親友との証
ちょっといいお話になるかな?
魔人に奪われた宝石を探すことにした空達は
まず最初に現場に何か痕跡がないか調べることにした
「・・・ってなんで明里もいるのよ・・・」
そしてなぜかその調査に明里もちゃっかり加わっていた
「だってこんなスクープ逃すわけにはいかないでしょ!
それに・・・私がいればそれなりに情報は入ってくるよ?」
悔しいが明里の言う通り、彼女には独自の情報網があるので
怪しい人物の情報を得るにはうってつけだった
「はぁ・・・ともかく私達から絶対に離れないでよね」
愛心は仕方なく明里の動向を許すことにした
「何か手がかりみたいなのはあった?」
海は手がかりが見つかったか他のメンバーに尋ねる
「やっぱり警察が調べただけあって何も残ってないね」
しかしここはすでに警察がくまなく調べており見逃しなどはなかった
「う〜ん・・・そうなると残った手は
やっぱり来島博士のマップに頼るしかないかな?」
そうなると残る手立ては一つしかないと海が思っていると
「いや・・・もう一つだけ手がある・・・」
どうやら空にはもう一つの考えがあるらしい
「・・・もしかしてあの人ですか?」
奏歌も空の狙いに気がついたらしく
どうやら一人の人物を思い出していた
「ああ・・・凶夜くん・・・彼なら誰が犯人なのか知っているはずだ」
「なるほどな・・・それで俺のところに来たのか・・・」
一行は凶夜を探す出し今回の事件の犯人について聞いた
「宝石か・・・それならおそらくレフォルの仕業だろうな」
凶夜は宝石と聞いて真っ先に思いついたのはレフォルという魔人だった
「レフォル・・・その魔人がどこにいるのかは知りませんか?」
奏歌はレフォルの具体的な場所について尋ねる
「悪いがそこまでは知らないな
第一俺が知ったとなればあいつならすぐに逃げ出しているさ」
しかし凶夜はレフォルがどこにいるかは全く知らなかった
「そうですか・・・」
あまり芳しい成果が得られなかった一行は見るからに落ち込んでしまう
「・・・一つだけアドバイスをしてやろう」
すると見かねた凶夜は一つだけアドバイスをくれると言ってくれた
「レフォルは宝石に秘められた力を使うことができる
おそらくあいつはその盗んだ宝石の力を早く使いたいとウズウズしているはずだ」
どうやらレフォルという魔人は宝石の秘めた力を使うことができるらしく
それでいてかなり好戦的な相手のようだ
「・・・つまりは挑発さえしてしまえば向こうから出てきてくれると言うことか?」
森はそれを聞いてこちらから挑発をすれば出て来てくれると考えた
「うまくいくかどうかはわからんがな・・・
それにその宝石が大物なら使える力も強大なはずだ
そう簡単にはいかないぞ?」
凶夜はレフォルの強さを警告しそれでもやるのか確認する
「・・・はい・・・館長さんと約束しましたから・・・!」
それでも一行の目には迷いなど一切なく宝石を奪い返して見えると宣言した
「・・・とあいつに宣言したのはいいけど・・・
具体的にはどうやっておびき出すつもりなの?」
愛心はまずどうやってレフォルをおびき出すのかを聞く
「確かに・・・向こうにこちらの意図が気付かれるわけにはいかないし
第一挑発が相手に伝わらなければ意味がない・・・」
森の言う通り挑発が相手に伝わらなければ出てこないだろうし
もし出てきても相手にこちらの狙いがバレてしまっては意味がない
「怪しまれずに尚且つ相手に伝わるようにか・・・難しいな・・・」
確かにこれらの条件を満たすように行動するのは難しいだろう
空はどうやってこれらの条件をクリアすればいいのか考えていると
「・・・一つだけ方法がある・・・」
どうやら森にはそれらをクリアする策があるようだ
「その方法って?」
霧はその方法が何なのか尋ねる
「まずはそれを話す前に一度博物館に戻ろう
この作戦には館長の助けが必要だ」
それを聞いて一行は一度博物館へと戻っていった
そして時刻は過ぎ夕方・・・
『皆さん・・・先ほど我が博物館の目玉が
とある者手によって盗まれてしまいました・・・』
テレビには館長が記者からインタビューを受けていた
『ですが私はこの博物館を続けるつもりです!
