表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/300

業鬼衆

今回は新しい鬼の幹部が出てきます

凶夜はこの前の男が言っていたことを考えていた

(そのうち会うか・・・一体どういう意味だ?)

その男はいずれ会えると言っていた

それは凶夜にとって願ってもないことだが

果たしてその相手がどこに現れるのかが問題だった

下手をすれば会えない可能性があるからだ

「・・・どうしたもんか・・・」

何か先に先手を取れないかと考えていると

「何を考えているんですか?」

凶夜の前に愛心と奏歌が現れた

「・・・何でもねぇよ・・・気にするな・・・」

何を考えているのか聞かれたが凶夜は何もないと言って

その場を立ち去ろうとすると

「待ちなさいよ!!」

愛心に呼び止められた

「あんた・・・あの時に追っていた誰かを探してるんでしょ?」

どうやら愛心達は凶夜が誰を探しているのかを知っていたらしい

「・・・それがどうした?お前達には関係ない・・・」

しかし凶夜は自分一人だけで探すと頑なに協力を断る

「でも他に探す方法はあるのですか?」

すると奏歌が他に何か方法があるのかを確認してくる

もちろん特に手がない凶夜はそれを聞いて黙り込んでしまう

「・・・やはり私達と協力しませんか?」

そして奏歌は再び凶夜に協力を申し出る



「言ったはずだ・・・俺は誰の手も借りない・・・!」



「凶夜さん・・・」

しかし凶夜はそれを断りその場を去っていく

その後ろ姿を愛心と奏歌は見続けていた






「・・・やはりダメじゃったか・・・」

来島博士の研究所に帰ってきた二人は

凶夜の返事をみんなに報告していた

「・・・本当にあいつが必要なのか?」

森は今でも凶夜の協力が必要なのか疑問視していた

確かに協調性のない彼を仲間にするのは問題があるだろう

・・・だが・・・

「ああ・・・俺達ではまた幹部クラスが出てきたら歯が立たない・・・

 その為には彼の協力が必要不可欠なんだ・・・」

リリムの出現やこの前に現れた謎の男

彼らは敵の中では幹部クラスの実力があり

上級魔人や鬼の時点で苦戦している彼らにとっては絶対に勝てない相手だろう

故に彼らには凶夜という最強の存在が必要なのだ

「そうですね・・・彼があったという男の正体も気になりますしね・・・」

霧は凶夜があったという謎の男の正体についても気になっていた

「そうね・・・あいつはおそらく鬼の幹部なのはわかるけど・・・

 問題はどれくらい強いのか・・・でしょ?」

海は謎の男はおそらく鬼の幹部だと思っていて

どれくらいの実力はあるのか気になっていた

「そうだね・・・幹部っていうくらいだから

 あの時のリリムって娘くらいの実力がありそうだけど・・・」

大地はもし相手が幹部なら

前に出会ったリリムくらいの実力があるだろうと考えていた

「ああ・・・だからこそ神道くんの協力が必要不可欠なんだ・・・」

だからこそ凶夜の力が必要だと空はみんなに語っていた



「はぁ・・・どうすればいいんだろう・・・」

会議を終えて家に帰っている愛心はどうすればいいのか考えていた

「やはり凶夜さんが動く前に先手を打つしか方法がないと思います」

一緒に歩いている奏歌は凶夜が動く前に先手を打てればいいと思っていた

「確かにそればできればそれに越したことはないけど・・・

 具体的にはどうすればいいの?」

問題はどうやって凶夜に先手を打つのかだった

しかしそんな方法は一つしかない



「あの影の人物がどこに現れるのか・・・それを突き止めます・・・!」



翌日になり二人は街を見回っていた

「・・・ねぇ・・・本当に私達二人だけで探すの?」

愛心は二人だけで鬼の幹部がどこに現れるのかを

本当に探せるのかと思っていた

本来ならば来島博士の作っていた魔人発見マップを使えば

すぐにでも分かりそうなものなのだが

「さすがに幹部クラスは電磁波が強すぎて

 絞り込むことができないそうですし・・・

 じっくりと足で捜索するしかまともな方法がないんじゃ

 しょうがないですよ」

さすがの来島博士の発明品でも幹部クラスがどこにいるのか

絞り込む事ができず結局は足で探すしかなかった

「もっとデータが集まればなんとかなるとも言っていましたし

 今はとにかく手分けして探しましょう」

奏歌はとにかく探そうと愛心を励ましていると

「「?!!」」

広場の方で悲鳴が聞こえてきて二人は急いでそこに向かった



「ふっ・・・麗しい僕の剣技はどうだい?」



「・・・・・」



「そんな事よりももっと暴れさせろ!!」



「みんな・・・うるさい・・・」



「・・・どうやら来たみたいだぞ?」



「!あいつは!」

二人がその場所に着くとそこには例の男とは他に

全身が金色に輝いている大男と長い刀を持った男

猫背気味の男に大きな腕を振り回している大男が一緒だった

しかしその四人には明らかに人とは違う部分があった

それは額に大きな二本の角が生えていたのだ

「まさか奏歌の言う通り普通に歩いて鬼の幹部に会えるなんてね・・・!」

二人ともまさかここで鬼に会えるとは思っておらず驚いていると

「・・・どうやら例の男ではなかったようだ・・・

 仕方ない・・・少々面倒だが・・・」



「殺すか」



「「?!!」」

そう男が言った瞬間に殺気が放たれて

