04
量対大学。
隆二は学内へと足を踏み入れた。
編集長がつけてくれた
新人の季崎サキとともに。
一人でいいと言ったにもかかわらず
半ば強引に。
新人教育とやらいう名目で。
「星村さん。
いったいどこへ行くんですか。
ここは-----。
警察の方はいいんですか」
「警察?
ウチは科学雑誌なんだよ。
ネットのニュース配信サイトや
テレビじゃないんだ。
だからその筋の専門家に当たって
意見を聞く。
あっちの方はスマフォでチェックすれば
じゅうぶんだろう」
そういうと後ろも振り返らず
歩き出した。
警察にしろ今は捜査の途中。
出てきたら出て来たで
それをもとに専門家に当たればいい。
科学的な裏付けというやつだ。
「ちょっと待ってくださいよ」サキも続く。
「それでどこへ」
「相手はサソリ。
それもお化けサソリ。
突然変異かないかだろう。
だったら
その筋の最高権威と言えば」
ずかずかと何食わぬ顔で。
大木研究室と書かれたドアの前へ。
「ここだ」
「ここ?ですか」
ノックもせずにドアノブを。
明けた。
「先生。
お久しぶり。
エッ!」
そこには40代半ばの白衣の男が。
様々な実験器具と十数人の学生たちに
埋もれるように立っていた。
そして。
この場所には不釣り合いな二人。
「よう!来たか」大木。
「来客中ですか」
「季崎君んも一緒か。
どうだね。
仕事は。
もう慣れたかね」
「はい。先生」
大木は親しげに
サキにも声をかけた。
「少し待ってくれ」
例の二人を向き直り。
「それで現物は。
今どこですか」
「ええ、教授。
それはここでは」
二人は隆二たちを目で。
「ああ、この二人。
この二人は
二人とも私の教え子でね。
構いませんよ」
二人のうちの一人が目ざとく
隆二の持っているネーム入りの
封筒に気付いたのか。
「雑誌社の方ですか」
「エエ」
「先生。
私たち、出直してきます」
隆二は気を利かせた。
「そう」大木も気づいたのか。
「それじゃ。
向こうの私の自室で
待っていてくれないかね」




