ダークヒーローVSヒーロー
今回は巨大ロボット戦もあるよ!
フィアーナイトがライフレンジャーに向かって構えると
「オォォォォォ!!」
グリーンがハンマーを持って駆け出していった
そしてフィアーナイトに向かって振り下ろすが
「そんな見え見えの攻撃が俺に効くわけないだろ・・・」
フィアーナイトはその攻撃を最も簡単に避けて見せた
「っ!?ふざけるなぁぁぁぁぁ!!」
難なく攻撃を躱され続けるグリーンはやけになって
無造作にハンマーを振り回し始める
しかしこれでは完全にフィアーナイトの思う壺だった
「ふん!」
大振りになった瞬間の隙をついてフィアーナイトはグリーンを吹き飛ばす
「ゴハァ?!」
吹き飛ばされたグリーンはそのまま地面を転がる
「グリーン!」
仲間達は心配して彼の元へと向かって行く
「強い・・・!」
そして同時にフィアーナイトの強さをその身で感じ取っていた
それもそうだろう
彼は自分達が手も足も出なかった上級魔人を
軽くあしらった実力を持っているのだ
それなのに自分達が勝てると思う方がどうにかしている
しかし彼を倒さなければ後ろにいるガザンを倒せないのも事実だ
彼らはどうやってフィアーナイトを倒せばいいのか考えていると
「・・・あれ?・・・ガザンはどこいった?」
「・・・ん?・・・」
フィアーナイトが後ろを振り返ってみると
そこにはすでにガザンの姿はなかった
どうやら今の戦闘の最中に逃げ出したようだ
「全く・・・逃げ足だけは早いな・・・」
フィアーナイトも逃げ足の速さにだけは感心していた
「さて・・・俺もそろそろお暇させてもらいますかね」
守る対象もいなくなったフィアーナイトはその場を後にした
「一体何のつもりなのよ・・・あいつ・・・!」
ノワールは彼に対して怒りが湧いていた
いや・・・彼女だけではない
おそらくはライフレンジャーも彼に対して怒りがあるだろう
しかし一人だけは彼の行動に対して怒りよりも疑問を持っていた
「・・・何故・・・あの人は攻撃を阻んだんだろう?・・・」
ブランだけはフィアーナイトの行動そのものに疑問を持っていた
「単純にあいつらの仲間だったからじゃないの?」
ノワールはそれは彼らの仲間だからではないのかと告げるが
「それなら前の魔人の時は何故戦ったの?」
確かにブランの言う通り
もし彼らの仲間ならば上級魔人と戦わなくていいはずだ
しかし彼は前回の戦いで上級魔人をその手で倒しているのだ
つまりは彼は味方を手にかけたことになってしまう
仲間ならそんな事をする理由はおそらくない
しかも彼は裏切り者と呼ばれ魔人からは恐れられてすらいた
ブランはそんな人物が魔人の仲間とはどうしても思えなかった
「それじゃあブランはなんであいつが邪魔したのかわかってるの?」
ノワールはならば何故彼が邪魔をしたのか聞く
「・・・わからない・・・でも・・・
何か理由があるのだけは確かだと思う・・・」
二人はその後逃げていったガザンを街中を探しまわっていた
「う〜ん・・・やっぱり手がかりすらないか〜・・・」
しかしそう簡単に見つかるわけもなく彼女達の捜索は難航していた
「そう簡単に見つかるわけがないだろ?」
「「?!」」
二人は急に声をかけられて声が聞こえてきた方を見ると
フィアーナイトがそこにいた
「あんた!また邪魔しに来たわけ?!」
愛心はすぐ警戒して戦闘体制に入ろうとするが
「待って愛心ちゃん!」
奏歌がそれを阻んだ
「どうしてよ?!こいつは私達の敵よ?!」
なんで止めるのか愛心が聞くと
「ここじゃ人目につきすぎるよ!
