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そこには宿付がいた。
当庭も。刑事だ。
「やあ」
朝まだ早い。
「先生」空来も心配顔。
「空来君。これ」
電話した時に事のあらましは。
「これをコピーしておいてくれ」
そういって例のSDカードを。
「いくつくらい」
「十もあれば足りるだろう」
「十ですか」
「それでそれを。
わかっているね」
「はい」
空来は別室へ。
ここのコンピューターを使うのは。
「大木先生。
まことに申し訳ありませんが-----
お話をお聞きしたいので-----
暑までご同行願えませんか」宿付。
「それで今までどちらへ」
大木はそれには答えず。
「今日一日。待ってもらえないかね。
そうすれば-----全て話す」
「困りましたなあ。
きていただけませんと
逮捕という事にも」
「逮捕。先生が」隆二。
「何で、先生が」
「それじゃあ。あの写真の絵は
どうご説明いただけますか」
「あれは。あの写真は」隆二。
「エッ?」
「星村君」大木。
「先生のところの助手の方々も
口が堅くて全く話して下さらん。
我々としても」宿付は隆二の表情を。
「おとなしく来ていただけませんか」
「それに先生。
先生は方々で第五周期とか、何とか。
行く先々で聞いているそうですが」当庭。
大木の表情をジッと見据える。
「どういう事か。
お教え願えませんか」
「今回の事と何か」
「それは-----。
ちょっと待ってくれ。電話を」
ATGC編集部へ。
「ああ、編集長。大木だ。
例の件。どうなったね。-----。
まだ、だれも出社していない。-----。
それから相談。-----。
それじゃあ間に合わん。
間違いなく本物だ。
何なら私の名を出してもらって結構だ。
だから君の一存で。-----。
そこをなんとか」
大木も執拗に。
「私にまた来てほしい。
ATGCに。
一緒に上役を説得してくれ。-----。
いや。ダメだ。
用がある。
他の学者や-----警察にも裏を取る。
そんなものいつになるか。
早く出してもらいたいんだ。
それにそれは困るよ。
押収されたらどうしてくれる。
それじゃあ他へ回すよ」
大木は電話を切った。
「どうでした」隆二。心配そうに。
「いや。どうも-----。
やっぱり無理なようだ。
内容がないようなだけにねえ。
警察に裏を取るとか-----」
宿付たちがいる。
「編集長も」隆二。
「やっぱり」
「君からも」大木は隆二に。
「もちろん。
しかし-----。
あの調子では」
「仕方ないか」
考えた揚句。
「刑事さん。行きましょう」
「先生。我々も」
「君たちはここにいた前」
「しかし」
大木は二人の刑事と出て行った。
その後ろ姿を見送りながら。
「先生もお人好しだからなあ」
「ええ。本当の事をあっさり言えばいいのに」サキ。
「データーを見て来るよ」
「私も」
空来のところへ。
「どうだ」
「星村か」
コンピューターの画面には。
「信じられんよ」
空来は隆二と同期。
「私にも一本。コピーを頼むよ」
三人分のデーターを既に一本にまとめてある。
「わかっている。
先生にもそう言われている。
それで先生は」
「警察だ」
「そうか」
「心配するな。
すぐ帰ってこれるさ」
「ああ、このデーターさえあればな。
しかし-----すごい。
すばらしい」
データーをSDカードに。
サキの分も。
「DVDにも焼いておくか」空来。
「そうだな。頼むよ」
すぐに終わる。
それをもって出版社へ。
「編集長。
どうなりました」隆二は多末の顔を見るなり。
「それが-----。
それよりこの男。どこにいる。
この目で確かめたい」
他の社員も既に映像を見ている。
「それで大木先生。
どうなった」多末。
「エッ」隆二。
「先生が警察に逮捕されかねんと
もっぱらの噂だ」
「それが-----研究室に帰った途端。
刑事さんが」
「それで-----逮捕か」多末。
「いえ、まだ任意同行です」サキ。
多末はニヤリ。困ったように。
「とにかくこれがあれば。
それよりこの男だ。
何とか原稿を-----。
論文を」興奮している。
「すぐ行け。
いやワシも行く」
「それより、ネットに」隆二。
「それは後だ。
先に抑えたい。
上もそういう考えだ」
「しかし-----」
「心配するな。
半日かそこらだ。
行くぞ。
それより貴様ら」
集まった同僚たちを振り返り。
「しゃべった奴は首だ」
隆二たちは後に続いた。




