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フィアーナイト対星童

いよいよ決戦の時!!

休憩の時は終わりいよいよ決戦の火蓋が切って落とされようとしていた


「・・・いよいよだな・・・」

空はこの決戦に対して息を飲むようにして待っていた

それほどまでに彼は緊張しているのだ

いや・・・おそらくは彼だけではないだろう

他の魔人達もそうだし

何より主催者であるティウスが一番この試合を気にしているはずだ

なぜならこの戦いは自分のより強い剣士の戦いであり

自分が超えなければならない男達の戦いなのだから


「ようやくあなたと戦える日がきましたか・・・

 これも僕の人徳というものですかね?」

星童はまるで挑発するかのように

フィアーナイトとの戦いを待ち望んでいたと告げる

「俺もだ・・・今度こそお前に引導を渡してやる・・・!」

だがこの戦いはフィアーナイトも待ち望んでいたものだった

もしこの戦いに勝てれば一気に自分の目的に近づける

そんな考えが彼の頭の中を埋め尽くしていた

「いいでしょう・・・ですがそれはあなたが僕に勝てればの話ですけどね?」

星童は刀を抜きながら勝てるかどうかとフィアーナイトを挑発する

「勝つ・・・今の俺にはそれ以外の答えはない・・・!」

フィアーナイトも剣を取り出しながら勝利宣言をする

「「・・・・・」」

二人は剣をゆっくりと構え静かにお互いを見つめる



そして・・・・・



「「!!」」



試合開始の合図がなった



「はぁ!!」

星童は横に切り捨てるように刀を振るい

「ヌゥン!!」

フィアーナイトは縦に叩き切るように剣を振るう

両者の武器が合わさった瞬間にとてつもな衝撃が会場に襲いかかった

「なんて威力だ?!こんなに離れているのに吹き飛ばされそうになる!!」

数百メートルは離れているであろう空達ですら

その衝撃で吹き飛ばされそうになっていた

それほどまでに彼らの一撃は重くそして鋭いものだった

「ははははは!やはりあなたは強い!

 僕を唯一滾らせてくれる存在だ!!」

斬り合いを続けながら星童はフィアーナイトとの戦いを喜んでいた

「お前の気持ちなどどうでもいい・・・!

 俺にあるのはお前を叩き切ることだけだ・・・!」

逆にフィアーナイトは冷静そのものであり

どうやって相手を切るかだけを考えて動いていた

「オラァ!」

フィアーナイトは星童の足を目掛けて切り掛かるが

どうやら気付かれていたらしくジャンプで躱されてしまう

「フッ!」

そして大振りになって隙のできたところに星童は刀を振り下ろすが

フィアーナイトはそれを柄で受け止め逆に弾き飛ばす

しかしそれでも決定打にはならず星童は難なく空中で体勢を立て直した

「・・・そう簡単にはいかないか・・・」

フィアーナイトは改めて剣を構え直し星童を見据える



「・・・すごい・・・」

試合を見ていた愛心はふとそう漏らしていた

彼らの戦いはそれほどまでに美しく凄まじいものだったのだ

おそらく他のみんなも愛心と同じ気持ちだろう

そして同時にこうも思っているはずだ

・・・絶対に勝てないと・・・

確かに他のみんなからして見れば彼らとは戦わないゆえに

すごいという気持ち以外でてこない

しかし次に対戦するであろう者達はどうだろうか?

こんな光景を見た後に戦える気持ちになるだろうか?

答えは否だ

圧倒的な相手を前にした者は自分の死期を悟り

もはや抗うのをやめる

それを感じさせるには十分な戦いを彼らはしていた

こんな者達に挑戦しようと考えるのは余程のバカか

余程の戦い好きだけだろう

しかしここにはそんな男が一人だけいた

(これが今のフィアーナイト・・・実力は衰えるどころか

 むしろ前以上の強さとなっている・・・

 戦いたい・・・戦って超えてみたい・・・!)

二人の試合を見ていたティウスは

すでにフィアーナイトと戦うことを想像しており

早く戦ってみたいとウズウズしていた



「・・・・・」

そしてここには二人の戦いを見て何かを感じている者がいた

(俺と彼に間にはこれほどまでの差があるのか・・・

 だがあれくらいでなければみんなを守ることなんてできない・・・

 強くなりたい・・・!彼と同じくらい強く!!)

空はフィアーナイトの戦う姿を見て

自分もあれくらい強くなって人々を守り抜きたいと思っていた

いずれこの戦いは彼にとってとても意味のあるものになるのだった



「やはり小手先の技は通用しませんね・・・

 ならばこれはどうですか?!」

これではラチがあかないと思った星童は一旦距離を取り

そこから斬撃を放つ戦法に変え始めた

「チィ!」

あまりの手数とリーチにフィアーナイトは防戦一方にさせられた

「どうですか?!あなたにこれを超えることができますか!!」

星童は自分の勝利を確信しているのか笑っていた

「言っただろ・・・俺には勝つ以外はないと・・・!」



『ブラ・・・ッド・・・』

フィアーナイトも同じく斬撃を放って無理やりこの範囲攻撃を突破した

(やはりこれくらいはできますか・・・でもね

 あいにく全て僕の読み通りですよ!!)

しかし星童はこれをあらかじめ予測しており

フィアーナイトが攻撃を突破して

突っ込んできたところに合わせて刀を振り下ろしていた

(獲った!!)

