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プロローグ2


「なぁなぁなぁなぁ、AHOやろうぜ」

机で伏せて寝ていた俺の睡眠の邪魔をしたのは伊津美いずみ 練太郎れんたろうで、中学からの付き合いのある静かにできない方の親友だ。

「はぁ、そんなに煩くしたって意味ないでしょ。寝起きは機嫌が悪くなるからさっきコイツが起きるまで待ちなさいって言ったばかりじゃない」

静かな方の親友である川澄かわすみ 亜魅あみとは小学生からの付き合いだ。

「もしかしてだけど、いやもしかしなくとも持ってなかったり?」

俺は今寝たいんだ。いくら高1の3月26日の予備登校日で午前中に終わるからといって眠くて話を最初っから録音して寝ていたとしても、練太郎はぺちゃくちゃ喋り続けている。

「なんで懲りないのかしら、この男は。あんたも持ってないのに誰がAHOを買えるわけないでしょう」

全くもって同じです。

しかし、AHOか

「因みにAHOなら本体込みで持ってるぞ」

「「はぁ!?」」

何故そんなに驚くのだろうか

「親父がとりあえず俺と妹の分はあるって言ってたぞ」

あの子供大好きな親父が持ってこない筈がない

「ねぇ、聞いてもいいかな?なんで持っ「なんで持ってるんだよ!」てるの?」

練太郎に言葉を被せられて尚且つ大きな声で言われてイラついてますね。俺もです。机を叩かれて目の前で煩いことこの上ない。

「あれ、言ってなかったっけ?親父はAHOの幹部的な位置にいる言ってからな」

まぁ、実際には副社長だけど。

「それにお前たちの分もモニタリング対象としてうちにあるぞ。帰り道同じ方向なんだから寄ってけ」

練太郎を連れて帰ると妹に何を言われるか分かったもんじゃない。

帰り道、練太郎は煩いので放置。俺は録音レコーダーにイヤホンを挿して倍速で内容を聞いている。亜魅は音楽を聞いているっぽい。

学校から15分程度で着くから練太郎さえ気にしなければ問題ない。

「兄さん、お帰りなさいなのです!そちらの煩いのは帰っていいのです」

妹の葛城かつらぎ 紗那さなである。

「ただいま、紗那。親父が持ってきたアレを渡すだけだよ」

「成る程なのです。ただ、女の子を外で立たせるのはダメなのです。亜魅さんは中で待ってるといいのです。私が案内するのです」

紗那には少し強引なところがあるからなー。

「練太郎はちょっとここで待ってろ、すぐに持ってくるから」

「応よ!」

近くの部屋から段ボールごと持ってくる。

「ほれ、自分の家で開けとけ」

「あざーす。お礼言っといてくれよ、じゃあな」

嵐のように去って行った。つか、あんな重い段ボール持って普通走れないだろう。

「お待たせ、二人とも」

「遅いよ、兄さん。早く開けたいのです」

「本体がどんな形なのか楽しみね」

「じゃあ、紗那開けてみるか?」

「いいのです?では、これから開封の儀を行うのです」

丁寧にガムテープを剥がしていくと出てきたのは

「これは眼鏡ね、もしかしてこれが機体かしら?」

「下から2つ本が出てきたのです!」

「何々、薄いのは赤文字で必読と書かれているな。もう1つの漫画雑誌2ヶ月分はありそう大きさのは【ド素人~廃人までとても分かりやすいヤリコミ本】とあるな。必読の方だけでも読んでおけば良さそうだな」

「確かに、これを読みきるには相当の時間が掛かりそうね」

「今日は亜魅さんと一緒にうちでAHOをやりたいのです」

「家も隣だし、紗那もこう言ってることだからやっていきなよ」

「紗那ちゃんが言ったら逆らえないじゃない」

「ははは、そうだな。それじゃ、始めるとするか」

「ではでは、亜魅さんは私の部屋でやるです?兄さんの部屋でやるです?」

妹よ、何故そんな質問をするのだ?それは、勿論妹の部屋だろうに。

「どどど、どっちでもいいわよ」

どうしてそこでどもるんだい?亜魅さんや。

「それならば、兄さんの部屋でやるといいのです!兄さんのベッドはダブルなのでピーびやすい筈なのです!」

おい、妹よ。ルビがおかしいのは気のせいだろうか、いや気のせいではないだろう。

「そそ、そういう事なら分かったわ」

何が分かったんだ?

「まぁ、(一緒に)やっても良いけどさ」

「なな、何をヤってもいいですって!?」

「そこ、何で驚いてるんだ」

ニヤニヤ

「そこ、何故ニヤニヤしてるんだ。俺は同じベッドの上でゲームをやって構わないと言ってるんだが」

「ま、紛らわしいじゃない!」

「どこがだよ、まったく。ほれ、早く行くぞ」

「フフッ。それでは、兄さん夕食の時にでも」

「あぁ、分かったよ」

仕方ないが、必読を読みながら部屋に向かうとするか。

ふむふむ、成る程。

普段からゲームとかしない身としてはこういうのは有り難い。

ガチャ

「ほら、入れよ。あんまり、物はないと思うけど」

「(机と椅子とタンスと本棚とベッドしかないわね、無さすぎるわ)」

「なんか言ったか?」

「いいえ、何でもないわ」

とりあえず、ベッドに座るか。

「必読の説明するから隣に座れよ」

「わ、分かったわ」

隣に座れとは言ったが近すぎやしませんかね?気のせいかな?気のせいとしておこう。


~説明中~


「どうだ、分かったか?」

「ありがとう、とても分かりやすかったわ」

横になってでしか、遊べないようだ。不便だな、昔は体勢なんて関係なかったのに。

「先に横になれ。落ちないように端は俺が横になるから」

「あ、ありがとう。それじゃ中で」

「「スタート」」

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