1-08 Let’sバカップル!?
日も暮れ、孝はまだ残っている昨日のカレーを温めていた。今日で2日目で、1日置いたことで美味さは増しているだろうが、6月という季節を考えれば、あまり日持ちするものではないので、早く食べきらなくてはならない。
実際、食べるのは孝1人だけなのだから、市販のルーを1箱の半分の分量で作れば十分だったのだろうが、昨日は久しぶりに作ったために、勢いで1箱分投入してしまったのだ。野菜や肉などは半箱分で用意していたため、後から別のフライパンで炒めなおして追加で投入し、少々不恰好ながらも味にはさほど影響のない、しかし量だけは非常に多いカレーが出来上がってしまったのだ。
カレーが十分に温まり、皿に盛り付けようとしたところで、孝は外が騒がしいことに気づいた。家のすぐ前で言い争いをしているような感じであったため、まだカレーを盛り付けていない空の皿をテーブルに置いて、孝が玄関を開けると、今にも取っ組み合いのケンカに発展しそうな椿と明日実の姿があった。椿の足元にはスーパーの袋があり、袋からは長ネギが飛び出している。また、明日実の足元にもバッグが置いてある。淑女協定が結ばれていたように思われたが、ただの幻想だったようだ。
「椿? 明日実も……2人とも何やってんの?」
孝が出てきた途端にピタリと動きが止まった2人に孝が訊ねると、
「あはは……」
「えへへ……」
2人とも問いかけに対する返答はなく、ただ笑って誤魔化そうと試みていた。
「とりあえず、2人とも家に入りなよ。そんなところで騒いでいたら近所迷惑になるからね」
マンションの廊下、という共用スペースでぎゃいぎゃい騒いでいると、他の住民が迷惑に思って警察に通報してしまうことも考えられるので、孝は2人に話を聞くためにも、部屋の中へ招いた。
「それで、2人はなんであんなところで騒いでいたの? 明日実は同じ階に住んでるから理解できなくは無いんだけど、椿は? 椿の家はここから歩いて10分くらいかかる、駅前のマンションだよね?」
幸いにして警察に通報されてはいなかったようだが、孝自身による事情聴取が始まった。
「孝くんに夕飯を作ってあげたくて、買い物をした上で訪ねてきたら、古川さんが仁王立ちしているんだもの。それを突破しようとして、言い争いみたいな状態になってしまったの」
以上が、椿の弁解である。
「わたしは家で作った夕飯を孝くんにおすそ分けしようと思って部屋を訪ねようと思ったんだけど、桐生さんが階段を上がってくるのが見えたから、それを阻止しようとしたら、こうなっちゃった」
続いて明日実も弁解する。
「なるほどね。2人の気持ちはすごく嬉しいよ。でも、こないだも言ったと思うけど、オレはそれこそ小学校の頃からこうした事態には慣れちゃってて、料理はそこらの野郎どもより断然できるつもりだ。厚意からしてもらってることを完全に拒否するつもりもないけど、とりあえず料理に関しては心配はいらないよ。気持ちだけ、ありがたく受け取らせてもらう」
孝は2人の言い分を聞いて頷き、改めて心配してもらうことへの礼を述べた。と、その時。きゅるっ、と可愛らしい音が部屋の中に響いた。孝が周りを見ると、椿が顔を真っ赤にしてうつむいている。
「あー……2人とも、夕飯は食べた? もしまだだったら、昨日作ったカレーが残ってるんだけど、一緒に食べる?」
やや気まずい雰囲気を払拭するべく、孝が2人にカレーを勧めてみる。
「いいの!? さっきからいい匂いがしてて、わたしもお腹が鳴りそうだったのよ。ゴチになりまーす!」
「私も、孝くんがいいのであれば、ご相伴にあずからせてもらうわ。……さっきのは、聞かなかったことにしてもらえる?」
明日実も椿も、嬉しそうな顔で頷いた。椿は、まだ少し顔を赤くしていたが。