それに・・・私はこの人に聞きたいことがあるの・・・」
確かに三人のいる場は人通りの多い大通りであり
とても変身できる場所ではなかった
「・・・わかったわよ・・・」
愛心も納得したのか渋々と戦闘体制を解除した
「やれやれ・・・血の気の多い奴には困ったもんだ」
フィアーナイトは攻撃されそうになったにもかかわらず
全くと言っていいほど怯えた様子は感じられなかった
おそらくこれが強者の余裕というものなのだろう
すると突然フィアーナイトのお腹が大きく鳴った
さすがの彼でも空腹には勝てないようだ
「・・・何か食べますか?・・・」
奏歌の提案で三人は近くのファミレスへと向かうことにした
「ご馳走様でした!いや〜!食った食った!もう入らねぇわ!!」
「・・・そりゃあそんだけ食べたらそうなるでしょうよ・・・」
愛心が呆れてそういうのも無理はなかった
なぜなら彼の目の前にはおよそ三十人前くらいあったはずの
空になった食器たちが広がっていたのだから
「・・・それで?俺に聞きたいことってなんだ?」
そして食後のコーヒーを飲みながら
彼は何に対しての質問なのか尋ねる
「まずはあなたのお名前を聞かせてください」
奏歌はまず彼の本名を聞くことにした
「・・・神道 凶夜だ」
それに対して彼は素直に自分を名乗ってくれた
「では凶夜さん・・・何故あなたはガザンを庇ったのですか?」
そしていよいよ奏歌は本命の質問に差し掛かった
「庇った・・・か・・・確かにそうかもな・・・」
凶夜はそれ対して特に否定はせず
むしろそれを認めるような発言をする
「じゃあやっぱりあんたは私達の敵なわけ?」
愛心はそれならば自分達の敵なのかどうか聞くと
「さぁな?それはお前達の態度次第じゃないか?」
それは愛心達の態度次第だと凶夜は言った
「・・・それじゃあ質問の内容を変えます・・・
凶夜さんが庇ったあの魔人・・・彼の能力は何なのですか?」
それを聞いた瞬間、凶夜の少しだけ反応を示した
「へぇ・・・どうやらお前は他のやつと違って頭が回るみたいだな」
そして凶夜はその冷静なまでの分析力をとても評価していた
その時だった
「「「?!!」」」
外の方から爆発音が聞こえてきて
三人はすぐに外へと飛び出していった
「さぁ〜!爆発だ〜爆発だ〜!」
外に出てみると先ほど逃したガザンが暴れていた
「あいつ・・・!また現れたのね!!」
愛心は急いで変身しようとすると
「やめておけ・・・これ以上被害が広がってほしくないのならな」
被害を大きくするなと凶夜に止められてしまう
「なんでよ?!このまま放っておいた方が被害が出るでしょうが!」
しかし愛心は暴れている方が被害が出るのに
何故止めるのだと反抗する
「今度は逃がさないぞ!!」
するとそこへライフレンジャーの面々が到着した
「俺だってさっきと違うんだぞ〜?それ〜!」
ガザンは両手に持っている玉を彼らに投げつけると
「どわぁ?!」
その玉が当たった瞬間に爆発した
「今度は武器を持ってるのかよ?!」
グリーンは先ほどと違い厄介だと思っていた
「とにかくまずは足を止めましょう!」
そう言ってホワイトは弓を取り出して牽制する
「・・・やっぱり気づいてないか・・・」
その戦いを見ていた凶夜は呆れた表情をしていた
「・・・・・」
そしてその横顔を見て奏歌は確信した
彼はガザンの本当の能力を知っていると
「・・・凶夜さん・・・」
そして奏歌は決心したように凶夜に話しかける
「ん?なんだ?」
「あの魔人を倒してくれませんか?」
「ちょ?!何言ってるのよ奏歌?!」
愛心はそれを聞いて驚いていた
なぜならこの男は先ほどあの魔人を庇っているのだ
それなのに奏歌は倒してくれと言ったのだ
どう考えてもそんなものを彼が了承するとは思えなかった
「言っただろ?俺はタダ働きはしない主義なんだよ」
案の定彼は戦わないと言って拒否した
すると奏歌からとんでもない発言が出てきた
「そうですか?先ほど払ったと思うのですが」
「ファミレスの代金」
「・・・テメェ・・・意外にいい根性してるな・・・!」
凶夜もさすがにこの展開は予想しておらず
ふてぶてしく言い放った奏歌を恨めしそうに睨む
「・・・はぁ・・・わかったよ・・・働いてやるよ」
しかしこれは気づかなかった自分の失敗だと諦めて
