旅の終わりに
今回で旅行回は終了です!
色々とあったもののそれなりに楽しい時間を過ごした凶夜達
そして今は晩御飯が来る前の温泉に入っていた
「アァ〜・・・前の旅行でも入ったけど・・・やっぱり温泉はいいな〜・・・」
空は体を伸ばしながら出た言葉はまるで老人のようだった
「いつからそんなに年くったんだよ・・・てかさっきの騒動は忘れてないからな・・・!」
実を言うとあれから空達はお説教を終えてみんなと合流したのだが
その後も色々とあの水着の所為で事件が起こってしまいプールを出禁になってしまったのだ
「幸い他人のフリして隠れたから俺達は追い出されなかったが・・・
もう二度とこのホテルには来られなくなるだろうが!」
確かに凶夜の言う通りあれだけの騒ぎを起こしたのだから
次はホテル自体を出禁にされてしまう可能性はある
それを聞いた空はもちろん反省しているのだが不安だけが何故か残っていた
「それにお前もだぞ・・・てっきり常識人かと思っていたのに・・・」
そして凶夜はもう一人のやらかした人物である大地に対しても睨みつけていた
「いや俺だって悪いと思ってるからね?!そんな軽蔑した目で見ないでくれる?!!」
大地は何やら不本意だと言わんばかりに抗議しているが
凶夜からして見ればこんな目で見られるだけまだマシだと思っていた
大地が何をしたのかというとあれから明里を医務室まで連れて行ったのだが
そのすぐに急患の人が出てしまったらしく医務室の先生が出て行ってしまったのだ
仕方なく大地はベッドに明里を寝かしつけようとした時に
なぜか落ちていた瓶の蓋に足を取られてしまいそのまま明里ごとベッドにダイブ
そしてその衝撃で目を覚ました明里が見たのは自分をベッドに押し倒している大地の姿だった
もちろんこれで騒ぎを起こさない女性なんておらず大地はそのまま医務室を出禁になった
「お前の兄貴ってあんな致命的なドジをするほどの奴だったっけ?」
凶夜は実の弟でもある森にいつからあんなドジをする人になったのか確認する
「・・・俺も正直あんな事をする兄だとは思っていなかった・・・それこそ縁を切りたいくらいだ」
「ちょっ?!実の弟にすら見放されたらさすがの俺も立つ瀬ないんだけど!」
大地はなんとかして森を説得しようとするが今はもう何を言っても無駄だろう
「そういえば・・・お前さんは何もなかったのか?あれから別行動にしてたけど・・・」
そこへ凶夜は大地を無視するかの如く森にプールで何をしていたのか尋ねる
実はあの後でみんなで行動するのは邪魔だろうと霧が提案し二手に分かれて行動していたのだ
その一組が森と霧の二人っきりのチームだったのだがどこにいたのかまでは凶夜も知らなかった
「ああ・・・あの後は流れるプールとかを一回だけ回ってその後はカフェで時間を潰していた」
どうやら森と霧はプールではそこまで泳いでいなかったようでほとんどはカフェにいたようだ
「それに・・・あの格好をしていた二人が事件を起こす可能性もあったからな・・・
いつでも動けるようにしておいた方がいいと考えてもいたからな・・・」
森は最初にあの二人の姿を見て絶対に何か事件を起こすだろうと考えていたようで
そういった意味でもカフェで時間を潰している方が都合が良かったといういうわけだ
「お前・・・はっきり言うのはいいが・・・完全に落ち込んでるぞ・・・お前の兄貴」
凶夜がそう言って指差した方向には完全に温泉の隅で完全にいじけている大地の姿があった
「てかそこまでわかってたんならプールに入らせないって手段はなかったのか?」
そこでふと凶夜はどうして事件が起こると分かっていてプールに向かわせたのか疑問に思った
「・・・逆に聞くが・・・自分の水着がどれだけ危険か聞いても首を傾げている奴に対して
どうしてプールに入ってはいけないのかちゃんと説明できるか?」
森からの言葉を聞いて凶夜は納得してしまったというような顔をしていた
確かに森の言う通り自分の水着がどれだけ恥ずかしいのか分からない空達にその危険性を伝えるなど
小さな子供に対してどうやって子供が出来るのか教えるようなものだろう
「・・・なんかあいつらの倫理的な知識って子供以下じゃないか?」
こうして考えると凶夜はもしかして空達は倫理的な知識は皆無なのではないかと思っていた
「いや・・・どちらかというなら倫理観は持っているが羞恥心が子供以下というだけだ・・・」
それに対して森は倫理観はちゃんと持っているのだが羞恥心が足らないのだと訂正する
「・・・どちらにしても・・・もうあいつらとは旅行になんて来たくないな・・・」
その頃、隣の女湯の方では愛心達がちょうど温泉に入ろうとしていた
「ハァ〜・・・癒される〜・・・」
愛心はまるで温泉に溶けてしまうのではないかというほど流れに身を任せていた
「まぁ・・・色々とあったからね〜・・・」
隣にいる海は今日あった事を思い出し何やら遠い目をしていた
「明里さん大丈夫ですか?」
そしてその隣では奏歌が未だに顔が赤く蒸発しそうになっている明里を心配していた
