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怒りの本気

今回はスピリットメイデン二人メインの回になりそうです

あれからすぐに二人は来島研究所に向かい事の顛末をみんなに伝えた

それを聞いたみんなは顔を俯かせたまま黙り込んでしまう

それほどまでに二人から聞いた事がショックであり

同時に自分達の考えがどれだけ甘かったのを思い知らされた

「まさかあのお嬢さん以上の実力の持ち主が五人もいるとはの〜・・・

 さすがに色々と考えさせられてしまうわい・・・」

来島博士は業鬼衆の到来は完全に予想外であり

その対抗手段を考えるが問題はそれにどれだけの時間を与えてくれるかだった

「とにかく今は彼らがいつ出てもいいように備えるだけです

 俺達は人々を守るために全力を尽くします!」

空はたとえ敵わなくても人々は守ってみせると宣言していた

「何言ってるんですか・・・

 俺達がいなくなったらあいつらの思う壺ですよ・・・」

しかし森の言う通りたとえ命をかけて人々を守れても

彼らの後ろにはもっと大きな敵も控えているのだから

相打ち覚悟ではダメなのだ

「・・・・・」

それを聞いて再びみんなは黙り込んでしまった

「そういえばあやつはその後どうしたんじゃ?」

すると来島博士が思い出したかのように凶夜の行方について聞く

「あのまま探しに行ってしまいました・・・

 私達もついて行ったのですが途中で見失ってしまって・・・・

 そこからは・・・」

あの後、凶夜は怒りに身を任せて鬼を探しに行ったらしく

二人もそれについて行ったが途中で見失ってしまった



「ふむ・・・とにかく今は時間が必要じゃ・・・

 あやつに頑張ってもらうしかないのう・・・」

来島博士は凶夜に時間を稼いでもらうしかないと考えていた

「そんな!!」

それに対して空は抗議しようとする

確かに端から見たら五対一の戦いになってしまうだろう

・・・しかし・・・

「ならばお前さんはあやつの足手まといにならないと言えるのか?」

まさに来島博士の言う通りだった

彼はそんな高い実力の相手に対して三対一の戦いをしてみせ

しかもその戦いに勝ったのだ

そんな戦いの中に入って足を引っ張らない自信がある者は

ここにはいなかった

(でも・・・このまま凶夜さんだけを戦わせてしまったら・・・)



一方、鬼を探しに向かった凶夜だったがどこに行ったのかわからず

とにかく情報がないか街をウロウロとしていた

(あいつら・・・なんであの時に撤退したんだ・・・

 あの時はどっちもまだ本気を出してなかった・・・

 なのにあいつは作戦を立て直す必要があると言っていた・・・

 あいつらの考えていた作戦ってなんだったんだ・・・)

