獣のテリトリー
今回はライフレンジャーが戦います
凶夜が出て行ってしばらく経った時だった
突如として秘密基地の警報が鳴りレーダーに鬼の反応が現れた
「凶夜が帰ってくる前に現れてしまったか・・・こうなっては仕方ない・・・
勝つ見込みは薄いが時間だけは稼いでくれ・・・!」
来島博士は勝つ見込みはないのでなんとかして時間を稼いで欲しいとお願いする
「・・・正直どれだけ粘れるか自信はありませんが・・・やってみせます!」
この前の戦闘で特に勝ち目はないと空は思っていたがそれでも時間稼ぎくらいは出来るだろう思い
その間に神精樹が復活するのを祈るのだった
そして空達は外へと出て行き虎童のいる場所へと向かった
するとそこではなんとまるで舐めているかの如く虎童は寝ていた
「・・・ん?なんだ・・・ようやく現れたんだ・・・随分と遅かったね?」
空達が来たのを感じ取ったのか虎童は目を覚まし随分と待った事を話していた
「やはりこいつの狙いは俺達で間違い無いようだな・・・なら少し離れて戦うぞ・・・
ここでは人が多すぎて被害が出てしまう可能性が高い・・・!」
狙いが自分達だと理解した森は市街地だと被害が出てしまう可能性が高いので
このまま移動して人のいない森に移動するべきだと提案する
「そうだな・・・それじゃあ・・・行くぞ・・・!」
五人はすぐにライフレンジャーに変身して森の方へと逃げていく
もちろんその後を虎童は追いかけてきた
そして五人がようやく森にたどり着き虎童を迎え撃とうとした時だった
「ふぅ〜ん・・・なるほどね〜・・・森の方が被害が少ないと思ってこっちに来たんだ・・・
でも残念だったね・・・俺はこう言った場所の方が戦いやすいんだよ・・・!」
そう言うと虎童は慣れている動きで木々の中へと隠れて行き姿を消した
もちろんそれを見てみんなは警戒をするが次の瞬間には背後からすでに攻撃を当てられていた
「くっ?!誘い込んだつもりが逆に誘い込まれていたってわけか・・・!」
スカイレッドは自分達のミスに気づいて後悔したが今はそんな事をしている場合ではないだろう
「どうした?こんなもんじゃ俺は満足なんてしないけど?」
虎童に対して有効打を当てられないスカイレッド達はどうするべきなのか対策を考えようとする
しかしそんな事を考える暇もないくらいの猛攻撃を食らい続けているので
まずはこの動きをどうにかして止めるか攻撃から逃げる以外に方法はなかった
「くっ!こうなったらこれはどうだ?!」
スカイレッドは空高く飛び上がり周囲にあった木々を切り飛ばしていく
どうやら向こうの隠れ場所をなくす作戦のようだ
しかし問題は隠れ場所がわかったとしてもおそらくは来る方向を予測できるだけだろう
そこからどうやって攻撃を回避して反撃に転ずるかだ
(いや・・・時間さえ稼げればいいんだから攻撃する必要はない・・・!)
するとスカイレッドは別に攻撃をしなくても時間を稼げさえすれば勝ちなので
攻撃する意識を捨てて回避に専念するべきだと考えた
「おい!回避に専念していたとしてもこんだけ何度もやられたら
さすがに俺らの体力の方が先になくなるんじゃないか?!」
しかしグリーンの言う通りどの道、回避しているだけではいつかは体力が尽きてしまう
なので他に何か時間を稼ぐ方法を考える必要があるだろう
「なら一度この森を抜けるのはどう?!ここじゃどの道追い込まれるわよ!!」
ブルーは時間を稼ぐつもりならこの森を抜け出ようと提案する
「確かに・・・森よりも開けた場所に出た方がいいな・・・
この近くにそんな場所はあったか?!」
その提案に乗ることにしたグリーンはこの近くに適した場所があったかどうか確認する
「それならここから少し行った場所に工場跡地があったはずだよ!
