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2-03

 「先生」

 「何だね」

 「重力波レーザーが見つかったとして

我々に使えますか。

 特にガドラには」

 「おいおい。

 重力波レーザーの事を

思いついたのは君だぞ。

 君がそんな事を言っては。

 それについては私に考えがある」

 「エッ。

 どういう」

 「ゾドスだよ。

 ゾドスの死体。

 あれを使ってテストする。

 ゾドスも死ね前に

宇宙線や太陽光を

ガドラ同様に浴びている。

 それを真っ二つにできれば」

 隆二もうなった。

 「後は使用方法ですか。

 マニュアルでもあれば」

 「それは-----。

 その方面の専門家が何とかするだろう。

 現物さえあれば」

 隆二たちは出版社へ。

 大木は研究室へと戻って行った。

 出版社のようやくたどり着いた時には

隆二もサキもクタクタだった。 

 元気なのは編集長の多末だけ。

 空洞内で手に入れた資料を、DVDを

さっそくコンピューターに。

 他の者たちも集まって来た。

 空洞内の映像もある。

 みんな食い入るように。

 「これを全て出せば」編集員の一人が。

 「しかし本当かな。

 この資料」

 「現代科学とはかけ離れている」

 口々に。

 「これを全て掲載すれば」

 「そうだな。

 しかしどのくらいの量になるか」

 「一年や二年では。

 臨時増刊するにしても」

 「編集長」隆二が。

 「そうだな。

 一応言っておくか。

 みんな聞いてくれ。

 この資料は全て出すわけにはいかない」

 「どうしてです。

 編集長」

 「そうです。

 これを出せば売れること

間違いなしでしょう」

 「十万。

 いや二十万部は行けます。

 そうなればウチとしても」

 「それがたった今。

 国の安全保障会議に出席して来たところだ。

 大木先生と」編集長。

 「それで」

 「国の安全保障会議?

 それで」

 出版関係と言っても

畑違い。

 国の安全保障会議。

 ピンとこない。

 「それでだ。

 このDVDの内容は

絶対に公表しないでくれと。

 自衛隊からもそのスジからも

念押しされてな」

 「そんな編集長。

 これを見て何も書けないなんて」

 「それをそのまま

“はい。そうですか”と。

 そういう事ですか」

 多末も-----。

 「マサカ。その筋の圧力に

屈するという事ですか」

 「そのマサカだ」多末。

 「そんな。

 マスコミが国家権力に

屈するという事ですか。

 何のために今まで」

 「まあそう言うな。

 全部じゃない。

 一部は何とか。

 担当者に交渉して出してもいいことに。

 ただ。出す前に一応-----。

 内容を見せなければならない-----が」

 「そんな」

 「人命にかかわる事だ。

 そう言われれば仕方がないだろう。

 協力しないわけにはいかないだろう」

 「人命ですか」

 「どういう」

 「見ればわかるだろう。

 これを公表すれば

今後のガドラ対策に影響が出るらしい。

 そうなれば

また多くの人命が。

 そういう事だ」多末。

 みんな黙った。

 「しかしそれならば。

 これをすべて公表して」

 「そうだ。

 専門家の先生方に意見を求めた方が」

 「それは政府の方でやるそうだ。

 今、方々の専門家に当たっているらしい」

 「そういう事か。

 しかし-----」

 「まあそう言うな。

 どちらにしろ大木先生だ。

 大木先生に論文を書いていただく事になるしな。

 そう言えば大木先生だ。

 大木先生。

 大丈夫かな。

 他社に出し抜かれたりはしないだろうな」編集長。

 自信ありげに。

 「それは-----。大木先生に限って。

 確約はとってありますし。

 編集長もいたじゃないですか」サキ。

 「それはそうだが。

 大金でも積まれれば」

 「まさか」

 「とにかく大木先生だ。

 張り付いている必要があるな」

 隆二たちをジロリ。

 「それと原稿だ」

 「しかし編集長。

 大木先生の方もあれだけの資料ですし。

 整理するだけでもどのくらいかかるか。

 とても締切には」

 「クルマの中でお願いしておけばよかったか。

 まあいい」

 「それが編集長。

 今月号ですが-----」編集員の一人が。

 「なんだ」

 「それが-----」

 言いにくそうに。

 「東京がこの状態ですので」

 「東京?」

 「はい。

 印刷会社も-----被害を」

 「何。

 それで」

 「方々問合わせているんですが。

 どこもつながらなくて」

 「そういう事か」ため息が。

 「他府県の印刷会社にもあたってはいるのですが」

 「それで」

 「一応、抑えては見たんですが」

 「そうか。それで大丈夫か」

 「はい何とか」

 「よくやった」

 「しかし締切には。

 一週間は必要かと」

 「一週間か」

 “長いな”

 「仕方がないか」

 “そう言えば東京がこの状態で

出版物の締め切り云々を言っているのも。

 まあそれがこの業界の者の宿命か”

 「とにかく大木先生だ。

 二人とも交代で張り付け。

 応援も必要なら何人でも出す。

 すぐに-----。

 いや、私も行く。

 ちょっと待っていろ。

 いや、お前たちも来い。

 社長に報告しに行く」

 「編集長。DVD」

 「そうだ。かせ。

 これも社長に。

 うまくいけば社長賞。

 間違いなしだ」

 社長室には三十分もいたか。

 社長の方にも直接。

 その筋から空洞内の事は。

 資料の事は。

 特に重力波レーザーの事は

絶対に公表しないように。

 との、協力要請があったらしい。

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