凶夜は彼らが撤退した理由である

作戦とはなんだったのかを考えながら歩いていると



「そんなに深く考えなくてもいいですよ?」



「?!!」

凶夜はその声を聞いて急いで振り返ると

そこには先ほど戦った茨童が立っていた

「お前・・・よく俺の目の前に立てたな・・・!」

いつでも戦えるように凶夜はベルトを構えながら会話を進める

「今回はあなたと戦うために来たわけではありませんからね・・・」

茨童は目の前に現れたのは戦いに来たからではないと言っていた

「ほう?復讐相手であるお前らの戯言を信じるとでも?」

しかし凶夜はその言葉を信じてはおらず

ゆっくりと変身しようとベルトを巻きつける

「いいのですか?ここで戦ってしまえばただでは済みませんよ?」

茨童の言う通りここにはたくさんの人が歩いており

こんなところでこの二人が戦ってしまえば

どれだけの被害が出るか想像もつかないだろう

「たとえそうであったとしても俺は知らないな・・・!」

だが復讐に燃えてしまっている凶夜にはそんな言葉は意味がなかった

「・・・そうですか・・・では素直に退散することにしましょう・・・」

その言葉を聞いた茨童は仕方ないと言ってその場から去って行ってしまう

『ですがこれだけは覚えておいてください・・・

 たとえあなたがどれだけ強くても・・・本気の私達には勝てませんよ?』

誰もいない空から奴のその声だけが聞こえてくるのだった

「本気のお前らの勝てないだと?それは俺が本気を出してもか?」

凶夜は誰もいない空に向かってそう聞くのであった



「はぁ・・・心配で頭がどうにかなっちゃいそうだよ・・・」

来島研究所からの帰り道で愛心は今の素直な気持ちをつぶやいていた

「そうだね・・・でも今はとにかく彼らが現れないことを祈るしかないよ」

一緒に帰っている奏歌の言う通り今の二人にはどうすることもできず

とにかく今は何も起こらないことを祈るしかなかった

「そういえば気になってたんだけどさ・・・

 何であの鬼達はあいつを狙ってきたんだろう?」

すると愛心はふと何であの鬼達が凶夜を狙っていたのか疑問に思った

確かに彼は魔人の元四天王だったが今はそこから脱退している

つまり彼らにとってはただの敵の一人でしかないのだ

なのに彼らは凶夜にのみ興味を示している

「それはわからない・・・もしかしたら昔戦っているのかも・・・」

奏歌はもしかしたら魔人のところにいた時

彼らと戦っているのではないかと思っていた

「確かにその可能性もあるけど・・・あいつら言ってたじゃない・・・

 ()()()()()って・・・」

愛心の言う通りもし昔に戦っているのなら初めましてなんて言わない

久しぶりかまた会ったとかだ

しかし彼らは初めましてと言ってしかも自己紹介までしていた

つまりは本当に会ったことがないということだ

「確かに・・・それじゃあ・・・」

奏歌が他の候補をあげようとした時だった

「「!!」」



目の前に業鬼衆の一人である金童が現れた



「・・・・・」

金童は二人をじっと見たままその場から動かなかった

「何でここにいるのよ・・・!」

愛心は何で彼がここにいるのだと思って混乱していた

「わかりません・・・でも向こうからは攻撃の意思が見えない・・・!」

奏歌は未だに攻めてこない金童を見ておかしいと思っていた

「とにかく変身するわよ!!」

二人は戦う為に急いで変身道具を取り出し変身する

「さぁて・・・まずはどうする?」

変身したノワールはどうやって相手をするか聞く

「そうですね・・・見た目的に彼は防御力が高く

 近接戦は不向きでしょう・・・離れて攻撃した方が良さそうです」

ブランは相手を見て接近戦は不利だと判断し

とにかく遠距離攻撃で撹乱する方がいいと考えた

「了解!それじゃあ私は左側から攻めるわ!!」

ノワールは左側にブランは右側に回り込み挟み撃ちにして攻撃する

しかしどんなに攻撃をしても金童に効いている様子はなかった

「あいつ・・・どんだけ固いのよ?!!」

そのあまりに高い防御力にノワールは思わず叫んでしまった

「確かに・・・このままだとジリ貧になってしまいます・・・!」

ブランもさすがにこのままだとさすがにまずいと考えていた

すると他の場所から二人以上の威力がある光線が金童に向かって放たれた

「「?!!」」

二人はその方向を見るとそこにいたのは・・・



「「四天王・・・リリム・・・!」」



「・・・さすがは鬼の幹部・・・あれでも傷一つ付かない・・・」

リリムの言う通りさっきの光線を食らっても金童には傷一つなかった

「仕方ありません・・・そこの二人・・・協力してください」

攻撃が通じないと知るやリリムは二人に協力するように呼びかける

「何で私達があんたの言うことを聞かないといけないのよ!!」

だが敵であるリリムを簡単に信じられるわけもなく

ノワールはそんな提案に乗るかと拒否する

「いいの?このままだとあいつは倒せないわよ?」

しかしリリムの言う通り協力をしなければ彼を倒せないのも事実だった

「・・・わかったわよ!今回だけだからね!!」

仕方なくノワールは協力することを了承した

「それで作戦はどうするんですか?」

ブランはすぐに作戦はどうするのかを聞く

「簡単よ・・・まずは・・・」



「・・・その作戦・・・私達だけめちゃくちゃ不利じゃない?」

作戦を聞いたノワールは自分達だけが不利なのではないかと告げる

「しょうがないでしょ?それとも他にいい方法があるの?」

そうリリムに聞かれたが

特に何も考えていなかったノワールは黙り込んでしまう

「それじゃあとにかく始めるわよ!」

そう言ってリリムが正面から突っ込んでいった

「これでも喰らいなさい!!」

そして先ほどとは比べ物にならないほどの大きな光線を放った

しかしその光線は大きく金童から逸れてしまう

これではまるで外してしまったように見えるが実際は違う

「「フェアリートルネード!!」」

二人のいる方へと光線を放ったのだ

彼女達の最強のカウンター技で威力を増して

金童を攻撃するという作戦だったのだ

「!」

さすがの金童もこの攻撃は予想外だったらしく

普段は動かないはずの表情が珍しく動いた

そして攻撃は見事に命中して大きな爆発が発生した



「はぁ・・・はぁ・・・さすがにキツい・・・!」

必殺技を使った二人は疲れてその場に座り込んでしまう

「・・・!まだ終わってないわ!!」

しかしリリムの言葉を聞いてすぐに二人は金童の方を見る

「・・・嘘・・・でしょ・・・?!」

三人はその姿を見て驚いていた

なぜなら自分達が放った渾身の一撃を受けて

傷一つしか付けることができていなかったのだ

「本当に怪物ね・・・!」

四天王であるリリムでさえ彼のその強靭な防御力には恐怖していた

そして先ほどの攻撃でやる気が出たのか

金童が三人に向かって突っ込んでいく

「!体が!!」

三人はすぐに避けようとするが体が動かずもうダメだと思った

・・・その時だった・・・



『ブラッ・・・ド・・・』



「?!」

黒い斬撃が金童に直撃し三人のいる距離から大きく後退させられた

そしてその斬撃が飛んできた方向にはフィアーナイト立っていた

「なるほどな・・・あの野郎はこの為の囮だったわけか・・・!」

どうやら先ほど現れた茨童はフィアーナイトの視線をそらす囮で

本命はこっちだったことに気がついた彼は怒りに満ちていた

「いいぜ・・・だったらこっちは本気でぶっ飛ばしてやらぁ!!」



『デッ・・・ド・・・』



「オラァァァァァ!!」

フィアーナイトの足から怒りの一撃が放たれた

その攻撃は金童に直撃し膝をつかせる

「・・・・・!」

彼の体には先ほど三人がつけた以上の傷がつけられており

それを見た金童は急いで撤退して行った

「チィ!!また逃したか!!」

フィアーナイトはまたも逃してしまったと悔しそうにしている

「・・・・・」

そしてリリムもその姿を見ながら静かに消えていってしまった

残されたノワールとブランは彼の背中を静かに見ていることしかできなかった

フィアーナイトの本気を感じ取った三人

果たしてそれぞれの胸には何を思うのだろうか?

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