表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合色革命  作者: 水月さなぎ
百合色革命 第一部
35/92

ボーイ・ミーツ・ガール開幕! 01

 葛籠祭が午後に差し掛かる頃、


「れでぃーっす・あぁ~んっど・じぇ~んとぉるめぇ~ん!」


 塔宮学園の公園エリアで、無駄にテンションの高い司会者の声が響き渡る。


「お待たせしました! 塔宮学園東西名物・ボーイ・ミーツ・ガールのお時間でごっざいま~っす! 性別反転倒錯妄想プレイなんでもござれ! 女子の妄想によって選ばれた三十人の勇者達! 彼女たち……いや! 彼らは今宵限りの王子様!」



うおおおおおおおおお――――!!!!



 湧き上がる会場。女子とは思えない声を出す観客も多数いる。そして外来客に混じる男子も一緒に盛りあがっている。


 その中には勿論、佳崇の姿もあった。



「選ばれしたった一人の王子様を決めるのはあなただ! ということで登場していただきましょう!」


 たららららららら…………、と小刻みなドラムの音が聞こえてくる。無駄な演出ばかり凝っている気がするな。


「まずは三年A組から去年の王子! 王子二連覇なるか!? 告白された女子は数知れず! その甘いマスクとハスキーボイスで多くの生徒を虜にしてきた槇寺建設のご令嬢! あまりのモテっぷりに彼氏が出来るのかが心配になってくるぞ的な槇寺楓さん!」


 ずだだだん!


 ドラムの音がテンポを代えるのに合わせて、去年の王子? 槇寺楓先輩が登場した。


 凜とした顔立ちに、すらりとした身長。身体全体は引き締まっていて、中世的な色合いを濃く残している。たしかにこれは美少年だった。ちなみにコスチュームは執事姿。


 会場は勿論盛り上がり最高潮。


「きゃあああああっっっ! 楓様―!」


「愛してますー!」


「抱いてー!!」


 ……最後のセリフはまあどうでもいいとして、槇寺先輩がかなりモテモテなのは理解した。しかも同性に。


 でもまあ、あれは男装姿の先輩にときめいているのであって、決して女性としての先輩にああなっている訳ではないのだろう、と信じたい。


 でなければこの学校の百合率はすごいことになってしまうぞ?



 三年生の参加者紹介を終え、次は二年生の番になった。


「次は二年生の紹介です! まずは二年A組! 我らが生徒会長、星稜院咲来さん! いつもはこれでもかというくらいお嬢様然としているのに、男装がここまで似合うとは嬉しい誤算! というか生徒会の仕事は大丈夫か!?」


「問題ありませんわ。わたくしを推薦したのは副会長ですからね。責任を持って仕事を押しつけてきました」


 登場した星稜院咲来はさらりと問題発言をしつつ、優雅に一礼した。コスチュームはスタンダードにダークスーツ。長い髪を後ろでまとめている。あのお嬢様の男装がここまで嵌るのはちょっと意外だった。


 ……っていうか、あいつ生徒会長だったのかよ。全然知らなかった。


「次は二年B組のダークホース! 学園一の問題児、万年発情期百合娘・塔宮邑璃さんの恋人!塔宮棗生さん!」


「……なんて紹介をしてるんですか!」


 つーか恋人じゃねえ!


「またまた~。邑璃さん自身が広めているお陰で既に公認の事実ですよ~」


「ぐ……!」


 キレる俺のことなどお構いなしに、司会者は悪ノリテンション最高潮だ。


「しかし普段あれだけの美少女が男装でここまで化けるというのはギャップ萌えでたまりませんね~」


「………………」


「しかもコスチュームは学ランですか? さすが乙女のツボを心得ている!」


「………………」


 いやいやいやいや。コスチューム選んだのは俺じゃねえし!


 エントリーさせられた時点で晒し者になることは分かっていたつもりだが、何故にここまで目立ってるんだ俺は!?


 しかも会場も盛り上がってるし。


 そして佳崇は大笑いしてるし(怒)。


 あいつ後でコロス。



 ようやく俺の紹介が終わって一歩下がると、隣にいた咲来が俺に笑いかけてきた。しかも微妙に悪意混じりで。


「有名人ですわね、棗生さん」


「…………」


「そうやっていると、本当に男の方みたいですわ。むしろ普段の方が女装してるのではないかと思うくらいに」


「……何が言いたいわけ?」


「いえいえ。ただわたくしは塔宮家に新しく迎えられた養子について少々調べさせてもらっただけですわ」


「………………」


「ふふふ。お陰で面白いことが分かりました。出来れば後ほどじっくりと話したいものですね。伽室城・・・棗生さん」


「………………」


 ……ああ。やばいなあ。


 これは絶対に正体を知られている反応だ。


 うーむ。どうするかなぁ。


 意外なほどに焦っていない自分に少しびっくりだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