3人で先ほど孝が温めておいたカレーを食べ、椿と明日実は孝の好みが甘口であることを心のメモに書き留めた。
「孝くん。さっき、料理は心配要らない、って言ってたけど、それ以外で何か私に手伝えることってあるかな?」
ようやく中身が空になった大鍋を水で流している孝に、椿が訊ねる。
「そうだなぁ……今のところは特に問題は無いかな。でも、2人ともなんでそんなにオレの世話を焼こうとするの? いや、気持ちは嬉しいんだけどね?」
孝は軽く首を振ると、ここ数日、椿とは再会して以降の姿を見ていて気づいたことを訊ねてみた。
「そりゃあ、もちろん孝くんのことが好きだからだよ。女の子ってね、やっぱり好きな人にはとことんまで世話を焼きたい、っていう気持ちがあるんだから♪」
すると、明日実がふんす、とやや鼻息を荒げながら力説する。
「あらあら、先に言われてしまいましたね。私もそう。孝くんのことが好きだからこそ、孝くんの役に立ちたい、世話を焼きたいと思うの。孝くんへの想いの強さは、古川さんにも負けてないつもりよ」
椿もまた、孝への深い想いを改めて告白する。
「そっか、2人にこんなにも想われてるオレって幸せ者だよな。でも、いつまでもこのままでいるわけにもいかないし、どっちかに決めないとならないな。……よし、2人とも。オレは近いうちに結論を出すよ。今はまだどっちとも言えないけど、必ず数日中には結論を出す。ただ、今のうちにお願いしておきたいんだけど、もし選ばれなくても、選ばれたほうを恨むのだけは止めて欲しい。恨むなら、オレだけを恨んでくれ。いいかな?」
孝は2人の想いに感謝し、近日中に答えを出すことを約束した。
「わかった、孝くんが答えを出すのを待ってるよ。もし選んでもらえなくても、誰も恨まない。それは約束する」
「私もよ。選ばれなくたって、それで誰かを恨むのは筋違いってものだもの」
明日実、椿ともに笑顔で頷いてみせた。
「それじゃあ、私たちはそろそろ帰るわね。急にお邪魔しちゃってゴメンなさいね。今日は送ってもらわなくても大丈夫だから」
椿はそう言うと、明日実とともに部屋を出て行く。
「ああ、わかった。じゃあ、また明日、学校でな」
椿の「今日は送らなくて大丈夫」という発言に明日実がピクッと反応したり、その発言に対して孝がどうしようか迷う素振りを見せたが、結局孝は椿を信じてそのまま帰した。
「ねえ、古川さん。孝くん、もう少しで結論を出してくれるみたいだし、それまでは張り合うのをやめて休戦、ってことにしない?」
孝の部屋を出たところで、椿が明日実に休戦を持ちかけた。
「そうだね。孝くん、あまり女の子同士がケンカするのは見たくなさそうだから、変に張り合って争ってるとまとめて嫌われてどっちも選ばない、なんてことになりかねないものね。うん、休戦にしよう。朝やお昼、それと放課後は2人で孝くんと一緒にいればいいね。じゃあ、この際だから、わたしのことは明日実って呼んでよ」
明日実はそれを受け入れ、自身を名前で呼ぶよう求めた。
「わかったわ、明日実。それなら私のことも椿、って名前で呼んでね」
椿はそれに笑顔で頷き、明日実にも同じことを求める。
「もっちろん♪ 椿、早速相談があるんだけど……」
「え? まあ、いいわよ。その代わり、次は私の番だからね?」
「ありがとう!」
「それじゃ、私は帰るわ。また明日ね、明日実」
マンションの廊下を舞台に、2人の乙女の密約が交わされるのだった。小声で交わされた密約のため、2人以外は誰も聞いていない。
