2-06
「先生。
どうもこの洞窟のようです」
ガス検知器を持った大木の助手の月川が言った。
大木も検知器を覗き込む。
「間違いないようですね」陸峰。
ここは○○山の山腹。
その廃坑跡。
ふもとの村で異臭騒ぎがあり
大木たちが調査に乗り出したのだ。
死亡した村人もいる。
「サンプルを採取して」
助手の空来に。
隆二もサキも。
編集長の多末もいる。
全員、全身防護服姿。
空気をガス検知器で調べる。
「パターンが同じです」
「やはり第五周期か」大木。
隆二たちは廃坑を覗き込んだ。
「しかし先生。
どうしてこの廃坑から
第五周期の空気が漏れ出したんでしょう。
それも今頃」本庁の宿付警部。
「堆沢さんが第五周期生物を造ってから
もう何年も経っているんですし
この廃坑があの空洞につながっていたのなら、
もっと以前に
このような事件が起きていても」当庭刑事もいる。
「それは-----。
ガドラだろう。
この前ガドラが空洞内で暴れた。
奴の生物レーザー。
いや堆沢の撃った
重力波レーザーかも知れない。
それで空洞内と
この廃坑の何処かが
つながったと考えるべきだろう」大木。
「なるほど」宿付警部。
「ですが先生。
それじゃあ。
もし-----あの空洞と-----。
地上の何処かがまたつながる様な事があれば-----
下の村のような死亡事故が
多発するのでは」当庭。
「そうなるねえ」大木も。
「これは-----」当庭。
「そうだな。
ここしばらくは-----この周囲にも警戒態勢を-----
とる必要があるな」宿付。
「それで先生。
どうします」陸峰が。
「どうって-----言われましても。
入って見るしかないでしょう」
陸峰もニヤリ。
「しかし、先生。
この廃坑。
入っても大丈夫でしょうか」多末。
「さあ」
「だいぶ古そうですから」隆二。
「とにかく入ってみるしか」
陸峰が部下に。
廃坑の入り口をふさいでいる
鉄製の策を取り払わせている。
懐中電灯で中を照らす。
「だいぶ深いようですね」大木。
「はい。
今、部下にこの廃坑の見取り図を
取り寄せさせています。
それが届き次第」陸峰。
「先生。やはりこの中からです。
検知器の反応が」月川。
「そうか」
「崩れてはないようですね」
「そうですね。
しかし下手に入ると
中は迷路のようになっているかも
知れませんし-----。
この廃坑に詳しい者が
見つかればいいんですが。
これから捜すとなりますと
時間が」
「で、どうするつもりです」宿付。
「見取り図が早急に
手に入ればいいのですが。
さもなければ-----
ここからロープでも
中へ引っ張っていくしか」陸峰。
「やはり」
この廃坑の周囲の調査も進んでいる。
見取り図はすぐに到着した。
村の役場の者も同行している。
防護服に身を固めて。
「ここですか。
ガスの噴出孔は」
「はい」
「また、大変な事に」
「それより。
この廃坑、深さは」陸峰。
「はい。まずは見取り図を。
深いところで数百メートル。
延べの長さは-----数キロにもなりますか」
見取り図で見る限り
相当入り組んでいる。
「落盤は大丈夫ですか」宿付も。
「さあ-----。
とにかく中へ入ってみるしか」
役場の者を。
沢本といった。
先頭に中へ。
陸峰、大木、隆二、サキ。
多末もいる。
月川に空来。
宿付たち。
そして自衛官が数名。
月川と空来が持つガス検知器を頼りに
進んでいく。
空洞がところどころ
いくつにも分かれている。
「先生。
こっちです。
こちらの方が反応が強いです」
確認しながら。
明かりは浅いところではいくつか点灯している。
下の村から急きょ電線をひいてきたらしい。
「下ですねえ」
エレベーターに乗り下へ。
側坑を全てチェックしていく。
「このエレベーター。
大丈夫ですか」宿付。
「さあ、大丈夫とは思いますが-----。
古いですから
いつ止まらないとも」
陸峰もゴクリと生唾を。
底へ着いた。
「やはりここのようですね」月川。