凶夜はガザンの元へと向かっていく
「・・・変身・・・」
『ヘン・・・シン・・・』
凶夜はフィアーナイトへと変身し
そのまま駆け出してガザンの元へと向かう
「なっ?!テメェ!!」
途中でライフレンジャーが何かを言っていたが
それすらも無視してフィアーナイトはガザンの元へと走って行った
「ハァァァァァ!!」
そしてガザンの懐に入った瞬間に
「ブベェェェェェ?!!」
フィアーナイトはお腹に向かってアッパーを決め込む
直撃したガザンはそのまま空中へと吹っ飛んでいく
「まだまだ!!」
しかしフィアーナイトはそれでも足りないと
ガザンの元へ跳んで行き次々に攻撃を当て空高く舞い上がっていく
「これで終わりだ!」
そしてトドメだとフィアーナイトはベルトのスイッチを押す
『デッ・・・ド・・・』
その機械音と共に足に黒いオーラが身に纏っていく
「ハァ!」
そしてそのままガザンの顔を蹴り飛ばした
「ガァァァァァ?!」
必殺の一撃を喰らったガザンはそのまま空中で爆発したのだが
「「「「「?!」」」」」
それはみんなが驚くほど大規模な爆発だった
これこそがガザンの能力だった
彼は自らが触れている液体を油に変える能力があり
自身の血液すらも油に変えることができてしまう
つまりトドメとばかりに攻撃することは
大量の油に火をつけるということなのだ
もしこれが地上で爆発していたらこの街はただでは済まなかっただろう
「そうか・・・だから凶夜さんは・・・」
「・・・・・」
ガザンを倒したフィアーナイトは無事に地上へと着地し
みんながその場に駆け寄ろうとすると
「まだ終わってないぞ」
そう言ってフィアーナイトはガザンの落ちてきた場所を見ていた
「そうだぞ〜!まだだ〜!」
なんとガザンはまだ生きており懐から
ボトルを取り出してそれを飲み干した
そしてその瞬間にガザンはビルと同じくらいの巨大な姿へと変貌した
「全く・・・面倒だな・・・」
「ここからは俺達に任せてくれ!ライフイーグル!」
「ライフドルフィン!」
「ライフレオン!」
「ライフエレファント!」
「ライフディアス!」
ライフレンジャーがそう叫んだ瞬間
どこからか大きな動物の形をしたマシンがこちらに向かってきた
「トゥ!」
そして彼らはそのマシンへと飛び乗りこう叫んだ
「「「「「鋼獣合体!」」」」」
その瞬間に彼らのマシンは変形し合体を始めた
ライフレオンを中心に右足にライフエレファント
左足にライフディアスがくっつき
両腕にはライフドルフィンがくっ付いた
そして最後にライフイーグルが頭に乗り
人の顔のようなものが出てきた
「「「「「完成!ライフキング!!」」」」」
「そんなもんで俺が倒せるか〜!」
ガザンはそのままライフキングに向かって爆弾を投げるが
「そんなものはいらないわよ!ドルフィンストーム!」
ライフキングの両腕から竜巻が発生し爆弾が返ってきてしまった
「痛〜い〜!」
返ってきた爆弾をもろに受けてしまったガザンはその場に倒れる
「おい!あいつの自爆の事を忘れたのか?!」
するとグリーンから先ほどのことを忘れてないかと言われてしまった
もしこの場で爆発させてしまったら地上への影響は甚大だろう
「あっ」
だがブルーは完全に忘れて攻撃したようだ
「それじゃあ安全な場所まであいつを連れていくぞ!」
そう言ってライフキングはガザンを抱えて空へと飛び上がった
「ここなら大丈夫だ!」
成層圏まで飛んできて
ここなら爆発の影響はないと判断したスカイレッドはガザンを放った
「デュアルフェザーソード!」
そしてライフキングは自分の背中に生えている翼をくっ付き
両剣へと変形させ一気にトドメを刺しに行く
「ハァァァァァ!フィニッシュ!」
ライフキングはそのまま真正面から一刀両断した
「しょんなぁぁぁぁぁ?!!」
ガザンはそのまま空中で爆発し地上への被害はゼロだった
「それじゃあ報酬分は働いたからな」
ガザンが倒れたことを確認した凶夜はその場から去っていく
「結局あいつの目的って何なのかしら?」
愛心は結局彼の目的が何だったのかを思っていると
「わからない・・・でも彼はやっぱり正義の味方だと思う・・・」
「ううん・・・私はそう信じてる・・・」
凶夜の目的・・・それは彼女らが想像する以上のものだった・・・