星童は勝利を確信に喜びに打ち震えた瞬間に

それは起こった



「えっ?」



星童の腕が宙を飛んでいた



「?!グァァァァァ!!」

一瞬何が起こったかわからない星童だったが

自分の腕を見たことによりどうなったのかを瞬時に理解した

(こっこいつ!さっきの斬撃は僕の攻撃から無理やり脱出するためじゃなく

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!)

星童の考えは当たっていた

フィアーナイトは先ほど星童が考えていた通り

一撃による範囲攻撃の突破を考えていた

しかしその先には星童によるさらなる追撃も予測しており

それを回避するには相手から武器を奪う必要があった

だが相手は仮にも鬼の幹部

見え透いた攻撃は避けられてしまうだろう

だからこそフィアーナイトは一撃にかけた

初撃は範囲攻撃を止める為の攻撃

相手がそう予測しているのを信じて

初撃に相手の刀を持った腕を狙ったのだ

そしてその作戦は見事に命中して星童の腕を斬り飛ばすことに成功した

「まだ終わりじゃないぞ・・・!」

フィアーナイトはこの隙を逃さずに止めの一撃を放つ

「グゥ?!」

その一撃は見事に星童の腹を捉えて

そのまま場外の壁まで吹っ飛び激突した

「・・・俺の・・・勝ちだ・・・」

そしてフィアーナイトは宣言した



・・・自身の勝利を・・・



「・・・勝った・・・の?」

愛心達は何が起こっているのか理解できず

混乱していたがすぐに正気に戻り喜びの歓声をあげた

「すごい!本当にあいつに勝っちゃったよ!!」

海はこんな展開になるとは予測しておらずとても喜んでいた

「まさか一撃に全てを賭けるとはな・・・命知らずな奴だ・・・」

森は先ほど一瞬を見てとても分の悪い賭けをしたものだという

「ええ・・・でもそれを勝利への執念だけで成し遂げた・・・

 おそらくこの戦いで一番勝ちに飢えているのはあの人です・・・」

霧は彼の勝利への執念がその分の悪い賭けを成立させたのだと思っていた

「でもこれで残るはティウスただ一人だけになった!!」

フィアーナイトが勝利したことにより残るはティウスだけだと

大地が喜んでいる瞬間だった

「?!まだだ!!」

未だに会場を見ていた空は異変に気がつき

試合がまだ終わっていないと理解した

「なるほど・・・僕の敗因は勝利への渇望ですか・・・勉強になりました」

なんと先ほどの壁から星童が出てきて

会場に残されていた自分の刀を取りに向かっていた

その場にいた全員がまだ試合は終わっていないと思っていたが

「安心してください・・・もう僕に戦う意思はない」

星童のその言葉を聞いてゆっくりとだが戦闘態勢は取れていった

「今日のところはあなたに勝利を譲りましょう・・・

 ですが覚えておいてください・・・

 僕が負けたのはあくまで剣士としての戦い・・・

 僕自身との戦いはまだあとですよ」

そう言い残して星童は自分の刀を拾い消えていった



「・・・ああ・・・その時こそお前らの最後の時だ・・・」



二人の対戦の後、会場の半壊などにより少しの間休憩時間となった

「はぁ・・・結局何も収穫はなしか・・・」

凶夜は先ほどの戦いで星童から情報を聞き出すのを忘れており

それが今頃になってきているらしく落ち込んでいた

「何を落ち込んでるのよ・・・勝ったくせに」

するとそこへ愛心が現れて何を落ち込む必要があると投げかけてきた

「いや・・・ただな・・・」

凶夜はそこまで言って口を止めてしまった

「何よ?」

愛心は途中で止められたのが頭にきたらしく

少し怒り気味に続きを聞く

「・・・あの時の俺は復讐を抜きして戦いを楽しんでいた・・・

 俺はその事で落ち込んでるんだよ・・・」

それを聞いて愛心は何も言えなくなってしまった

彼のその言葉は今後の彼を見据えたような言葉だったからだ

(復讐を糧に生きてきた男・・・

 それが復讐を忘れる瞬間があったのは戦いの場のみ・・・

 それはおそらくこの人にとっては一番知りたくない事実だったはずなのに・・・)

人生はそう甘くなどなかった

彼が復讐を果たしてしまえばどうなるのか

結果として残されたのは戦うだけの本能だった

そんな事を知って自分が嫌にならない人間などいるだろうか

少なくとも愛心の目の前にいる男はそれを恥じていた

だからこそ不安になっていった

もし彼が復讐を果たしてしまったらどうなるのかと



このままいけばただ死ぬのではないかと・・・



(・・・かといって今更こいつに何をしてあげれるってのよ・・・)

しかし今から何か新しい事をしてあげようにも

そこまで親しくもなければ今の自分達はただのお荷物のようなもの

おまけに彼の悲しみの全てを知っているわけでもない

そんな自分達が彼に何をしてあげられるのだと愛心は悩む

(ああもう!そんな事私が思いつくわけないでしょうが!!

 今はこいつが何もしないように見張る!

 後の事は奏歌と相談して決める!

 これでよし!!)

愛心は難しく考えるのはやめて今まで通り凶夜の側にいる事を決めた



だがその行動こそが凶夜の闇を払う事になると

みんなはまだ知らない

復讐を糧に生きてきた男

その目的の先に待っているのは・・・

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