竜巻警報発生!
今回で旅行編はラストです!
翌日になり三人は竜巻が発生しないかと警戒しながら
各場所をパトロールしに向かっていた
「クァ〜・・・」
すると愛心がパトロールの最中にあくびをしていた
「愛心ちゃんどうしたの?眠れなかったの?」
奏歌は昨日は眠れなかったのと聞く
「むしろあんたはよく眠れたわね・・・
普通、男と一緒に寝るとか無理でしょ・・・」
愛心が寝れなかった理由は単純な事だった
同じ部屋で寝ていた凶夜を警戒して一睡もしなかったのだ
「だって凶夜さんが何もしないって信じてたから」
しかし奏歌の言う通り凶夜は何もしなかったのだ
つまり昨日の自分の行動は全て無意味だった
そう思っていた愛心は余計に疲れてしまって眠気が出ていた
「そんなに眠いなら先のホテルに帰ってるか?」
すると凶夜は愛心に先にホテルに帰って寝るか聞く
「大丈夫!これくらいなんともないわよ!」
愛心は強がりながら二人の前を歩いていく
「・・・いつもああなのか?」
凶夜はその様子を見ていつもあんな感じなのかと奏歌に尋ねる
「えっと・・・いつもはあんなに意地を張ったりはしませんよ?」
だがそれはいつもの事ではなく単純に今日だけ特別なのだと言っていた
だとしたらその要因は何だろうと凶夜は思っていると
(う〜ん・・・さすがに負けたくないかとは本人には言えないよね・・・)
奏歌はそうやって考えている凶夜に負けたくないからだと思っていたが
それは愛心の為に口にすることはなかった
「・・・しかし起きないわね・・・竜巻・・・」
こうして三人はパトロールを続けるのだが
一向に竜巻が発生する気配がなかった
「・・・もうそろそろ昼か・・・二人は何が食べたい?」
凶夜は時刻を確認するとすでにお昼近くであり
二人に何か食べたいものがあるか尋ねる
「別に・・・そこらへんで適当にすればいいんじゃない?」
愛心は特にリクエストはなく
近場で早めに済ませようと言っていた
「近場か・・・そうなるとあそこしかないんだが・・・」
そう言って凶夜が指を差したのはラーメン屋だった
「・・・普通女子にラーメン屋に行こうとかどうかと思うわよ?」
さすがの二人も女子をこんな場所に誘うのかと思っていた
「しかし他に食事できる場所なんてないぞ?」
だが凶夜の言う通り他に食事をする場所などなかった
「はぁ・・・しょうがないわね・・・」
仕方なく三人はそのままラーメン屋に入っていった
「さて・・・何にするかな・・・」
こうして三人はメニューからそれぞれが食べる物を選び注文した
「・・・ヘイ!お待ち!」
そして数分で三人の頼んだラーメンが持ってこられた
「・・・結構美味しい・・・!」
そこで一口を食べた愛心は意外と美味しいかった事に驚いていた
「だな・・・どうやらここで正解だったらしい」
凶夜も同意見らしくこのお店を選んで良かったと思っていた
(う〜ん・・・こう言うところは気が合うんだけどな〜・・・)
そしてそれを見ていた奏歌は
普段もこれくらい仲良くしてくれないかと思っていた
「ふぅ〜・・・食べた食べた!」
三人は満足満足とばかりにラーメン屋から出てきた
「ああ・・・それじゃあ早速パトロールを再開するか」
そしてそのままパトロールを再開し始めた
「しかし・・・竜巻があった割にはそれなりに人は残ってるな・・・」
すると凶夜は一つ疑問が出てきた
この前に竜巻が発生して色んな物を破壊されたわりには
結構な人がこの場所に残っていた
「そりゃあここは有名な観光地だからね〜・・・」
すると三人の話を聞いていたお土産屋さんが話しかけてきた
「それだけでそんなに離れたくないと思うのか?」
しかしそれだけで自分の命が危険なのに
ここを離れない理由になるとは思えなかった
「・・・ここは十数年前までは寂れた町だったのさ・・・
でもとある時に町長が町おこしの案を出して・・・
ようやくこの町にも活気が戻り今では観光名所の一つになった
だからだろうね・・・今、残っているのはその苦労を知ってる人達だけさ」
どうやら残っている人はこの町に並々ならない思いがあるからこそ
ここから離れたくないらしい
「そうか・・・」
その思いを感じ取った凶夜は何も言えなくなってしまった
おそらく彼らはどんな事があっても避難とかはしないだろう
だからこそ凶夜は次に竜巻が発生した場合どうすればいいのか考えていた
(・・・何でこんな風に考えてるんだろうな・・・
昔は相手が倒せれば他は何も気にしなかったのに・・・)
凶夜は自分の中で何かが変わっていくのを感じていた
「自分達で作り直した町か・・・そりゃあ離れられないよね・・・」
愛心達もそれを聞いてどうにかして守らないといけないと思っていた
「だが竜巻が起きなければ結局、無駄足には変わりない・・・
つまり被害が増える前に
何とかして竜巻が発生する場所に向かわないといけないわけだ」
しかし愛心の言う通りだった
結局は竜巻が発生しない限り敵を発見できないので
被害を出さない為にはすぐに竜巻の発生した場所に向かう必要がある
「わかってるわよ!だからこうやってパトロールしてるんでしょ!」
そしてその為に三人はこのままパトロールを続けているのだ
「ああ・・・だがそんな簡単に起きるとは思えないな・・・」
だが凶夜の言う通りそう簡単に竜巻は発生などしなかった
そして時間だけが過ぎて行きいよいよ夕方になってしまった
