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今回は戦闘ではなく謎解きがメインです
「やばいやばいやばい!すごい勢いで追ってくるぅぅぅぅぅ!!」
必死で逃げ惑う愛心と明里
そしてその後ろを追ってくるのは髪の長い包丁を持った女性だった
「てかこのハウスってこんなに大きかったでしたっけ?!」
しかもいくら走っても壁に当たる様子もなくまるで迷宮に迷い込んだみたいだった
「それもそうだけど後ろにあいつもどうなってんのよ?!
こっちは走ってるのになんで歩いているあいつと距離を離せないのよ?!」
さらに言えば後ろにいる女性との距離は一向に引き離せないでいた
このままではいずれこちらの方の体力が尽きて捕まってしまうだろう
「せめてどこかに隠れる場所が欲しいけど・・・!あそこだ!!」
明里は周りを見渡して隠れる場所がないかと探した時に
垣根を見つけて愛心を掴みそこに飛び込んだ
(さて・・・できればこれでやり過ごしたいけど・・・どうかな?)
草の間から向こう側を見てみるとそこには自分達を見失って辺りを探す女性の姿があった
そしてそのままゆっくりとどこかへ歩いて行った
「ふぅ・・・どうにかやり過ごしたみたいね・・・」
それを見た明里はほっと一息ついてこれからの事について考え始める
「とにかく何とかしてあれをやり過ごして鍵を取りに向かうしかないけど・・・
それにはまずこの謎を解かないと・・・!」
出口に向かっても鍵がないので開ける事は出来ないので
今はそれを開ける為の鍵を見つけるのが先だった
その場所は謎を解く事で判明するので解こうと必死で考える
「・・・てか・・・その前の起こした方がいいか・・・」
そう言って明里が後ろを見ると泡を吹いて気絶している愛心の姿があった
「これは私が引っ張った所為なのかそれとも恐怖の所為なのか・・・どっちもか・・・」
一方その頃、愛心達のいるミステリーハウスの外では・・・
「う〜ん・・・中に入りたいのだが・・・なんか変な力が建物に張られているな・・・」
凶夜は中に入ろうと思って近くまで来たのはいいが建物に結界のようなものが張られていた
これを破壊して入る事も可能なのだがそれだと中の愛心達がどうなるかわからない
「・・・やっぱり中のあいつらがどうにかするを待つしかないか・・・」
そう思いながら建物をじっくりと見ているとその後ろに奏歌とリリムが現れた
「当たりを引いたのは愛心だったみたいね・・・おまけにこの結界・・・
どうやら一筋縄にはいかないみたいね・・・」
リリムも凶夜と同じ見解らしく中の愛心達がどうなっているのかを気にする
「・・・ダメですね・・・携帯はおろか鏡での通信もできないみたいです」
奏歌は携帯と鏡での通信を呼びかけたがどうやら妨害されているらしく繋がる事はなかった
「なら・・・やっぱり待っている以外にやる事は・・・いや・・・たった今できたな」
それを聞いた凶夜が待っているだけだと思っていると
三人の後ろから骸兵が次々と姿を現し始めた
「やれやれ・・・こんな雑魚でやられるとは・・・思ってほしくないんだがな・・・!」
そう言いながら凶夜はベルトを巻きフィアーナイトへと変身する
「さて・・・それじゃあ二人が出てくるまでの間の暇つぶしに付き合ってもらおうか・・・?」
一方その頃、明里は愛心を起こして鍵を探しに向かっていた
「う〜ん・・・どうやらもらった地図は役に立ちそうにないですね・・・」
最初の入り口に入った時にこのハウスの地図をもらったのだが
あの女性が現れてからどうやら中の構造が完全に変わってしまったらしく
今の状態では役に立たなくなってしまった
「そんなんで本当に脱出できるの?!」
それを聞いてしまった愛心は脱出できるのかと心配する
「とりあえず自前で地図をメモりながら先に進むしかありませんね・・・!」
明里は事前に持っていた手帳を地図に見立てて書き足していきながら
鍵があるかもしれない場所へと足を進めていく
「・・・広い場所に出てきた・・・ここは・・・公園かな?」
するとそれなりに開けた場所に出てきて
前の地図と照らし合わせてみるとここは公園だと言う事が判明した
「となると・・・ここに犯行現場だからヒントが隠されているはず・・・!」
どうやら話の流れ的にはここが殺人現場らしくヒントの一つが隠されていた
「えっと・・・どこかに死体のあった場所が・・・あれだ・・・!」
明里は死体のあった場所を探すと人型に白線のテープが張られている場所があった
「うぅ・・・できれば私は見たくないんだけど・・・」
傍まで来た愛心は視線をその場所に向けたくなかったので目を逸らしていた
「う〜ん・・・多分のこの近くにヒントがあるはずなんですけど・・・一体どこに・・・」
この近くにヒントが絶対にあるはずだと考えていた明里だったが
それらしい物は全く見つからずどうしようかと考えていた時だった
「ねっねぇ・・・もしかしてあれじゃない・・・?」
どうやら愛心が視線を逸らしていた先に何かがあったらしく
それがヒントなのではないかと思い明里に教えてその傍まで行く
「これは・・・手紙・・・?」
「それじゃあ・・・開けますよ?」
手紙を拾った明里は中身を開いて愛心と一緒に読んでいく
そこには女性が恋人である男性が最近、家に来ない事を嘆いていた事が書かれていた
そしておそらくはこの女性こそが殺された被害者だと二人は考えていた
「これを見る限り次に向かうべきはこの恋人の家ですね・・・!」
明里は恋人が重要容疑者だと推測しまずは彼の家へと向かう事にした
「でもそれってどこにあるのよ?」
すると愛心がその恋人の家はどこにあるのだと告げる
「確か前の地図にはアパートと書かれた場所がありました!
