白い魔物
今回はどちらかというとギャグ回です
四人は空達と連絡を取り彼らが来るのを待っていた
「・・・どうやら来たみたいだな・・・」
しばらく待っていると空と大地そして森が走ってやってきた
「あれ?海さんと霧さんは一緒じゃないんですか?」
珍しく一緒ではない海と霧はどうしたのかと愛心が確認すると
「二人なら来島博士のところで入院の手続きとかをやってきているよ」
どうやら二人は来島博士に付き添って入院の手続きをしてくれているようだ
「そんな事よりお前らはこんな状況になった時の対策みたいなのは聞いてないのか?」
するとそこへ凶夜が割って入って発射口を開ける方法がないのか尋ねる
「状況は教えてもらったよ・・・確か機械が凍ってしまって動かないらしいね
すまないけど俺達も来島博士から何も聞いていないんだ・・・
もしかしたらこんな事になる事自体想定していなかった可能性もある」
どうやら空達もこんな事になった時の対策については聞いていないらしく
来島博士もさすがに想定していなかったのではないかと考えていた
「それじゃあどうするんだ?このままじゃこの雪どもを退かせないぞ?」
まさかの対策が何もないと言われ凶夜はどうするつもりなのかと空に尋ねる
「そうだね・・・このままだともし敵が現れても何もできない・・・
さすがにそんな訳にはいかないし・・・どこか別の場所から入れないかな?」
空は別の入り口がないのかどうか尋ねるが
この基地の実態を知らない凶夜にとってはそんな場所わかるはずもなかった
「てかその前に・・・ここ以外は全部雪だらけだっつの・・・」
しかも先ほどの凶夜の行動で発射口以外は全て雪で埋もれてしまっていた
「・・・もしかして俺・・・余計な事したか・・・?」
それを聞いて凶夜は久々にやってしまったかと思っていた
「・・・まぁ・・・普通に考えてやり過ぎよね・・・どう見たって・・・」
「わかったよ・・・それじゃあ俺だけでどうにか鬼を探してくるから
お前らはここで頑張って何とか雪をどうにかしてくれ」
凶夜は再び変身して一人だけで鬼を探しに向かった
「兄様・・・大丈夫でしょうか・・・」
リリムは一人で行ってしまった凶夜の事を心配するが
他のみんなはそこまで心配する必要はないのではないかと思っていた
実際それほどまでに彼はみんなより強いのだから
「俺達はあいつに言われた通り何とかして中に入って機械を直すぞ」
森はそんな心配をしている場合があるのなら今は機械を直す方が先だと告げる
「でも本当に他の入り口なんてあるんですか?私達も結構見せてもらいましたけど
そんな入り口見たことも聞いた事もないですよ?」
本当にそんな入り口なんてあるのかと愛心が疑問に思っていると
「多分だがあるだろうな・・・あの博士は色んな仕掛けを作るのが好きだからな」
空達はあの博士のことだから絶対に作っているはずだと考えていた
(((そこまで分かられてる博士って・・・)))
三人にそこまで理解されてしまっている来島博士の思考回路を聞いて
愛心達は呆れて何も言えない感じになっていた
「まぁ・・・問題はあの博士の事だから多分トラップとかも作ってるってとこかな・・・」
しかもその通路にはおそらくトラップが仕掛けられているはずだろうと空は考えており
同じくそれを考えていた大地と森も一緒にどこか遠い目をしていた
「トラップに関しては俺達に任せておけば良い・・・
お前らは後ろから付いてきて機械を直していけば良い」
森は愛心達にトラップは任せて機械修理に専念するように告げる
「わかりました!それじゃあ探しに行きましょう!!」
こうして六人は凶夜に言われた通りに基地へと入る入り口を探しに向かった
「はぁ・・・やっぱり任せろと言ったのは良いがどこを探したもんか・・・」
フィアーナイトは上空から色々と探し回ってはいるが
どこに誰がいるのか全くわからない状況で鬼を見つけるのは無理だと考えていた
「何か良い案がないものか・・・はぁ・・・面倒だな・・・」
なので探し出す為の何か良い案はないかと必死で頭を使っていると
「ん?何か急に雪が強くなってきたな?・・・って?!」
何故か急に雪が激しくなり後ろの方を見てみると空なのに雪崩が襲ってきていた
「何でだぁぁぁぁぁ?!!」
フィアーナイトは尋常じゃない勢いでその雪崩から逃げようとするが
何故か雪崩はどんなに逃げても追いかけてきていた
「この・・・!いい加減にしやがれ!!」
フィアーナイトは剣を取り出して雪崩を切り裂くと目の前には氷の体を持った鬼の姿があった
「ほう?ようやく自分から姿を現したってわけか・・・それじゃあ・・・潔く死にな!」
そう言ってフィアーナイトはその鬼を切り裂いたのだがあまりにも手応えがなかった
「・・・氷で作った囮ってわけか・・・どうやらこっちの居場所は割れてるみたいだな」
どうやら両断したのは氷で出来た人形だったらしくフィアーナイトはそれを見て
相手だけは自分の居場所を知っていて攻撃を仕掛けていると理解した
「問題はどうやって特定しているかだな・・・この雪を使っているのか・・・
もしくは別の方法で目視しているのか・・・
何にしてもあいつらの方には向かわせないようにしないとな」
