要ですかな?」
来島博士はどれくらいの時間が必要なのか尋ねる
『相手が動いているのなら・・・おそらく二、三日は掛かるでしょうね・・・』
相手が動き回っているのもありそれなりの時間が覚悟するように言われた
「そうですか・・・ですがそれでもあなたが頼りです」
『わかりました・・・それでは早速、捜索を始めます』
そう言って大婆様の姿は消えていった
「・・・二、三日か・・・」
森はその日数を聞いて少し不安に思っていた
確かに今は地震だけで特にこれといった報告は受けていないが
いつ人間を襲うかはわからない
なので出来れば早めに行動をしたいのが本心なのだが
「さすがにこればっかりはどうしようもないか・・・」
自分達の力では見つけることすらできないので
どうしても大婆様に頼るしか方法がないのも事実だった
「そう焦るな・・・今は大婆様を信じて待っていよう」
すると大地が森の方に手を置いて落ち着くように言う
「・・・わかってるよ・・・」
森は少し不貞腐れた顔をしながらそう言っていた
「確かに居場所に関しては待つしかないが
ワシらにもやるべき事はある」
来島博士はまだみんなにやる事が残っていると言った
「それは一体?」
空は一体何が残されているのか聞く
「確かに居場所は大婆様が何とかしてくれるじゃろう・・・
だがお前さんら・・・一体どうやって敵を地表に出す気じゃ?」
そう・・・来島博士の言うやるべき事とは敵を地表に出すための作戦だった
「確かに・・・居場所が分かったとしても
地表に出せなければ意味がない・・・」
確かに奏歌の言う通り地表に出さなければ戦うことができないので
居場所など聞くだけ無駄になってしまう
「でも地中にいる敵を捕まえる方法なんてあるんですか?」
「「「「「・・・・・」」」」」
それを聞いてみんなは黙り込んでしまった
それもそのはず地中にいる敵を捕まえる方法なんて
今の彼らには一つもないのだから
「二人の拘束技はダメなのですか?」
霧は愛心達の拘束技は使えないのか聞くと
「あれはちゃんと相手の姿が確認できないと使えないんです・・・」
どうやらあの技を使うには相手の姿を視認する必要があるようだ
「う〜ん私達の技の中には地中にいる相手を捕まえる方法なんてないしな〜」
そして海の言う通り彼らの技の中にも地中にいる相手を捕まえる方法などなかった
「博士はそう言った機械を作れないんですか?」
空はそれ用の機械を作ることはできないのか聞くと
「作れなくもないが・・・それには大婆様以上の時間が必要になってしまう
それではさすがに手遅れじゃろう」
さすがにそんな機械を作っている時間はなかった
「そうなると・・・残るは同じく地中に入って直接捕まえるしかないな・・・」
残る方法は誰かが地中へと潜り直接捕まえる方法だった
しかしこれには色んなリスクが付きまとうことになる
一つ目は視界の悪さだ
地面の中なので当然、太陽の光は一切こず
かといって明かりを点ければ相手に居場所を晒すことになる
よって探索は目視で行うしかない
二つ目は人員の問題だ
この人数で引き上げ作戦をやるとなると
おそらく地中に行けるのは一人だけだろう
つまり地中では誰の援護もなく戦わなくてはいけないのだ
そして最後・・・三つ目は・・・
もし失敗したら・・・敵と一緒に生き埋めになってしまう事だった
それだけは絶対にやってはいけないが二つ目の人員の問題もあり
正直、失敗する確率の方が高かった
「・・・それでも・・・誰かはやらないと・・・!」
しかしこれは誰かがやらないと話が進まない事でもあった
「ここは・・・俺が行く・・・!」
故に空は自分がこの作戦を実行すると宣言した
「・・・いいのか?」
大地は不安になって本当に大丈夫なのか確認する
「確かに少し不安はあるけど・・・みんなが付いてるなら大丈夫だ」
みんなが付いているなら大丈夫だと空は告げる
しかしそれでもみんなは不安だった
もし失敗してしまったらどうすればいいのだろうと
奏歌はその不安が少しでも消えればいいととある番号に電話をかける
「・・・少しお話しよろしいですか?」
こうしてみんなはギリギリまで作戦を突き詰めていき
絶対に失敗しないようにと念入りに確認していった
そして時刻は夕方になりみんなそれぞれ家へと帰ることにした
「・・・作戦・・・うまくいくかな?」
愛心は帰り際、奏歌に本当にこの作戦が大丈夫か聞く
(愛心ちゃんがこんなに弱気になってる・・・)
それを聞いた奏歌はそこまで愛心は心配しているのだと悟った
だからこそ一つだけ言える事があった
「大丈夫!絶対に成功するはずだよ!」
「・・・うん!」
何故、奏歌がそこまで自信満々に言えるのか疑問だったが
それでも愛心はその言葉に救われた
しかしこれが後に嘘から出た言葉ではないと愛心は理解することになる
「とにかく今は大婆様が敵の居場所を掴むのを待つだけだ!」
そして愛心は自分の不安を振り切るように大声でそう言うのだった
(・・・作戦は二、三日後・・・
果たして敵はそれまでにおとなしくしているでしょうか?)
奏歌は大婆様が捜索をしている二、三日の間
敵が何もしないことを祈りながら愛心の後を追いかけていく
「さて・・・俺も準備を進めておくか・・・」
果たして作戦は成功するのか?!




