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明け方近かった。
薄明かりの中、自動車は東京へ。
「どうします」隆二。
「君のとこで出せないか」大木。
「はい-----しかしウチは月刊誌ですし」
「そうか」
「それに増刊号を出すにしましても
時間が-----」
「それはあるか」大木。
「インターネットでも
配信してますよね」サキ。
「その手があるか。
編集長に相談して」隆二。
「警察へは」
「これを押収されては。
出て来ないだろう。
自動車は一路。
月刊雑誌ATGCの入るビルへ。
その途中、研究室へ電話した。
公衆電話からだ。
徹夜で例の細胞を調べている。
やはり警察が来たらしい。
堆沢の事は言わなかったという事。
しかしこのままでは
明日にも家宅捜査が
入るかも知れない。
編集長は隆二たちの顔を見るなり。
徹夜だったらしい。
「今まで何をしていた」
しかし大木が一緒だと分かると
急に黙った。
「編集長。
それよりこれを見てください」
隆二がパソコンに
SDカードをセットする。
「サソリを造った人物が分かりました」
「何」
パソコンで再生する。
編集長は-----。
どうしていいのかオロオロと。
「裏も取らずにこれを
インターネットにあげるのは」
声が震えている。
「そんな暇はない。
そこを何とか」大木。
とにかく検討してくれるとの事。
隆二たちはそこを後にする。
「編集長に任せておいて
大丈夫ですか」サキ。
「ンー」隆二。
「ダメなら我々でネットへアップするか。
しかしそれで信じてもらえるか」大木。
「堆沢さんがネットと聞いて
口ごもったのもわかる気が」サキ。
「しかしガドラやサソリ騒ぎの後だし
大丈夫だろう。
出来るだけのことはやった」大木。
「研究室へ」
「しかし堆沢さん。
捕まるのを承知で
あれをよく公表する気に」サキ。
「あれだけの大発明だ。
誰だって公表したいだろう。
それに-----いずれは捕まる。
それで。それならばという事だろう」