フィアーナイトはどの方法を使っているのかによっては
空達の方へ行かせないように足止めをしなければならないと考えていた
するとそこへ先ほどとは比べ物にならないほどの氷人形が姿を現した
「さてと・・・それじゃあ色々と頑張らないといけないな・・・!」
『ブラッ・・・ド・・・』
そう言って空は氷人形に向かって黒い斬撃を放つのだった
「・・・まさか本当にあるとは・・・」
こちらの方ではなんと本当に秘密基地に入る特別な入り口を発見した
「だから言っただろ?あの人はこういうのが大好きなんだよ」
そう言って森達はさっさと中へ入っていってしまう
その瞬間に床や天井からタレットが飛び出して一斉に発砲を始める
「一体どんな秘密基地作ってるのよ!あの博士は?!」
それを見た愛心はどんな基地を作るつもりだったのだと来島博士に文句を告げる
「そんな事言ってる暇があるのならさっさと溶かしていきないさい」
するとリリムがそんな事を言っていないで機械を温めるように告げる
一方で空達は変身して容赦なくタレットを破壊していく
「あの人達・・・自分達の基地なのに随分と派手に暴れるわね〜・・・」
もはやその行動は自分達の基地だと分かっていてやっているとは思えなかった
「・・・後で博士が泣き崩れてしまいそうですね・・・」
奏歌も後で絶対に来島博士が現状を見て泣き崩れるだろうと思っていた
「・・・むしろあの博士もある意味同罪だと思うのだけど・・・」
しかし愛心はこんな基地を作っている時点であの博士も同罪だと告げる
「どうしたんだ?早く先に行かないと彼が怒ってしまうぞ?」
するとスカイレッドが早くしないとフィアーナイトが怒るはずだと言う
その前には粉々に砕け散ったタレットが散らばっていた
(((・・・本当に容赦ないな・・・)))
三人はそれを見て本当に容赦をする気がないのだと実感するのだった
そしてそのままスカイレッド達の後を追いかけていくと
今度は床から電撃が走り攻撃を仕掛けてきた
「・・・随分と豪勢な仕掛けが増えてきたな・・・もはや床を歩かせる気すらない」
その攻撃を見た森はもはや博士がこの廊下を走らせる気すらないと思っていた
その時にみんなはなら何でこの通路を作ったのだと思っていた
「ハックション!グォ!・・・腰に響く・・・!」
一方その頃、フィアーナイトの戦闘では
「やれやれ・・・そろそろ人形の相手を飽きてきたな・・・」
もうフィアーナイトは人形ではなくそろそろ本体を見つけたいと考えていた
「つっても・・・こいつらが邪魔で探してる時間もねぇか・・・」
しかし人形達がそれを許してくれるわけもなく凄まじい勢いで襲い掛かってきていた
「はぁ・・・本当に面倒になってきたな・・・」
フィアーナイトの不満がいよいよ限界に来ていた
その時だった
『レオンファイヤー!!』
突如、上空からその声と共に炎が飛んできて氷の人形を一瞬で溶かした
「・・・随分と遅かったじゃないか?何かあったのか?」
上を見上げるとそこにはライフレオンの姿と
それの上に乗っているスピリットメイデンの姿があった
「どうしたもこうしたもないわよ・・・後で来島博士にお説教しないといけないわ」
そう言っていたノワールの顔はいつもよりも本気だった
(・・・本当に何があったんだ・・・)
全く何も知らないフィアーナイトからして見れば本当に何があったのか状態だった
「てかもう二人足りなくないか?」
するとフィアーナイトはもう二人いたはずだと告げると
「二人は今、基地に残って復旧作業をしています
さすがに今から戦闘に加わるのは無理かと・・・」
ブランの話では散々破壊した基地の修理のために二人は残ったらしく
今からでは戦闘に参加するのは無理だろうと言っていた
「別にそれは構わん・・・むしろお前達はこのまま街に向かえ」
フィアーナイトは戦闘に参加しなくてもいいから街に行くように告げる
「わかりました・・・凶夜さんはどうするんですか?」
「俺はもちろん・・・目の前のあいつと戦う・・・!」
フィアーナイトの目の前には先ほど戦っていた人形の色違いが現れた
おそらくは彼こそが本体だろう
「まさかこんなすぐに僕の技が破られるとは・・・だがこの吹雪鬼
そんな簡単に負けるわけにはいかない!」
そう言って吹雪鬼は先ほどのように雪崩を起こしてフィアーナイトに攻撃するが
『ブラッ・・・ド・・・』
フィアーナイトは斬撃を放ってその雪崩を両断し
「そう何度も喰らう訳がねぇだろう・・・!」
そう言ってベルトのスイッチを押す
『デッ・・・ド・・・』
フィアーナイトはそのまま雪崩で開けた道を突っ切り
「オラァ!」
必殺の蹴りを吹雪鬼に食らわせた
「まさか・・・?!この僕が・・・こんなところで・・・?!!」
吹雪鬼はそのまま天高く吹き飛んでいき空中で爆発四散した
「はぁ・・・疲れた・・・」
おまけ
「・・・なんで俺の家にいるんだ?」
凶夜は何故か自分の家にいる愛心達にその理由を尋ねる
「今外に出たって大地さんの邪魔になるもの
終わるまではここでゆっくりさせてもらうわよ」
そう言って愛心はコタツの入ってゆっくりする
「はぁ・・・一体ここは誰の家だよ・・・」
冬はコタツに篭りたい・・・