翌朝、孝は寝坊することなく朝7時に起床し、食パンを焼いてジャムを塗り、スクランブルエッグを作りつつ紅茶を淹れる。あまりのんびりしている時間があるわけではないのだが、傍目には優雅な朝食を摂り、制服に着替えていると、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい?」
制服のワイシャツに寝間着のジャージ、というアンバランスな格好で玄関を開けると、
「おはようっ、孝くん♪ 一緒に登校しようよ♪」
椿と明日実が並んで立っていた。
「ああ、わかったんだけど……椿は駅とは逆方向なのに、わざわざ来てくれたの? それに、昨日まであんなに張り合ってたのに、仲良しになってる。何かあったの?」
昨日までとは180°違う2人の姿に、戸惑いながら孝が訊ねる。
「だって、ケンカばかりしてたら嫌われちゃいそうだし、お互いに孝くんのことが好きなライバルだから仲良く出来なかっただけで、心の底から憎んでいるわけでもないもの。だから、孝くんがどちらかを選ぶまでは休戦にしよう、ってことになったの」
すると、椿が事情を説明してくれた。横で明日実も頷いている。
「なるほどね。まあ、見ての通りまだ着替え終わってないから、もう少しだけ待ってて」
孝は自身の格好を指差して2人に言い、ドアを閉めて部屋の中へ戻った。自室でジャージを脱ぎ、制服のズボンをハンガーから取ろうとしたところ、「はい」と手渡してくれる明日実。
「ありがとう……って、ちょっと待て! 何しれっと部屋に入って人の着替えを覗いてるんだ!?」
受け取ったところでハッと我に返った孝は、いつの間にか部屋に忍び込み、何食わぬ顔で着替えを覗いている明日実と椿に赤面しながら怒鳴る。
「きゃーっ♪」
「い、一応私は止めたのよ?」
怒られた明日実は楽しそうな悲鳴を上げて部屋を出て行き、椿は言い訳をしながらもまだ視線は下着姿の孝から目を離さないでいた。
「いや、止めても結局一緒に入ってきてる時点でアウト。それと、いつまでガン見してるの!?」
「ちぇっ」
ちゃっかり保身に走る椿もきっちり糾弾して部屋から放り出し、急いで着替える孝。朝からハプニングに見舞われる、疲れる1日の始まりだったが、午前7時35分、3人でマンションを出発した。
「はぁ……普通、こういう着替えのハプニングは男女が逆だろう。いや、2人の着替えを覗くつもりは無いけどな?」
余裕を持って出発したので、駅へ向かう途中の3人はそれなりに会話が弾んでいる。孝のボヤきに、明日実と椿が「着替えを見たいの?」と反応したので、即答で否定しておく。
「むぅ……そこまで即答で『見るつもりが無い』って言われるのも、なんだか傷つくなぁ」
「まるで私たちに女の子としての魅力が無いって言われてるみたいよね」
すると、示し合わせたように明日実と椿が孝を非難してくる。
「そうじゃない。付き合ってるわけでもない女の子の着替えとかをジロジロ見るような趣味は無い、っていうだけの話だ。一応、オレだって男だからな。人並みにそういうことに興味だってある……って、何を言わせるんだっ!?」
2人の非難の言葉と視線に耐えかね、孝は釈明の言葉を並べ立てるも、余計なことを口走ってしまい、逆に2人を非難するような視線を投げかけるが、これはどう見ても孝の自爆である。
結局、自爆したことを自覚し、ゆでだこのごとく赤面している孝と、ニヤニヤし続ける2人。恥ずかしさからやや早足になる孝を追いかけるようにして明日実と椿も駅へ入っていく。
7時55分、孝にとっては普段より1本早い電車に乗り、1駅4分で学校のある松林市駅に到着。駅前のコンビニで昼食のパンと飲み物を買おうとした孝の袖をそっと掴むようにして、明日実が引き止めた。
「どうした? 弁当を買うな、と?」
いつも元気満点な明日実らしくない、静かな引き止め方に孝が訊ねると、
「うん、今日は孝くんの分もお弁当を作ってきたから、一緒に食べようと思って……」