その為に盗まれた宝石とは別の宝石を現在移送してもらっています!
この宝石を新しい目玉として飾りますので
どうか興味のある方は足を運んでください!
我々は皆様のご訪問を心からお待ちしております!』
なんと館長は新しい宝石をすでに持っていたらしく
それを新しい目玉として博物館に展示をするらしい
その情報を聞いたみんなは大盛り上がりだった
その中に一人だけ宝石という言葉に対して反応を見せる者がいた
そしてさらに時は過ぎ夜中となった
博物館の周りはまだ警察の人でいっぱいであり
誰一人として入れないと思われる状況だが
「相変わらず人間の警備はザルだな」
そんな事をあざ笑いながらこっそりと博物館に入っていく影があった
この影こそ宝石を盗み出しあ張本人レフォルである
「さ〜て?肝心の宝石はどこにあるのかな〜?」
楽しそうに館長が言っていた宝石がどこにあるのかと探し回っていると
「悪いがそんな宝石はどこにもないぞ?」
「?!」
レフォルの前には空達が立っていた
急いで逃げようと振り返ると
そこには警察のフリをしていた大地と森がいた
「ちゃんと罠に掛かってくれて安心したよ・・・
館長の協力にも感謝しないとな」
これこそが森の考えた作戦だった
館長にお願いして嘘の情報を流してもらい
彼がその情報に釣られてここに来るように仕向けたのだ
まさか盗んだその日に新しい宝石が入ってくると知れば
さすがに舐められていると思うだろう
そしてあんなに簡単に盗み出すことに成功していれば調子に乗って
盗んだその日にまた来るのも予測できる
「なるほどな・・・これは全部俺をおびき出す為の作戦だったわけか・・・
やってくれるじゃねぇか・・・!」
レフォルはようやく罠に嵌められたのだと理解し頭に血を昇らせていた
「・・・だが・・・これで勝った気になってるわけじゃねぇよな?!」
そしてレフォルは盗んだ宝石を取り出し自分の腕に取り付ける
「アァァァァァ!!!」
するとみるみるレフォルの体が変化してゆき
先ほどまで細い体をしていたのが
今では2メートルはありそうな巨体になっていた
「これが凶夜さんの言っていた彼の能力・・・!」
驚いている奏歌に向かってレフォルは拳を振り上げる
「くっ!」
みんなはなんとかその攻撃を躱して変身する
「これでも喰らえ!!」
グリーンはハンマーを取り出して思いっきりレフォルに殴りかかるが
「グゥ!硬い・・・!!」
その強靭的な体の硬さの前に弾かれてしまう
「今の俺にはそんな攻撃は通用せん!!」
そう言ってレフォルはグリーンを殴り飛ばす
「ならこれはどうですか?!」
次にホワイトは最も体の中で弱い目を狙ってみたが
「そんなチンケな矢で俺の目を貫くことはできん!!」
そんな目ですら傷一つ付けることはできなかった
「なんて硬さだ!このまま続けたら博物館が全て壊れてしまうぞ!!」
イエローの言う通りこのまま続けてしまったら
おそらく博物館は崩壊してしまうだろう
「そんな事を言っても・・・!」
しかしそんな事を言っても相手が強すぎて考えている余裕もなく
むしろ自分達も博物館と一緒に破壊されてしまいそうになっていた
そんな時だった
「なっ?!」
館長がレフォルの足を掴みにかかったのだ
「返してくれ!それは私にとってとても大事なものなのだ!」
館長はまさに命をかけてレフォルに対して直訴するが
「悪いがこれはすでに俺の物だ!
