目覚めの午後
今回はある意味で伏線回です
二人はライフレンジャーに変身して
眠っている鬼に対して攻撃をしようとした
「何っ?!」
しかし攻撃をした瞬間に鬼はまるで起きているかのように動いて
避けられてしまった
「さすがに簡単にはいかないか・・・なら!」
グリーンは学校を破壊してしまうことになってしまうが
さすがに仕方ないと武器を取り出して攻撃することにした
「なっ?!」
なんと鬼はその一撃を受け止めてそのままグリーンを投げ飛ばしてしまう
「ガハッ!!」
投げ飛ばされたグリーンは壁に激突しゆっくりと地面に倒れこむ
「森くん!くっ!」
ホワイトはグリーンの心配をしつつとにかく攻撃を当てようと
武器を取り出して鬼に向かって矢を放ち続ける
しかし先ほどの攻撃と同じく鬼には躱され続けている
(当たらない・・・!
しかもこのイビキのせいでだんだんと眠気が・・・!)
このままではまともに攻撃を当てることができずに
みんなと同様に眠ってしまう可能性が出てきてしまった
「・・・仕方ありません・・・ここは一時撤退です・・・!」
さすがにこのままではまずいと思ったホワイトはグリーンを連れて一時撤退した
「ここまでくればあまり音は聞こえてきませんね」
二人は一階にある保健室から一番遠い教室に逃げ込んでいた
「大丈夫ですか森くん?」
霧は一旦変身を解除してグリーンの介抱をする
「ああ・・・大丈夫だ・・・
だがあいつのあの強さは予想外だな・・・」
特に怪我をしていない森は心配はないと告げる
そして同時に鬼に対して驚きの声を漏らした
「確かに・・・完全に寝ているはずなのに攻撃を避けたあの動き・・・
とにかくあの動きを止めなければ勝算はありません」
霧の言う通り鬼の動きは明らかに人間のそれを超えており
行動を予測するのは不可能に近い
ゆえに動きを止めなければならないと考えてはいるが
「問題はどうやって動きを止めるか・・・だな・・・」
問題はその方法だった
どんな方法を用いるにしてもおそらくは相手に近づくか
攻撃を加える必要があるだろう
しかし相手はどんな攻撃も避けてしまう
なので相手が避けれない何かをしなくてはいけないのだが
二人はその何かを全く思いつかなかった
(かといってこのまま手を拱いているとジリ貧になってしまう・・・
ここはしたくはないが何でも試してみるのが一番か・・・)
何が有効なのかわからないので森は仕方なく何でも試してみることにした
「そうと決まればまずは紐で拘束するか・・・」
そう考えた森達はどこかでロープを調達を調達しに向かう
「ロープ・・・それならたしか職員室にありましたよ?」
霧はロープの在り処をちゃんと覚えていたが問題はその場所だった
「職員室か・・・まさか保健室の向かいとはな・・・」
この学校の職員室は保健室の向かいにあり
しかもここからそこに行くには保健室の前を絶対に通らなければならなかった
「まさか最初の作戦からハイリスクを伴うことになるとはな
・・・とにかくやるしかないか!」
森達は覚悟を決めて職員室へと向かった
「くっ!さっきよりも音が大きくなってる!!」
一階に着くと先ほどよりイビキが大きくなっており
もはや一階は眠気に満ち溢れた場所となってしまった
「長期戦は命取りだ!一気に行くぞ!!」
この場所に長居をするのは危険だと判断し
森達は速攻で職員室へロープを取りに向かった
職員室の扉を開けて中に入るとロープは目の前で寝ていた先生が持っており
それを取ってすぐに保健室へと向かい鬼に向かってロープを投げて拘束した
「よし!これで・・・?!」
森はこれで攻撃を当てれると考えていたが
鬼はすぐにそのロープを引き千切ってしまった
「失敗か・・・!」
森は急いでこの場から立ち去ろうと思ったが
「白絵?!」
霧が眠気に参ってしまい虚ろな目で倒れ込んでしまう
「しっかりしろ!ここで寝てしまったら二度と目覚められないぞ!!」
森は必死で励ましてみるが全く届いてはいなかった
(くそっ!こうなったらやるしかない!!)
森はここで何とかするしかないと考え改めて変身し鬼に向かっていく
「ハァァァァァ!!」
グリーンは武器を取り出し再び鬼に殴りかかるが先ほどと同様に止められてしまう
(確かに俺の一撃はお前には効かない・・・だがな!!)