「まぁあんな事があったんじゃしょうがないわよ・・・私はやる側だけど」
確かにリリムの言う通りいきなり目を覚ましたらあんな状況になっているのだから
そんなすぐに忘れるもの無理だし気にするなというのも無理な話だろう
「ある程度の予測はしてましたけど・・・まさかここまでの大事になるとは・・・」
あれだけ事件が起こると予想していた霧ですら
あそこまでになるとは思っておらず苦笑いを浮かべていた
「おかげで私達はプールを出禁になり・・・楽しめたのは愛心ちゃん達だけだもんね?」
結果としては愛心達だけがプールで楽しめたはずなのだが
肝心の本人達はそうでもないような顔をしていた
「まぁ・・・追い出されはしなかったんですけど・・・実はあれからナンパが酷くて・・・」
実は愛心達は霧達と別れた後で行動していたのだがそれからしつこいぐらいにナンパされたのだ
その度に愛心が追い払ったり途中で合流した凶夜が睨み付けたりなど
正直な話とてもではないが楽しめたというには程遠いような状況だった
「あはは・・・そりゃあ大変だったわね・・・」
プールにいたらいたでそんなに大変だったのかと海は苦笑いするしかなかった
「でっでも凶夜さんが来てからは無くなったのでちゃんと楽しむ時間はありましたよ?!」
さすがにこれ以上、心配してもらうわけにはいかないと
奏歌は凶夜のおかげで楽しむ時間もあったと付け足していた
「確かに兄様を見たらそんじょそこらの男共はすぐに逃げ出すでしょうね・・・」
「そういえば・・・私達がプールから戻って来るまで時間がありましたけど・・・
海さん達はあの後、部屋に戻ってゆっくりしてたんですか?」
すると愛心はプールを出禁になった空と海はその後、何をしていたのか疑問に思った
「ああ・・・まぁさすがに部屋に戻ってもどっちも一人っきりになるからね〜・・・
だからゲームコーナーに行って色々と時間を潰していたのよ」
どうやら二人はお互いの部屋で一人でいるよりは一緒にいた方がいいだろうと思い
みんなが戻って来るまではゲームコーナーで時間を潰していたそうだ
「・・・あの〜・・・もしかして先ほどゲームコーナーで噂になっていたのはお二人なのでは?」
すると明里が何かを聞いていたようでその噂の二人は海達なのではないかと尋ねる
他のみんなが一体何を言っているのだろうと思っていると海は完全に顔を逸らしていた
「・・・本人かどうかはさておいて・・・その噂って一体何なの?」
愛心は肝心の噂の内容について尋ねると明里はゆっくりと説明を始めた
「先ほど聞いた話なんですが・・・ゲームコーナーには一台のエアホッケーがあるのですが
なんでもいつまで経っても終わらないままそこに残っていたんです
最初は店員さんが故障かもしれないと話していたらしいんですけど
そしたらそこにたまたまいたお客さんの一人がこう言っていたんです
『それって故障じゃなくて本当に終わってないんだと思いますよ?
何やらかなり熱中して対戦しているカップルの姿があったので
もしかしたらパックを失くしたのではないですか?』と」
明里からの話を聞いて愛心達は間違いなくそのカップルとは空と海だと理解してしまった
「それで結局、そのお客さんの言う通り故障ではなく
勝敗がついてなかったとわかったんですけど・・・肝心のパックが見当たらないんですよね〜」
しかも明里の話では故障の原因がわかって尚もパックが一つだけ見つかっていないらしい
愛心達はその犯人である海に一体どうしたのかという視線を送っていると小さく声が聞こえてきた
「・・・壊して・・・粉々に飛び散ってしまいました・・・」
その言葉を聞いてこの人も大概だなと思う愛心達であった
こうして気持ちのいい温泉から上がり豪華な晩御飯を食べて
みんなはそれぞれの部屋へと戻り眠りについていた
しかしたった凶夜だけは眠っておらず部屋の外で綺麗な月を見上げていた
「・・・眠れないんですか?」
そこへ同じく寝ていなかった愛心と奏歌そしてリリムの姿があった
「・・・お前達こそどうしたんだ?三人で一緒に」
確かに一人の凶夜と違い三人でいる愛心達は部屋を出る明確な理由があるのだろう
「あはは・・・実は寝る前に明里ちゃんが怪談話をしてしまって・・・
愛心ちゃんがどうしても眠れないというので一緒に散歩をしていたら凶夜さんの姿が見えたので」
どうやら眠れないでいるのは愛心だけのようで
二人はそれを寝かしつける保護者でついてきているだけだった
「・・・お前・・・普段はあんな奴らと戦っているのにまだお化けとか怖いのかよ・・・_
凶夜はいつも戦っている魔人達は平気なのにどうしてお化けはダメなんだとため息を吐いていた
「煩いわね!お化けは殴れないし触れないから倒せないのよ!!」
何やら愛心が必死でお化けの怖さを教えようとしているが凶夜はそれを無視して月を見上げていた
(・・・全く・・・こいつらは本当に・・・人の心を豊かにしてくれる・・・
これがこいつらの・・・力なのかもしれないな・・・)
次回からは再び戦いの日々が始まる!




