酒は飲んでも呑まれるな
今回の敵の名前は酒鬼って言います
「さてと・・・家に連れて帰ってきたのはいいが・・・これをどうしろと?」
凶夜は愛心達を連れて自分の家に帰ってきたまでは良かったのだが
完全に酔っ払っている三人の姿を見てどうしようかと思っていた
「あにしゃま〜・・・!なんれそんなところに立ってるんれすか〜?
早くこっちに来てくらはいよ〜!」
なんとも言えないのは彼女らのこの反応である
どうやら三人は悪酔いをするタイプだったらしくものすごく鬱陶しかった
「はぁ〜・・・本気でどうにかしないとな・・・」
凶夜はこのなんとも言えない状況から脱出する為には
原因となった鬼を倒す以外に方法はないと思い
それにはまず相手の居場所を特定する必要があると考えていたのだが
「どこに行こうって言うんれすか〜?また私らけ置いてけぼりなんれしゅか〜?」
三人は一向に凶夜から離れようとはせず鬼を探しにすら行けないでいた
「マジでどうするかな・・・いっその事あいつに頼むか?」
このままではどうしようもないと思った凶夜はとある人物に三人を任せようと思い
すぐにその人物の元へと向かってみたのだが
「・・・まさかお前の方も同じ状況になってるとはな・・・」
その人物とは空の事であり彼もまた酔っ払っている海の相手をしていた
「そうか・・・愛心ちゃん達もあの鬼にやられてしまったのか・・・」
空はあの後で姿が見えなかった愛心達の心配をしてくれていたらしく
三人の姿を見てその不安が当たってしまった事を嘆いていた
「とりあえずこいつらの面倒を頼んでもいいか?そのバカ鬼倒してくるから」
とにかく凶夜は当初の予定通りに三人の面倒を空に押し付けようとしたのだが
「やらぁ〜!わらしはあにしゃまと一緒にいるにょ〜!」
意地として奏歌とリリムが離れてはくれず凶夜を逃すつもりはないようだ
「こうなったらこいつらが寝るまで待つしかないか・・・」
凶夜は最後の手として三人が寝付くまで相手をするしかないと考え
それまではこの鬱陶しい事に対しての対応をするのだった
「らいたいあにしゃまはひちょがよしゅぎるんですよ〜!
しょんにゃにしてみゃでしてもてちゃいでしゅか〜?!」
酔っ払ったリリムはどうしてみんなにいい顔をするのだと何やら怒っていた
おそらくは彼女なりの嫉妬心だとは思うのだが
それを理解できない凶夜からして見ればただの鬱陶しい酔っ払いの戯言だろう
「わらひらって凶夜しゃんに構って欲しいのに〜リリムしゃんまで現れて
わらひが構ってもらえるひみゃがないじゃないでしゅか〜!」
そこに奏歌まで参加してきてもはや凶夜のイライラも限界に来ていた
「・・・もういい・・・!こうなったらこいつらごと鬼を探しに行ってやる!」
とうとう限界を超えてしまったのか凶夜は
引っ付いていた二人を連れてそのまま鬼を探しに行ってしまう
「ん?二人?」
空はその瞬間、一つの違和感に気がついた
彼が連れてきたのは三人であるつまりは愛心と奏歌とリリム
しかし今、彼が連れて行ったのは奏歌とリリムの二人だけである
「・・・ってことは・・・」
そう・・・それはつまりもう一人である愛心はこの場に残されているという事だ
「・・・ふぇぇぇぇぇん!!置いてかれたぁぁぁぁぁ!!」
愛心は置いていかれた事実にようやく気がついたらしくその場で泣き崩れていた
「えっちょ?!よしよ〜し泣かなくても大丈夫だよ〜ね?」
あまりの事態に空は取り乱してしまうがとりあえずは愛心を泣き止ませ
そのまま海を含めた三人で凶夜が鬼を倒すのを待つのだった
(・・・お願いだから早くしてくれ・・・!)
「さてと・・・出てきたはいいが・・・鬼はどこにいるんだ?」
凶夜は勢いに任せて外に出てきたものの
鬼の居場所を突き止める方法ついては考えていなかった
「あれ?そこにいるのは愛心ちゃん達の彼氏さんじゃないですか!」
するとそこへ愛心達の友達である明里が現れた
しかし彼女だけではなく他に大地と森そして霧の姿もあった
「・・・全く関連性のない四人は一体何をしているんだ?」
その四人の組み合わせに一体何があったのだと尋ねると
「実は最近連続している酔っ払い大量発生事件を追っていた時に
たまたまこの三人にお会いしたんです!
そしたら大地さんと森さんもどうやらその事件に巻き込まれたらしく
大地さんの看病をする為に霧さんと一緒にいたんです」
どうやら先ほどの海と同様に大地と森もあの鬼にやられていたらしく
それでも酔い的にはマシな方だったので鬼の捜索をしていたようだ
「まぁ・・・俺達も一応大人だからね・・・酒には自信あったんだけど・・・
それでも足元がふらついたりするから彼女に支えてもらっていたんだ」
大地は我を忘れるほどは酔っていないらしいのだがそれでも足元がおぼつかず
最初は霧に肩を借りていたのだが森もいたのでさすがに二人はきつく
その時に明里と出会い大地は彼女の肩を借りる事にしたのだ
「私としてもスクープを追いたかったし大地さんにはお礼もあったので
その二つができてまさに一石二鳥って感じですかね?」
明里としては大地へのお礼をしながら一緒にスクープも追えるので一石二鳥だったようだ
「まぁ・・・大人なお前はわかるとしても・・・弟の方はまだ高校生だろ?
