家庭訪問
ここは、東京の街。
ここでは、朝、昼、夜・・・みんなの知らないところで泥棒が、ありとあらゆるものを盗んでいた。今まで警察やハンターが捕獲を試みたが、どれも失敗。泥棒の顔を見た人は、だれもいない。そんな泥棒が、この東京に住みついていた。
学校のチャイムが鳴った。
ついに学校が終わってしまった。学校が早く終わってほしい。それが普通の人の反応だ。だが、今日の僕はちがった。 なぜか・・・。それは、今日は家庭訪問なのだ。普通の人も家庭訪問は、嫌がる人が多いかもしれない。だが、僕はそんな人たちよりもダントツで、ズバ抜けて家庭訪問が嫌だった。
と、いうのもお父さんのせいだった。僕のお父さんは、東京中を騒がせている大物の泥棒なのだ。 だから、東京中から盗んだ品物がうちにある。中には、飾ってあるものまであるのだ。僕は、そういったものを、かたずけさせられる。それが嫌だった。それよりなにより先生が来てからの、盗んだ品物はすべてかたずけてあるか、見つかりはしないか、などのドキドキ感、あれがとてつもなく嫌だった。朝からの憂鬱の原因がそれだ。
そんなことを考えているうちに家に着いた。先生はまだ来ていないようだ。急いでかたずけなければならない。嫌ではあったが、やらなくてはならないので、家のドアを開けかたずけに取りかかることにした。
時計、絵、宝石など、地下室に詰め込む・・・そんなことを10分くらいしているうちに、盗んだものはすべてかたずいた。休憩を取ろうと、キッチンに向かった矢先に、
「ピンポーン」
呼び鈴がなってしまった。
あのドキドキが、1年ぶりに戻って来た。