二人はそれに怯えてしまい急いで距離をとる

「そう簡単に逃がすと思うのかい?」

しかし長い刀を持った男が二人に向かって斬撃を放った

「しまっ?!」

あわや二人は真っ二つになるかと思った

その時だった



「・・・現れましたか・・・」



「また会ったな・・・鬼・・・!」

フィアーナイトが現れて斬撃を弾き飛ばし二人を守った

そして今・・・五人の鬼と向かいあっている

「初めまして・・・まずは自己紹介といきましょうか・・・」

そう言って五人それぞれ名乗り始めた

「僕は鬼の中で一番の剣士!星童(ほしわらし)!!」

まずは長い刀を持った鬼を名乗り

「・・・金童(きんわらし)・・・」

次に金色に輝く大鬼が名乗った

「俺の名前は熊童(くまわらし)だ!楽しく殺し合おうぜ!!」

次に腕の大きな大鬼が名乗り

「・・・虎童(とらわらし)だよ・・・」

次に名乗ったのは猫背気味の鬼

「最後に私が茨童・・・そして・・・」

そして最後に謎の鬼は名乗りを上げた

「私達こそ呪天様の親衛隊・・・業鬼衆(ごうきしゅう)!」



「なるほど・・・つまりはテメェらなら

 呪天の居場所を知っているってわけか・・・!」

凶夜は今度こそ復讐の相手である呪天の居場所が掴めると思い

体から溢れんばかりに殺気を放っていた

「ヒャッハ!あいつやっぱり俺達と同類だな!!」

それを見た熊童はとても嬉しそうにしていた

「やれやれ・・・これから僕達と戦うのに無粋な奴だ」

それとは逆に星童はとても嫌そうにしていた

「・・・面倒臭い・・・」

しかし虎童は面倒だと思ってすぐに眠ってしまった

そして金童はずっと黙り込んでいた

「仕方ありません・・・今回は私達三人で相手をしましょうか」

茨童は仕方なく熊童と星童と一緒にフィアーナイトと戦うことにした

「俺は全員でも構わねぇ・・・どの道全員・・・

 逃がすつもりはねぇんだからな・・・!」

フィアーナイトもどの道逃がさないつもりだから構わないと言って

多勢に無勢の戦いを受け入れた

「それじゃあ始めましょうか・・・あなたの望んだ殺し合いをね」



「まずは俺からだ!!」

一番最初にフィアーナイトに向かって行ったのは熊童だった

彼は大きなその腕を振り回してフィアーナイトに殴りかかる

「ヌゥン!!」

その一撃をフィアーナイトは受け止めるが

「隙だらけですよ?」

星童がその一瞬の隙をついて斬撃を放った

「そうかよ!!」

だがフィアーナイトはその攻撃すら読んでおり

すかさずその斬撃を熊童の方に弾き飛ばした

「痛ぇ!!」

その斬撃は見事に熊童の顔に命中し少しだけ頬を切り裂いた

「テメェ!!ちゃんと当てやがれ!!」

流れ弾を食らってしまった熊童が星童に怒りをぶつける

「ふっ・・・無粋な君が躱せないなのが悪いんだよ」

しかし星童は全く悪いとは思っておらず

むしろ躱せなかった熊童が悪いと反論していた

「なんだとテメェ!!先にお前からぶっ潰してやろうか?!」

それを聞いてさらに怒った熊童が殴りかかろうとする

「二人とも・・・相手を間違えてませんか?」

しかしその間に茨童が割って入り戦う相手が違うと二人を宥める

「その通りだぜ・・・お前らは俺だけ見てればいいんだよ・・・!」

フィアーナイトは俺だけ見ろと視線を自分に集中させる

「では・・・今度は私がいきましょうか?」

そう言って今度は茨童が攻撃を仕掛けてきた



「オラァ!!」

二人は互いに一進一退の攻防を繰り広げる

「・・・すごい・・・」

それを見ていた愛心達は素直に驚いていた

だがすぐにそれは悔しさに変わった

何故ならその攻防に自分達は入っていけないからである

もし自分達が戦いに参加してしまえば必ず足手まといになってしまう

そう一瞬で思えるほどに彼らの戦いは次元が違っていた

(前に戦ったリリムって女の子と同じくらいだと思ってたけど・・・

 全然違う・・・むしろ彼らの方が・・・強い・・・!)

二人は来島研究所で話していたことが全く的外れだったと思いながら

その戦いに見入っていた

「やれやれ・・・まさかここまで強いとは・・・これはさすがに計算外でしたね」

茨童は戦っていてすぐにフィアーナイトの強さについて考えを改めた

最初は厄介な相手ぐらいにしか考えてはいなかったが

実際は自分達が三人掛かりでさえ仕留めきれない相手だと理解した

「仕方ありませんね・・・少し作戦を変更しましょうか・・・」

そして茨童は何かを諦めたのか作戦を変更すると言った

フィアーナイトは一体何の作戦だと思って構えていると



「撤退です」



「なっ?!」

その口から発せられたのは何と撤退という言葉だった

そしてその言葉を聞いて他の鬼も次々と目の前から去っていく

「!待ちやがれ!!」

フィアーナイトは急いで残っていた茨童に向かっていくが

「今回はあなたに敬意を表して去ってあげましょう・・・

 しかしこれはほんの挨拶です・・・いずれ本気で戦いましょう・・・」

そう言い残して茨童も忽然と姿を消してしまった

「・・・っそ・・・くっそぉぉぉぉぉ!!」

残されたのは復讐の手がかりを逃してしまった

フィアーナイトの悔しさに満ちた雄叫びだけだった

業鬼衆・・・鬼の幹部

彼らの本当の実力はどれほどのものだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