よくそんなに酔わずにすんでるな?」
凶夜は二十歳になっている大地は別にいいとしても
高校生の森はどうして酔っても大丈夫なのだと思っていた
「えっと・・・彼の場合は多分、精神力だけで支えているのかと・・・」
「・・・何気に凄いな・・・」
そこまでして自分を保っていたいと思っている森を尊敬していると
「あっ当たり前だ・・・!俺は・・・絶対に・・・酔わない・・・うぷ!」
その肝心の森は霧に肩を貸してもらいながらカッコイイことを言っているが
もはや顔面蒼白で今にも吐きそうな姿を見ると何とも言えない空気になった
「・・・まぁ良いや・・・それで?肝心の相手は見つけたのか?」
ツッコむ気力もない凶夜は結局、調べた結果はどうだったのか確認する
「残念ですが・・・被害が増えている事以外は特に何も・・・」
しかしあまり良い情報はないらしく
被害現場が広がるだけで肝心の犯人は見つかっていなかった
「そうなると・・・やはりしらみ潰しに探していくしかないか・・・」
凶夜は当初の予定通りしらみ潰しに犯人を捜すしか方法がないと思っていると
「ウィ〜・・・もうここに酒は残ってないのか〜?」
近くにあった酒屋でお酒をたらふく飲んでいる鬼の姿があった
「・・・なんか真剣に探そうとしていた自分が馬鹿らしくなってくるな・・・」
あまりの発見の仕方に凶夜はため息を吐くのだった
「・・・とりあえず変身するか・・・」
凶夜はベルトを取り出してフィアーナイトへと変身する
「なんだ〜?まだおいらの邪魔をする奴がいるのか〜?」
鬼は変身したフィアーナイトの方を見ると
そこではカッコよく決めている本人とそれに抱きついている二人の女子の姿があった
「・・・おいらが言うのもなんだが・・・ふざけてるのか?」
確かにこの鬼が言うのは間違っているだろう
しかしそれほどまでに戦うにはおかしい絵面だったのだ
「そんなもん俺だって理解してるわ!てかこの状況を作り出したのはお前だ!!」
確かにフィアーナイトの言う通りこの状況を作り出したのは目の前にいる鬼である
「だったらお前も同じ風にしてやる〜!」
鬼は素早い動きでフィアーナイトに近づき例の息を吐いてくる
「ヌゥン!!」
しかしフィアーナイトはそんな攻撃を物ともせずに鬼を殴り飛ばした
「なんで〜?どうしておいらの息が効かないんだ〜?」
攻撃があまり効いていない鬼はどうしてなのかと思っていた
「当たり前だろ?俺はそう言った毒性の強いものは効かないんだよ」
フィアーナイトは毒物などが効かないように体を改造されているので
こういったアルコールの強い息ですらすぐに分解してしまうのだ
「でも〜?おいらは格闘戦でもそれなりに強いよ〜?」
そう言って鬼はフラフラと動きながらフィアーナイトの懐に入り込んだ
「ヌゥン!」
そしてフィアーナイトの胴体に向かって発勁を放ったが
「そんなもんじゃ俺は倒れやしねぇよ・・・!」
そんなもので倒れるほどフィアーナイトは弱くなく剣を取り出しエネルギーを溜める
『ブラッ・・・ド・・・』
それをそのまま振り下ろして鬼を両断した
「さすがのお前も真っ二つにされたら麻酔もくそもないだろ?」
確かにここまで派手にやられれば酒による麻酔効果も効かないだろう
案の定、鬼にはちゃんとしたダメージがあり爆発した
「やれやれ・・・彼が鬼酒を間違って飲まなければこんな面倒はないんですがね」
それを遠くのビルから見ていた茨童は鬼札を投げ鬼を巨大化させる
『よくもおいらの酒を〜!お前許さない〜!』
巨大した鬼はそのままフィアーナイトを踏んづけようとするが
その瞬間、フィアーナイトのマシンが現れて鬼を吹き飛ばす
「凶獣合体!」
「さぁ・・・!ここからが本番だ・・・!」
イビルエンペラーへと合体を果たしそのまま鬼へと突っ込んでいく
「ならば今度こそこれを喰らうがいい!」
すると鬼は先ほど効かなかった息攻撃を今度はイビルエンペラーへとしてくる
「お返しさせてもらうぜ?バッドハリケーン!」
しかしイビルエンペラーは風を起こしてその攻撃を吹き飛ばす
「攻撃が効かないのなら逃げるしかねぇか〜!」
もう無理だと思った鬼はそのまま逃げようとする
「させるわけねぇだろうが!ハウリングホールド!!」
しかしそんな事を許すフィアーナイトではなく
イビルエンペラーは胸から電撃を放ち鬼を拘束する
「止めだ・・・!幻魔総咆撃!!」
そして最後にトドメの一撃を放った
「ギャァァァァァ!!酒に呑まれたぁぁぁぁぁ?!!」
「・・・で?終わったのはいいんだが・・・なんでみんな頭を抱えてるんだ?」
凶夜は何でみんな頭を抱えて悶えているのかと思っていると
「どうやらみんな酔っていた時の記憶があるらしく・・・それで・・・」
どうやらほとんどの者は酔った後でも記憶が残るタイプだったらしく
それで今までの事を後悔して悶えているようだ
「?何で私ここにいるんだっけ?」
その中で一人、愛心だけは記憶に残らないタイプだったらしく
悶えているみんなを見て何がどうなっているのだと首を傾げるのだった
みんなもお酒はほどほどにね?