明日実は少し顔を赤らめながら、小さな声で話した。
「そうなの? わかった、じゃあ飲み物だけにしておくかな」
(昼休み、手作り弁当……嫌な予感がしなくもないけど、何もかも疑ってかかるのも良くないよな)
孝は明日実の申し出に頷き、パンを手に取るのを止め、ペットボトルのお茶と炭酸飲料の2本を買い、コンビニを出た。
「お? 孝じゃん。今日は早いんだな」
コンビニを出たところで、勇太とばったり会った。携帯の時計を見ると、8時15分。どうやら孝がいつも乗っていた時間の電車で勇太は来たようだ。ちなみに勇太のお昼は購買派だ。孝が拓也から取材の報酬としてもらえることになっているカツサンドがやはり好物で、日々数多くのライバルとの戦争に臨む、なかなかの猛者である。
「まあな。オレ1人ならたぶん勇太と同じ時間の電車で来ただろうけど、今日はこの通りだからな」
そう言って、左右に並ぶ明日実と椿を指し示す。
「そ、そうか……孝、背後には気をつけたほうがいいぞ。嫉妬に狂った野郎どもが闇討ちに走りかねない」
勇太は男子生徒の中では最も孝と仲が良い、もう親友と言って差し支えない間柄なため、昨日は悪ノリして孝を糾弾してみたが、このような状況を見せ付けられてしまうと、悪ノリしている場合ではなく、本格的に嫉妬に狂ったクラスメートたちから孝を守る必要があると考えたのだろう。孝たちの一行に加わることで、「孝だけが美少女に囲まれているわけではない」という風な認識を作ろうというわけだ。上手くいくかどうかはさておいて。
勇太が加わったことが功を奏したかはわからないが、登校中は何事も起こらずに済んだ。
退屈な午前中の授業が終わり、昼休みになった。すぐに明日実がやってくる。
「それじゃ、孝くん。屋上に行こうよ」
「わかった。椿はどうするんだ?」
暗に2人きりになりたい、という意思を示すために屋上に行こうと誘っているのに、孝はそれに気づかず、椿に声をかけた。
「今日は明日実に譲るって決めていたから、私に構わず2人で行ってきていいわよ」
椿はやんわりと断ると、クラスメートの女子数名と机を動かして突き合わせ、孝たちに背を向けた。
「今日は、ってどういうことだ……?」
椿の態度に言い知れぬ不安を感じながらも、孝は明日実とともに屋上への階段を上がっていった。
「ま、待て……少し落ち着こうか、明日実?」
屋上という、あまり人目につかない場所。そして2人きり。明日実が何を考えていたのか、ようやく理解した孝は落ち着きを失くして後ずさりし始めた。
「もう、ここまで来てそれは無いよ、孝くん?」
明日実は孝が後退する分、自身は歩を進めて、一定の距離を保ち続ける。
「なんでもっと早く気づけなかったんだ、オレは……。明日実、今からでも遅くは無い、それは止めるべきだ。それは恋人同士だからこそやることを許された特別なイベントであって、まだそうなっているわけじゃないオレたちには早すぎるんだ」
孝が必死に説得を試みるが、明日実は構わず一歩ずつ孝に迫ってくる。そう、明日実がやりたかった“アレ”とは、孝も言っている通り、恋人同士、それもいわゆるバカップル、と揶揄されるような者たちがよくやるであろうラブラブイベントの代表格、「女の子が好きな男の子に手作り弁当を食べさせてあげる」だった。
「ダメだよ、せっかく椿も説得したんだから。今日やらないと、椿に先を越されちゃうし、また説得しないとならなくなっちゃう。ふふ、もうこれ以上下がれないね?」