「ハァ〜・・・なんか本当に大丈夫なのか不安になってきちゃった・・・」
愛心達もさすがに疲れが出てきたらしく少し休憩していた
「・・・いや・・・どうやら来たみたいだ・・・!」
しかし凶夜は風の流れを感じて敵が迫ってきていると悟った
「「えっ?」」
二人はそれを全く感じてはいなかったが次の瞬間
「「?!」」
圧倒的な強風が吹き荒び二人も竜巻が出てきたとすぐに理解した
「向こうか!いくぞ!」
凶夜は風の流れからどこから強風が吹いているのか判断し
すぐさま二人を連れてその方向に向かっていく
「・・・!見えた!」
そしてとうとう目的である竜巻が目の前に見えてきた
「変身!」
『ヘン・・・シン・・・』
凶夜はすぐさまベルトを取りだして
フィアーナイトに変身する
「「スピリットメイク!!」」
愛心達もスピリットメイデンへと変身し
凶夜の後へと続いていく
「なるほど・・・確かにこれは人為的なものだな・・・!」
そして間近で竜巻を見たフィアーナイトは
これが本当に人為的なものだと判断した
何故ならば竜巻の規模もそうなのだが
竜巻は普通、風の流れに沿って進んでいくのだが
その竜巻は完全に物のある方に向かってそれを壊しながら進んでいた
これは明らかに自然的な竜巻とは別だった
「となると・・・やっぱり中に秘密があるか!」
そう言ってフィアーナイトは堂々と竜巻の中へと入っていく
ノワール達はさすがに入ることはできないので近くで待ち構えていると
「ガァァァァァ!??」
竜巻の中から何かが飛び出してきた
「なっ!?こいつは!!」
その姿を見てノワール達は驚いていた
古い着物を着て羽衣のような物を身に纏い両の手には袋を持っており
そして・・・頭には特徴的な角が生えていた
そう・・・竜巻の正体は鬼だったのだ
「まさかここまで来て鬼に会うなんてね・・・!」
二人はまさかここまで鬼が来ているとは思っていなかったので
驚きを隠せていなかった
「全くだ・・・」
すると竜巻の中に入り込んでいたフィアーナイトも出てきた
というより先ほどまであった竜巻が消え始めたのだ
「くっそ・・・まさかこの竜巻鬼様が正体を晒す羽目になるとはな・・・!」
竜巻鬼と名乗った鬼は自分の正体を晒されたことを悔しそうにしていた
「悔しがっているところ悪いんだが・・・お前の目的と親玉の場所を吐いてもらおうか?」
しかしそんな事は気にせずにフィアーナイトは鬼に詰め寄っていく
「へっ!そう簡単に・・・吐くわけねぇだろうが!!」
すると鬼は両の手に持っていた袋から突風を発生させる
「それがどうした?俺にはこんなもんは効かないぞ・・・!」
だがフィアーナイトにその攻撃は効いていなかった
「確かにダメージはないだろうな!だがこれでお前は動けまい!
俺はその間に逃がさせてもらうぜ!!」
竜巻鬼の狙いはダメージを与えることではなく
風で相手の動きを止めてその隙に逃げるのが作戦だったようだ
「なるほど・・・だが残念だったな・・・俺にはこんな風は関係ない・・・!」
『ブラ・・・ッド・・・』
フィアーナイトは黒い斬撃を放った
その斬撃は竜巻鬼の起こした風を全く気にせずに進んで行く
「何っ?!だがこんなもん躱せばいいだけだ!!」
竜巻鬼は一瞬、驚きを見せるがすぐに立ち直り
フィアーナイトの斬撃を躱そうとするが
「「させない!ドライウッドヴァイン!!」」
それをノワール達は許さず蔓を伸ばして逃がさないようにした
「しまっ?!ぎゃぁぁぁぁぁ?!!」
それにより躱すことのできなくなった竜巻鬼に斬撃は直撃し
そのまま真っ二つとなって爆発四散した
「・・・・・」
しかしフィアーナイトはまだ何かあると剣を構えたままだった
「やれやれ・・・随分と警戒されてますね・・・まぁ関係ありませんが」
それを遠くから見ていた茨童は札を飛ばした
『ヌォォォォォ!!』
札が張り付いた竜巻鬼はそのまま巨大化していく
「やっぱりか!凶獣招来!」
「凶獣合体!!」
そのままマシン達は合体して行きイビルエンペラーとなった
「行くぞ!」
するとフィアーナイトはここでは危険だと判断し
ノワール達も一緒に乗せた
「さて・・・行くぞ!」
イビルエンペラーが突き進んでいくと竜巻鬼は突風を発生させる
姿が巨大になった分、風の威力は大きかった
「言ったはずだ・・・そんな攻撃は通用しないと!スネークハウンド!」
しかしイビルエンペラーにはそんな攻撃は通用せず
腕を伸ばして攻撃されていた
「ハウリングホールド!」
そしてそのまま電撃を放って相手を拘束しようとするが
「だったらこれはどうだ!」
竜巻鬼は自分の周囲に真空を作り出して電撃を誘導した
「なるほど・・・だったら!」
そう言ってイビルエンペラーは両の腕を伸ばした
直接、竜巻鬼を拘束して超至近距離まで近づく
「これで終わりだ!零距離幻魔総咆撃!」
そして至近距離で必殺の一撃を受けた竜巻鬼は爆発し
その炎の中からイビルエンペラーだけが姿を現した
「はぁ・・・とんだ旅行になった・・・」
凶夜は今回の旅行でもうこりごりだと思っていた
「だったら明日挽回しましょう!」
すると奏歌はこれからこの旅行を楽しいものにしようと言っていた
「・・・そうだな・・・」
こうして残り一日を三人は楽しく過ごしたのだった
次回は彼らのいない時のライフレンジャーの活躍を書きます




