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「大臣。
ゾドスが都内に」
航空自衛隊の攻撃も効果がなかったようだ。
ゾドスは空からの攻撃にも
全く意に介する風もなく都内へ。
攻撃機が落ちていく。
ゾドスは葛飾区から足立区、荒川区へ。
文京区へ入り。
某私立大学を含め
通過した跡を廃墟と化しながら。
ガドラはゾドスを認めたのか
咆哮を変えた。
二匹は相手を求めて距離を詰めていく。
空には偵察ヘリが数機。
攻撃機も。
自衛隊にはもう打つ手が。
「どうなるんだ」
「これでケンカでもして
どちらかでも倒れてくれれば」陸山。
「どちらか一頭だけならば」幕僚の一人。
「大臣。
それならば-----」陸峰が。
「何か」
「いえ。二頭は捕食者と食べられる側。
しかもガドラは腹を空かせています。
争うのは間違いないでしょうが」
「それは」
そのくらいは分かるという表情。
「いえ、違います。
そうでは。
問題はどちらが勝つかという事です。
ガドラとゾドス。
堆沢さんの資料によりますと」
「弱い方が勝った方が。
後が楽か」南岡陸幕長も気が付いた。
「はい、そのように。
それにうまくこちらでガドラを攻撃して
ゾドスを支援すれば
痛み分けという事にも。
そうなれば双方ともにエサがなくて-----
例のサソリと同様に」
城岡も、陸山も-----。
「そうか。
逆にガドラが勝ちでもすれば」
「はい。ゾドスをエサにして
これからも破壊を続けることも考えられます」陸峰。
「もっともゾドスが勝っても
同じことですが」小声で。
「それのゾドスは西に向かっています。
それはあの空洞へ戻ろうとしているのでは。
適当な草食竜でも求めて。
まさかガドラをエサにしようとは
考えていないでしょう」
「ゾドスがガドラを襲うという事は-----
滅多にないようです」隆二。ファイルを。
“もっとも-----。
まれにはあるようだが”
「そう考えると。
ですからゾドスがガドラを
追い払えさえできれば」
「どういう事に」陸山。
“その可能性もあるか”
「ガドラもゾドスも例の空洞に戻るか」
「窒息死か。
しかし、そううまくは」
「どちらに勝たせても都合が悪いわけか。
それではうまく弱い方を支援して。
しかし本当にあのゾドス。
そんなに弱いのかね」城岡。
ゾドスをジッと。
「とてもそうは見えないが。
もしゾドスを支援して
ゾドスが勝ちでもすれば
同じことだし」
「それは」
「堆沢さんの資料のみか。
頼みは」
「どちらにしても
何もしないというのは」陸山が。
「陸幕長。
他方面からの増援は」
「君」南岡。
「はい。
現在、第十二師団。東北方面隊。
中部方面隊からも増援がこちらへ。
しかし、時間が」陸峰。
「攻撃機は」
「それはすでに。
現在、燃料、弾薬の補給中であります」空雲。
ガドラはゾドスを目がけて。
ゾドスも引く気はないらしい。
お互いに相当腹を空かせている。
「ガドラの集中攻撃をしましょう」
城岡はモニター越しに首相を。
首を縦に。
「空自に連絡」
空幕の幕僚空雲が各航空団へ。
「何を使う」城岡。
「レーザー誘導爆弾くらいしか。
後は機載の弾道ミサイルです」枠空。
「海上からは護衛艦搭載の
弾道ミサイルを」中海海幕長。
「ガドラの身を狙えるのかね」
「はい。まったく問題ありません。
赤外線イメージホーミングですので。
ガドラと言わず。
ガドラの頭でも腕でも。
そのレベルの精度です」
「そうか。
陸自は」城岡。
南岡が陸峰を目で。
「他方面からの増援がなければ-----
残存兵力だけでは」
「そんな事は分かっている。
しかし-----この機会を逃せば」城岡。
“仕方ないか”陸山。
「何でも構わん。
無反動砲でも何でも
使える武器は全て投入してガドラを」南岡が-----。
陸峰は東部方面隊へ連絡。
「たいして残ってはいないでしょうが」
陸山もその様子を見ながら。
「他の方法がないよ」




