2-05
大木の研究室には
他の研究室からも応援が来ていた。
「ATGCの編集長の多末さん。
ウチの木沢准教授」
木沢は大木の弟子だ。
「編集長。
専攻は」
「はあ。物理です。
しかし二十年も。
いえ、それ以上昔の話ですから」
編集長のそのあたりの知識は
たいしたもの。
隆二はそれは充分に。
仕事柄もあるが
最先端から何まで。
広く浅・く・。
コンピューター画面を眺めながら
メモリーにコピー。
それをプリントアウトしていく。
空来たちが調べているが
まだ相当残っている。
その中から-----必要なモノを。
「今、一番重要なモノは
重力波レーザー関係の資料です。
その関係なら
何でも結構です。
特にガドラの防御機構関係」
隆二たちもコンピューター画面を見ながら。
デジタル写真のデーターも。
交互に仮眠を取りながら。
「電子と陽電子が出会った場合。
消滅しないと仮定する。
-----何だコリャ」多末。
内容が専門に及ぶと
ついつい読み入ってしまうらしい。
皆一緒だが。
電子も陽電子も
その中心付近では距離の二乗に反比例するような
簡単な電場は持ってはいない。
プラス、マイナスと複雑に入り組んだ電場を持ち、
そのため両者は
ある一定距離までは引き合うが
それ以上は近づけないとする。
「原子核もそうなっているか。
原子核と電子はプラスとマイナスなのに。
途中に電位障壁がある。
そのために原子核と電子は
結合せず
一定の距離を保ったまま
存在し続けているか。
それと同じように電子と陽電子の間にも
同じ事が起きても-----か」
-----。
「電子と陽電子はお互いに加速しながら近づく。
電子と陽電子はその周囲に
特有の電場を持っているため
速度変化を繰り返しながら
お互いに接近していく。
そして電位障壁にぶつかり反発を受け
押し戻される。
押し戻されると今度は逆に引き付けられる。
それを繰り返す。
この時、電子と陽電子はその振動により
電界に変化が生じる。
これがガンマー線である。
エー。
ステップ応答-----減衰し-----。
電子と陽電子は対になる。
原子における原子核と電子と同じように。
我々の技術力が○○なため
電子と陽電子が対になったモノを
発見できない。
それで急に何もないところから
電子や陽電子が出現したり
喪失したりするように
見えるだけだ。
なつかしいなあ。
電子と陽電子の
対出現、対喪失か。
しかし待てよ」
“こんな理論は-----。
間違っている。
アインツによると。
物質はエネルギーに”
「編集長。
何を」
「いや、すまん。
星村。
ついなつかしくてな。
見入ってしまった。
しかし-----これは。
化学と言うよりも
半導体技術だな。
ナノテクと言おうか」
「そういう考え方もありますか」大木。
「我々のアプローチの仕方とは
全く違いますから」
全く-----。
(本書のこの部分は
あ・く・ま・で・
堆沢光一の異常性を示す必要上の
フィクションであり。
もしこの内容が現代科学における
類・似・の理論と全く相容れないものであっても
本内容とは全く関わりのないモノであり
著者への一切の質問等は全くの的外れであり
受付ないモノとさせていただきます。
-----著者注)
「これですか」隆二。
ザッと見る。
「しかし編集長」
「わかっている。
こういうモノは経験済みだ。
堆沢先生の自宅でな。
ガンマー線レーザー関係か」
多末は先を。
隆二も-----。
気になるのか。
「大木先生も言っておられる。
堆沢さんの思いつきのようなモノだろう」
大木に同意を求めるように多末は。
「そうだね」
「それよりも」隆二。
「それでも-----なんというか。
第五周期生物を造ったのだから。
堆沢-----博士は天才だよ。
全く」
「はい。
それに砲が見つかれば
どうしてもガドラの防御機構の解明が
必要になってきます。
ですから一刻も早く」
「わかっとる。
そんな事は。
自衛隊の方でも資料は持って帰っている支那。
しかし-----。
自衛隊の方はどうなっているんだ。
あれから何か連絡がありましたか。
陸幕の陸峰さんは
理学関係や放射線関係の大学、研究機関にも
協力を求めるとのことでしたが。
重力波で倒せるのならその組み合わせを調べてもらうつもりだと言っていましたが」多末。
「ええ。編集長。
そちらの研究機関からも
問い合わせがありましたよ。
資料はないかとか
どうすればいいかとか。
例のゾドスの細胞を使えば。
あのタンパク質を破壊できれば
ガドラも。
と言っておいたのですが」大木。
「いずこも同じか」
「ですから資料を」大木。