おそらくはそのどれかの部屋が恋人の部屋なんだと思います!」
どうやら前の地図にアパートと書かれた場所があったらしく
おそらくはそこに恋人は住んでいたはずだと明里は判断していた
愛心はそれを聞いて素直に納得しそのアパートへと向かった
「・・・どうやら距離が延びただけで方向までは変わってないんですね」
とりあえず公園からアパートのある方向へと進んでいくと
距離は地図に描かれている以上に伸びていたが方向までは変わっていなかった
「それよりも結構な人の名前が書いてあるわよ?
どれがその恋人の部屋なのか一個ずつ調べていくの?」
すると愛心が肝心の恋人の部屋はどこにあるのかと思っていた
「その通りですね・・・手紙にも名前までは書かれていませんでしたし・・・
まずは管理人室でどんな人が借りているのかを調べましょう」
明里もどの部屋が正解なのかはわからないので管理人室でどんな人がいるのかを調べる事にした
「「お邪魔しま〜す・・・」」
二人は管理人室の部屋に入り住居人リストを調べ始めた
「借りている住居人の中で男性はこの三人・・・果たして誰なのか・・・」
「・・・ん?・・・これって管理人の日記かな?」
そこへ愛心がリストとは別に管理人の日記を発見した
そして興味本意で中を開いて読んでみるとそこには衝撃の事実が書かれていた
「明里!ちょっと来て!!」
愛心は急いで明里を呼びその日記を見せた
「嘘・・・?!」
明里が驚くのも無理はないだろう
何故ならばそこには住居人の彼女を愛してしまった心境が描かれていたのだ
しかもこの管理人はその住居人を殺してまでその彼女を奪い去ろうともしていた
「・・・もしかして・・・この殺した人って言うのが私達の探していた恋人?!」
愛心は先ほどまでの被害者が書いていた手紙の内容を思い出し
その殺された住居人こそが被害者の恋人だと確信した
「それじゃあまさか・・・?!被害者を殺したのはこのアパートの管理人?!」
そして同時にそれは殺人事件の犯人がこの管理人だと言う事も発覚
明里達は急いでその住居人の部屋に向かい扉を開けて中に入ると
そこには血まみれのバットを持っている中年の男性が立っていた
「君が悪いんだ・・・僕に彼女と別れてくれればよかったのに・・・
そうすれば・・・僕が彼女をこの手にする事が出来たんだ・・・そうだ・・・僕は悪くない」
その男性は自分の足元に倒れている人に対して文句を言っており
まるでこうなってしまった事が自分の所為ではないと言い聞かせているようだった
「俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない!!」
そして何かタガが外れたのかその男性は明里達に向かってバットを振り上げて迫ってきた
「「怖ぁぁぁぁぁ?!!」」
二人は急いで扉を閉めてアパートから離れていくと
その男性は扉を破壊して出てきてすぐに後を追いかけていく
「どうするのよ?!あの被害者の女性にもいるとか聞いてないんだけど?!」
愛心は逃げながらあの男性の登場は予想外だと文句を言っていた
「今は逃げるのを優先です!!文句はその後でぇぇぇぇぇ!!」
同じく逃げている明里は文句は逃げ切ってからだと告げる
「「へっ?」」
するとそんな二人の目の前に被害者の女性が立っていた
「ちょっとどうするのよ?!これじゃあ挟み撃ちになっちゃうじゃない!!」
このままでは被害者の女性に捕まってしまう
しかし止まっても後ろから来ている男性に捕まってしまう
絶体絶命の状況で明里は思考を巡らせて出した答えは
「・・・このまま直進です!!」
愛心はもうどうにでもなれという思いで明里にいう通り直進した
すると女性はなぜか愛心達を素通りしてそのまま後ろに男性へと向かっていた
「お前か?!お前が私を!彼を殺したのかぁぁぁぁぁ!!」
そう言って女性は包丁を男性に突き刺していく
「へっ?一体どうなっているの?」
愛心は訳がわからないといった感じで首を傾げる
「一番最初に出会った時に言ってじゃないですか?
私を殺したのは誰だってだから犯人を連れて来ればそっちに襲いかかると思ったんです」
どうやら明里は最初の言葉を思い出し犯人であるあの男性を連れてこれば
自分達は助かるのではないかと思って直進を選んだのだ
そしてその予想は大当たりで女性は犯人に向かって襲い続けていた
するとそんな彼女の手から何が滑って飛んできた
「これは・・・出口の鍵です!」
それをキャッチした明里が見てみるとそれは出口の鍵だった
「はぁ〜・・・何とか出てこれました〜・・・」
こうして二人はようやく出てきてホッと一息ついていた
「二人とも!大丈夫ですか?!」
そこへ心配した奏歌とリリムが近づいていく
「何とかね・・・それよりも・・・あれは何?」
愛心は何とか大丈夫だと言いそれよりも二人の後ろにいるある光景の方が気になってしまった
彼女達の後ろにはフィアーナイトが鬼の首を掴んでいたのだ
「あいつの名前は怪鬼って言うらしく恐怖を実体化させる鬼らしいわ
あんた達はそれであのミステリーハウスに閉じ込められていたのよ」
リリムが一通りの説明を終えるとフィアーナイトが必殺技を放ち怪鬼を倒した
「さて・・・面倒も終わったし・・・帰るか・・・」
こうして鬼によるミステリーハウスの謎は解かれたのだった
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