たとえ誰であろうと渡すものか!!」
レフォルはそんな事は聞かず館長に向かって拳を振り下ろそうとしていた
「危ない!!」
ノワール達は必死で手を伸ばすが間に合うわけもない
館長は終わったと思い目を瞑った瞬間だった
「悪いがその爺さんを殺させるわけにはいかねぇな」
「ガァァァァァ?!!」
なんとそこにフィアーナイトが現れてレフォルを殴り飛ばした
「なんであんたがここに・・・」
ノワールは来ると思っていない人物が来たことに驚いていた
「単に借りを返しに来ただけだ・・・
それよりも・・・まだ終わってないぞ?」
フィアーナイトの言う通り殴り飛ばされたレフォルが飛び起きた
「よくもやってくれたなぁぁぁぁぁ!!
ただでは帰さねぇぞォォォォォ!!」
怒りに我を忘れたレフォルはそのままフィアーナイトに向かって突っ込んでいく
「やれやれ・・・バカな奴だ・・・」
そう言いながらフィアーナイトは剣を取り出し
『ブラ・・・ッド・・・』
剣に黒いエネルギーを集める
「ハァ!」
そして宝石の付いた腕の方を切り飛ばした
「しまった!!」
すると先ほどまで巨体を誇っていたレフォルがみるみるうちに小さくなっていく
「これなら拘束できる!ブラン!」
「「ドライアッドヴァイン!!」」
間髪入れずにノワール達がレフォルを拘束する
「これで終わりだ!ライフバズーカ!!」
そしてライフレンジャーが全ての武器を合体させ砲身をレフォルへと向ける
「ファイヤ!」
「ギャァァァァァ!!」
攻撃を受けたレフォルはそのまま地面に倒れこむ
「まだだ・・・!まだ終わってない・・・!」
しかしまだ完全には倒されてはおらず
最後に力を振り絞ってボトルを飲み巨大化する
「鋼獣合体!ライフキング!!」
すかさずにライフレンジャーはそれぞれのマシンを召喚し
ライフキングへと合体させる
「今の俺は無敵だ!いくぞ!!」
そう言ってレフォルはライフキングに攻撃するが
「・・・あれ?」
全くその攻撃は通用していなかった
「しまった!宝石はさっき取られたんだった!!」
何故なら先ほどフィアーナイトが彼の力の源になっていた宝石を奪っていたので
今のレフォルにはライフキングを倒すだけの力はなかった
「ならこれで終わりだ!ライフストレートフィニッシュ!!」
「こんなはずではぁぁぁぁぁ!!」
ライフキングの一撃を受けてレフォルは爆散した
「そういえばさっき借りって言ってたけど・・・あんた館長と知り合いなの?」
戦いが終わり愛心は先ほどの凶夜の発言について尋ねる
「いや・・・だが館長の友人に助けてもらったことがあってな・・・
そいつのお願いを聞いただけだ・・・これを届けるついでにな」
そう言って凶夜は何かを館長に投げ渡し去って行ってしまった
「なるほど・・・私はまたあいつに助けられたのか・・・」
先ほどの発言ともらった物を見て館長はその人物が誰なのかわかったようだ
「誰なんですか?」
奏歌はその人物について尋ねる
「私の親友だよ・・・一緒に遺跡の探検をしていたのだが
ある時に私と一緒に崩落に巻き込まれてね・・・
なんとか協力して私だけが外に出たのだが
その後すぐに彼は遺跡の下敷きになってしまった・・・」
どうやらその人物は館長の探検仲間であり命の恩人のようだ
「今回の博物館も親友との夢だったんだ・・・
いつか自分達の発見した物を展示しようととな・・・」
そしてこの博物館は二人の夢の結晶だったのだ
「・・・応援しています・・・みんなで」
翌日になり博物館に例の宝石が戻されていた
凶夜が渡した腕輪にはめられた状態で・・・
親友との約束を守った館長
約束の博物館には親友の証である腕輪が飾られるのだった