そこならどんなに暴れても苦情は出ないはずだから大丈夫!」
イエローの話ではこの森を抜けた先に工場跡地があるようでそこならば人もいないし
とても開けた場所なのでどんなに暴れても問題はないはずだと告げる
「了解!なら急いでここを離れてその工場跡地に向かうぞ!!」
ライフレンジャーは急いで森を抜けて工場跡地まで来ると
やはり開けた場所というだけあってそこは一面、更地となっていた
これならばどこから虎童が来るのかすぐに分かって躱す事ができる
(残るはどうやって時間を稼ぎ続けるか・・・だな・・・)
スカイレッドはここから問題である時間稼ぎをどうやってやっていくかを考えていた
「・・・なぁ・・・あの建物は使えないか?」
するとグリーンが時間を稼ぐのなら工場跡地に残されている建物を利用できないかと考える
確かに狭く範囲が限定されている場所ならばスピードは半減されるし
攻撃が来る場所も予測しやすいだろうと思っていたようだ
「確かにその方が良さそうだな・・・管理の人には申し訳ないが非常事態だしな・・・!」
そう言って五人は建物の中に入ってそれぞれバラバラになって別れ始めた
「全く・・・かくれんぼはあんまり好きじゃないんだけどな〜・・・俺・・・」
虎童はため息を吐きながらも五人の後を追いかけて建物の中へと入っていく
中に入ってみると案の定、彼らの姿はなく虎童はゆっくりと歩きながら探していく
そして扉を開けるとそこではグリーンが待ち構えていた
「ハァ!!」
虎童が扉を開けた瞬間にグリーンは武器を振り下ろして攻撃するが
残念ながらすぐに反応されてしまい当たる寸前で躱されてしまった
しかしその隙にグリーンはすぐに部屋を出て隠れられてしまい虎童は苛立ち始めていた
「面倒になってきたな〜・・・こうなったら壁を破壊していくか・・・」
虎童はもはや扉を開けるのすら面倒になったようで壁を破壊して五人を探し始めた
「あいつむちゃくちゃするわね?!」
あまりの強硬にブルーは本当に正気かと疑ってしまった
「どうやらあんまり建物に残っている意味はないみたいだな・・・」
グリーンはこのまま残っていても瓦礫の下敷きになる可能性があるので
逆に外に出て瓦礫の下に埋めてしまおうと考え五人は急いで外に出る
「喰らえ!ファイヤ!!」
そして外に出た五人は武器を合体させライフバズーカにし建物を破壊した
これにより建物は倒壊して虎童は瓦礫の下敷きになった
「・・・多分だけど・・・死んでないわよね?」
ブルーはおそらく相手は死んでいないだろうと確信に近い思いで瓦礫を見ていると
案の定、瓦礫が動き始めてそこから誇りだらけにはなっているものの
傷は一切負っていない虎童が姿を現した
「随分とやってくれたじゃん・・・でも・・・もう小細工はないよね?」
どうやら虎童はすでに彼らが策を使い切ったとわかっているようで
まるで獲物を追い詰めるかの如くゆっくりと近づいていく
「確かに策は使い切ったけど・・・まだ俺達が負けたわけじゃない・・・!」
たとえ勝負に負けたとしても絶対に虎童だけは倒すつもりでいるスカイレッド
しかしそれをものともしないで再び虎童が凄まじい勢いで突っ込んできた
それを回避してスカイレッドはガラ空きになった胴に切り込もうとしたが
「?!」
なんとその瞬間に虎童のスピードがさらに早くなったのだ
「ぐっ?!今まで手を抜いて戦っていたのか・・・!!」
自分達が手加減されていた事にようやく気がついたグリーンはもうなす術はないと諦めようとしていた
「まだだ・・・!せめて一秒でも多く時間を稼ぐんだ・・・!!」
それでもスカイレッドだけは諦めておらず絶対に時間を稼ごうと思っていたその時だった
「「ドライウッドヴァイン!!」」
ライフレンジャーと虎童を挟むように蔓が伸びてライフレンジャーを守るようにドームを形成する
「プリズムブリット!!」
そして動きを止めた虎童に向かってレーヴが攻撃を放つが容易に躱されてしまった
「次の相手は私達よ!これ以上あんたの好きには絶対にさせない!!」
どうやらノワール達は彼らの戦いを見ていてもたってもいられなくなってしまったようだ
「いいぜ・・・ようやく現れてくれたんだしな・・・!」
すると虎童は意味深な事をノワール達に向かって告げる
「私達を待っていた?あんたの狙いは彼らじゃないの?!」
レーヴは虎童の目的はライフレンジャーではないのかと確認するが
「いや・・・俺の狙いは最初からお前達だったのさ・・・!」
なんと予想は大きく外れていたようで虎童の本当の目的は彼女らスピリットメイデンだったのだ
「もう強さの上限をわかっている奴らよりもお前らの方が危険だからな・・・
だから俺達のボスはお前らを殺す事を優先したんだよ・・・!」
どうやら鬼の王である呪天もライフレンジャーがこれ以上パワーアップできない事を知っているようで
それならば先に可能性のあるスピリットメイデンの方を先に倒す事にしたようだ
「その為にあいつらを囮にしフィアーナイトも足止めをしたんだよ・・・
そしてお前らはまんまと俺らの策に嵌って出てきたってわけだ・・・!」
どうやらこれまでの戦闘は全て仕組まれたものだったようで
まんまと誘き出されたノワール達を見て虎童は笑みを浮かべていた
「残念ですけどそれは違います・・・!」
しかしブランは虎童の言葉を否定した
「私達は罠に嵌ったのではありません・・・仲間を助けに来たのです・・・!!」
そう・・・たとえ罠だとわかっていたとしても彼女らの取るべき行動は変わらない
ここへ来た理由は虎童を倒す為でも罠に掛かる為でもない
ライフレンジャーを助ける為に来たのだ
「・・・いいだろう・・・なら仲間を助けられない後悔をして死んでいくがいい・・・!!」
それを聞いて虎童は珍しく頭にきたようで今までとは違い完全に本気となった
「死ぬわけないでしょうが!私達はあんたを倒してみんなを助ける!!」
もちろんそれで弾く覚悟で来ているわけではないのでノワール達も戦闘態勢に入る
お互いにしばらく沈黙のにらみ合いが行われそして伸びた蔓から葉が落ちた時に
「「・・・!!」」
両者は動き出した
ライフレンジャーの代わりに戦うスピリットメイデンの三人
果たして彼女らは虎童に勝つ事は出来るのだろうか?!




