2-08
「陸峰さん。
それは」隆二。
「空洞内の見取り図だよ。
空洞内でガドラが現れた時に
堆沢さんが我々に見せた」
「ああ。あの」
すでに半日近くが経っている。
「それでこの印。
どうも避難用のシェルターのようなんだ」
「堆沢さんがモニター越しに姿を見せた、
あの避難用のシェルター」編集長の多末もいる。
「そう。
あの退避シェルターを造った業者も
特定できてね。
彼らにも聞いたんだが。
堆沢さんの知り合いの。
やはり何か所かに造ったらしい。
彼らも正確な位置は分からなかったらしいがね」
「それで何か聞き出せましたか」多末。
「いや。彼らは何も。
堆沢さんの言ったとおりだったよ。
その時はもちろん怪獣もいなかったようだし。
しかし-----この見取り図」
「この見取り図?
シェルターを捜すわけですね」多末も期待を込めて。
「そうなんですが。
問題もあります」
「何が」隆二。
「この廃坑から中へ入った場合。
一番近いシェルターでも数キロはあります。
この見取り図と照らし合わせて、
入り口はだいたいこの辺り。
最も近いシェルターがここですから」
陸峰は指差しながら。
「とてもいけませんねえ。
歩いては」サキ。
「はい。
なにせ第五周期の植物が生い茂る中を歩いては。
ヘリも持ち込めそうにありませんし。
まあラジコンは大丈夫ですが」陸峰。
「では-----どうやって」大木。
「空気ボンベを空洞内の何か所かに集積して-----
行くしか」
他には-----。
「それしかないですか」隆二。
「ですがまあ。
空洞内への入り口も、
例の堆沢さんの自宅からのモノ
一つだけだはないでしょうから-----
それさえ発見できれば。
もし-----あればの話ですが。
この見取り図には書かれていませんし。
外からの発見は難しいですが
空洞内からなら見つけ出すことも容易かと」
「期待は-----」宿付。刑事だ。
「薄いですが。
それでガドラを倒すヒントなり」陸峰。
「堆沢を見つけ出すなり-----ですか。
もし、もう出口が無くて
空洞内をうろついていれば-----
逮捕も可能ですか」宿付。
「それは-----ありますか」大木。
自衛隊員が空気ボンベを大量に
廃坑内へ持ち込んでいる。
プロテクターを着て入って行く者もいる。
途中で空気がなくなればどうなるか。
空洞内は第五周期の空気が満ちている。
命がけだ。
ラジコンヘリも十数機持ち込まれた。
それによる調査結果からも。
本部は廃坑の外に設置済み。
そこに情報は集まって来る。
大木たちはいったん本部に。
廃坑の行動は狭い。
空洞内にも指揮所を置きたいらしいが
空気の問題が。
単に空気をろ過するだけでは。
外から空気をコンプレッサーで送り込むらしい。
「やはり-----ここにシェルターが」
「距離は」隆二。
「二キロはあります」
「重力波レーザーは」サキ。
「いえ、今のところ。
破壊されたモノは発見しましたが-----。
やはり堆沢さんのおっしゃったとおり
空洞内にはもう」
陸峰も期待していたのか。
ラジコンヘリのモニターを食い入るように。
そこに写る映像から。
それは明らか。
大沖たちはプロテクターを着け
-----だいぶ汚れがひどい
-----洗浄はしてはいるのだが-----廃坑内へ。
テレビ局の代表取材の者もいる。
各局から強力に申し入れがあったらしい。
ディレクターとカメラマンとレポーターの三人のみ。
許可が下りたらしい。
彼らには自衛隊の広報官がつきっきり。
そのカメラは大木たちを狙っている。
外国の報道関係者も数人。
しかしプロテクターの数の関係もあり-----人数は限られる。
何度かに分けて、数人づつ入れることになったようだ。
空洞内へは-----鉄製のはしごやロープを伝って。
山登りと同じだ。
ここは比較的なだらかなようだ。
命綱をつけ数十メートル降りていく。
隆二も急遽取り付けられたはしごやロープを
揺すってみたがビクともしない。
大丈夫なようだ。
空洞内へ。