しかしこれをすでに読んでいたグリーンは自身の武器を手放して
「これは避けれないだろ!!」
鬼に殴りかかった
さすがの鬼も自分の武器を手放すなんて無謀なことには反応できず
その拳は完全に鬼の顔を捉えた
鬼はそのまま保健室のベッドから学校の外にまで吹っ飛んで行った
この攻撃のおかげで完全にイビキは止まり眠気は治まった
「はぁ・・・はぁ・・・!」
しかしグリーン自身も先ほどの攻撃に全てを注ぎ込んでしまい
次の行動に移ることはできなかった
「よくも僕の眠りを邪魔してくれたね・・・!」
「?!」
さらに先ほど寝ていた鬼は完全に目が覚めてしまったらしく
完全に頭に血が上っていた
「そんなに僕の邪魔をしたいならいいよ・・・
君を永遠の眠りにつかせてあげるから・・・!」
そう言いながら鬼はゆっくりとグリーンに近づいて行く
(これは・・・さすがに助からないな・・・)
さすがのグリーンも自身の死を感じ取ってしまったのか
抵抗することを諦めて運命を受け入れようとした時
「!?」
グリーンの後ろから矢が放たれて鬼を攻撃した
「ふぅん・・・まだ僕の邪魔をする奴がいるんだ・・・!」
鬼はその攻撃を受けてもビクともしていなかったが
頭にはきたらしくグリーンから完全に意識はそれた
「ええ・・・今度は私が相手をしてあげますよ・・・鬼さん?」
完全に復活したホワイトは距離を保ったまま鬼に攻撃し続ける
「そんな攻撃は僕に通用しないんだよ!!」
しかし先ほどの不意打ちと同じくホワイトの攻撃は効かず
鬼はそのままホワイトに向かって直進していく
「これで終わりだ!」
そしてついに鬼はホワイトの目前まで着き大きく拳を振りかぶった
「させるか・・・!」
その瞬間にグリーンが二人の間に割って入った
「森くん?!」
これにはさすがの霧も予測はしておらずもうダメだと思った
その時だった
「ガァ?!」
突如現れた謎の影に鬼は吹き飛ばされてしまう
「悪いが鬼の相手は俺がする・・・お前らは引っ込んでろ・・・!」
なんとそこに現れたのはフィアーナイトだった
「お前・・・なんでここに鬼がいるって・・・?」
グリーンはフィアーナイトがどこから情報を得たのかを聞くが
「お前らと話すことはない・・・それに俺は今から忙しい・・・!」
フィアーナイトはその質問に対して答えることはなく
鬼との戦いに集中し始めた
「なるほど・・・お前が虎童さんの言っていた奴か
それじゃあこの僕・・・鼾鬼が久々に本気で相手してあげるよ・・・!」
どうやら鼾鬼はフィアーナイトのことを聞いていたらしく
二人の時とは違い最初から本気で相手すると宣言した
「だったらさっさとかかってこい・・・お前じゃ俺には勝てないんだからな・・・!」
しかしそれを聞いてもフィアーナイトは変わらぬ態度で相手を挑発する
「だったらこれでも食らいな!」
鼾鬼は大きく口を開けて強烈な空気弾を放った
「空気を飛ばすだけが芸なのか?」
しかしフィアーナイトは空気弾を真っ二つに切り裂いてみせた
「っ!舐めるな!!」
それに逆上した鼾鬼は空気弾を何発も放つが
フィアーナイトはそれを今度は全て避けて鼾鬼に近づき
「近所迷惑だ・・・その口を一生閉じていろ・・・!」
『ブラ・・・ッド・・・』
「ガァァァァァ?!!」
フィアーナイトから放たれた黒い斬撃は鼾鬼を捉えて真っ二つにした
そしてそのまま鼾鬼は地面に倒れ爆散した
「倒した・・・のか?」
グリーンはホワイトに支えてもらいながら先ほどの戦いを見ていた
そして全てが終わったと思いホッとしていると
「やれやれ・・・さすがにあなた相手では力不足でしたか・・・」
「「?!」」
学校の屋上から声が聞こえてきて振り返ってみると
そこには業鬼衆のリーダーである茨童が立っていた
「やっぱり出てきたか・・・」
しかしフィアーナイトはあまり驚いてはおらず
むしろ彼がいるのは当然のことだと思っていた
「そんなに睨まないでくださいよ・・・
あなたの相手は私ではないんですから・・・!」
そう言って茨童は鼾鬼に向かって札を飛ばした
「ウォォォォォ!!」
札をつけられた鼾鬼は巨大化して学校のグラウンドを占拠した
そしてその隙に茨童はどこかへと消えてしまった
「チィ!凶獣招来!!」
「凶獣合体!イビルエンペラー!!」
フィアーナイトは自身のマシンを呼び合体させ乗り込む
「今度こそ俺は安眠をするんだぁぁぁぁぁ!!」
そう言って鼾鬼はイビルエンペラーに向かって空気弾を放つ
先ほど以上に大きな弾がイビルエンペラーに向かっていくが
「ウィングバリア」
イビルエンペラーの後ろに生えている羽がその弾を防いだ
「ハウリングホールド」
そして胸の口から電撃が放たれて鼾鬼を拘束する
「これが本当の雄叫びってやつだ・・・幻魔総咆撃!!」
そして全ての口からビームが放たれて鼾鬼は爆散した
「はぁ・・・今日は酷い目にあった・・・」
二人は帰りながら今日の出来事を振り返っていた
「そういえば結局私達が眠らなかったのは何でだったんでしょう?」
霧は自分達が何故眠らなかったのか気になっていた
「・・・もしかしたらだが・・・
その時に音が聞こえないほど何かに集中していたんじゃないか?」
その疑問に対して森は仮説だが音が聞こえないほど
集中していたからではないかと思っていた
「なるほど・・・森くんは何に集中していたんですか?」
それを聞いた霧は納得すると同時に
森が何に集中していたのか気になってしまった
「昨日お前に言われたことを考えていたんだ・・・
結局答えは出なかったがな」
森の考え事は昨日の霧が聞いてきた質問だった
しかし一日考えても何も答えが出なかったと本人は言う
「そうなんですか?それは残念です」
そう言いながら歩いていく霧の姿を見て森は思っていた
(言えないだろ・・・お前に認めてほしいから頑張ったなんて・・・)
果たして森くんと霧の間には何があったのか
いずれ明かされる日が来る・・・かも?