明日実の言葉に、孝は二重の意味で愕然とする。ひとつはもちろん、これ以上下がれず、逃げ場が無い、という点。そしてもうひとつは、椿もこの件に絡んでおり、明日実の口ぶりから考えると、明日は椿が同様の行動に出る可能性が高い、という点だ。もちろん、孝は明日実が嫌いだから拒否しているのではない。孝は現代の高校生、という割にはお堅い考え方をしており、交際しているわけでもない男女が恋人同士のように振る舞う、というのがどうにも気恥ずかしく、我慢ができないのだ。もうここまで追い詰められてしまったのならば、「据え膳食わぬは……」の域に達しているような気もするのだが、孝はそう囁く心の中の悪魔に必死の抵抗を試みた。
だが、どれだけ抵抗を試みたところで、逃げ場が無い状況ではどうしようもない。結局、嫌がる孝に半ば無理やり、明日実の手作り弁当を「あーん」させる作戦は実行に移された。
(また新たなネタ、ゲットだな。けど、あの弁当、美味そうだな。八坂がうらやましいぜ……)
だが、そんな2人の様子を、物陰に隠れてあんパンをかじりながら写真に収めている人物がいたことには、抵抗することに必死で周囲の様子を伺っている余裕など無い孝はともかく、孝に対して「あーん」させることに全神経を傾けている明日実も気づいていなかった。もちろん、そんなことをしているのは孝のクラスメートにして新聞部所属の拓也くらいしかいないのだが。
「美味シカッタヨ、ゴチソウサマ」
かくして、孝の分として作られた弁当は全て孝の胃袋に納まった。しかし、その全ては明日実が「あーん」させて食べさせたため、腹は満たされたにも関わらず孝の精神的な疲労は凄まじく、精神崩壊寸前にまで追い込まれた結果、明日実への礼もカタコト気味になってしまっていた。
食事だけで疲れ果ててしまった孝は午後の授業の開始から程なくして眠ってしまい、ほとんど聞いていなかった。5限の数学、6限の国語も担当教師は居眠りしている孝に気づいていたが、居眠りしているのは自己責任だ、とあえて注意することはしなかったのだ。
授業が全て終わり、担任の後藤がHRのためにやってきても目を覚まさなかったために、後藤の最後通告の後、その脳天目掛けて後藤の愛のムチと称したゲンコツが炸裂した。教室中に「ゴン」という音が響き渡るほどの威力に、さすがの孝も目を覚ました。
あまりの威力に、放った後藤自身も「やりすぎた」という風に軽く手をブラブラと振って拳に残る痛みを振り払い、受けた孝はHRの間中ずっと頭を抑えていた。
HRが終わると同時に明日実がやってきたので、椿も含めて3人で学校を出る。なお、明日実は陸上部に所属していたはずだが、最近部活に出ている様子が無いことを孝が訊ねてみたところ、
「退部しちゃった。中学の時は、陸上競技を楽しんでいたはずなんだけど、高校に入ってから記録を巡って部内の雰囲気があまり良くなくてさ。わたしも心の底から楽しめなくなっちゃったから、きっぱり辞めちゃったんだ」
と、あっさりした口調で話してくれた。
「そうだったんだ。まあ、オレはもともと部活に入っていないから、それが明日実にとってよく考えた末の結論ならば、それに関してオレが何かを言う権利は無いし、言うつもりも無いよ」
そんな風に他愛も無い話をしながら、信号待ちをして、信号が青に変わったのを確認して横断しようとしたところ、1台の車が猛スピードで突っ込んできた。
「ッ!!」
孝はとっさに一歩だけ前に出てから振り返り、両腕を広げて横を歩いていた椿と明日実にタックルするようにして歩道に押し戻した。孝自身も、それによって車を回避することが出来たかに思えたが、そこで暴走車のドライバーがハンドルを切ってしまったために、車がまっすぐ孝のほうに突っ込んできてしまった――
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次回:1-09 孝の入院、そして再襲来。 7/9 06:00 更新予定!