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新たな暮らし

「今、お母さん出かけてていないから、帰って来るまで待ってて。」

 

 リビングへ行くと紅凛ちゃんは台所へ向かった。

 

 「お茶かコーヒーどっちがいい?」

 

 「コーヒーでお願いします!」

 

 緊張のあまり敬語を使ってしまった、しかも沢山砂糖を入れないと飲めないくせして、大人ぶってコーヒーを頼んでしまった。


 ところで、改めて紹介しよう。今台所でコーヒーを入れてくれている、ミディアムヘアーの、出るところは出ていてしっかり引き締まっている、スタイル抜群のこの女の子は名は加賀紅凛。


 僕の新しい家族になるらしい、義妹である。

 

 「そういえば、お義父さんは何時くらいに帰って来るの?この家に住むからには、挨拶しときたいんだけど。」

 

 「お父さんなら単身赴任中だから、二、三ヶ月に一回くらいしか帰ってこないよ。」

 

 なんか少しホッとした。まだ、心の準備してなかったし、よかったぁ~


 僕はそっと自分の胸を撫で下ろした。

 

 

 「はい。コーヒー入れてきたよ。砂糖何個入れる?」

 

 「ありがとう。2個もらうよ。」


 苦い、もう3個欲しかったな。

 

 それから、5分ほど沈黙が続いた。なんかすごく気まずい。何か話さないと。

 

 「「そういえば」」

 

  「「お、お先にどうぞ。」」

 

  ハモり過ぎだろ!


 そんなことを考えていると。

 

 「ふふっ、じゃあ、先に言わせてもらうね。気になったことあったんだけど。翔太くんは私たちの家族なんだよね?」

 

 それ、僕も聞きたかったことなんですけど。そこまで一緒だと、運命を感じてくるぞ!と思いつつ答えた。

 

 「それ僕も聞こうとしてた、多分そうなんじゃないかな?」

 

 「やっぱりそうだよね。そうなると、翔太くんの方が誕生日が早いから戸籍上私のお兄ちゃんになるんだね。」

 

 えっ?えっ!ええええええええぇぇー今お兄ちゃんになるって言った?なんか凄く嬉しい。

 

 「やっぱりお兄ちゃんは恥ずかしいね。でも、私の事ちゃん付けじゃあ、おかしいから今度からは紅凛って、呼んで欲しいな!」


 そんな目で言われたら、断れないじゃないですか。


 なんてことだぁ!嬉しいような少し悲しいような。でも呼び捨てで呼んでいいなんて、こんなにいいことが連続にあって、本当にいいのか?神様ありがとうございます。

 

 「うん。『 紅凛 』さえ良ければいいよ。ってやっぱり恥ずかしいなぁ~!」

 

 「ううん。やっぱりそっちの方がいい。翔太くん今日よろしくね。」

 

 「紅凛こそ、僕のこと呼び捨てで呼んでくれないの?」

 

 やっぱり無理かなぁ~。

 

 「うん。分かった!改めてよろしくね翔太」

 

 すんなりOKでましたー。嬉しい、今日のことは絶対忘れない(泣)。

 

 「明日から一緒に学校登校だね!一緒の学校だけど、私が同じ学校にいること気づいてなかったよね?」

 

 え、えぇぇ!同じ学校だったんだ。そういえば、親父の事故と同じくらいに高校生活始まったから、ほぼ学校行ってなかったから、全然気づかなかった。


 「ごめん!気づかなかった。」

 

 「だ、だよね…じゃあ、あのことも覚えてない?校門の前に呼んだことも。」

 

 そういえば、呼ばれたことあったような。って、それ紅凛だったの?

 

 「ごめん、あの日呼ばれたのに行かなくて。大切なことだった?」

 

 「大丈夫だよ。そんな大切なことじゃなかったから。」

 

 「それならいいんだけど…」

 

 その時紅凛の顔からは笑顔が少し消え、少し悲しそうでもあった。


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