表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合色革命  作者: 水月さなぎ
百合色革命 第一部
21/92

お友達から始めましょう的な? 01

 ピンチのまま邑璃と向き合っている俺。



「………………」


「………………」



 いや、あのさ?


 こういう場合って、ほら、悲鳴を上げるとか、慌てて戸を閉めるとか、色々展開のパターンがあると思うんだけどさ。


 何で俺の方ガン見してんのこの女?


 具体的に言うと何で俺の息子をガン見してんのこの百合女!?


 まあ、俺も俺で邑璃の裸とかガン見しちゃってはいるけどさ?


 いやいや。見るだろ? この状況なら普通? なあ?



「……あのさぁ、とにかく戸を閉めて部屋に戻って欲しいんだけど」


「………………」


「それとも俺の方が入れ替わりで出ていった方がいいわけ?」


「………………」

 

 邑璃も裸だし。これから風呂に入る予定だったのなら、俺が出ていけばいい。そう思ったのだが、


「いやあ。せっかくの機会だから観察できるだけ観察しておこうと思って」


「………………」


 この状況で他に言うべき事はないのかコイツは!


「特に下半身あたりを♪」


「出ていけ!」


 俺は浴室の入り口脇にかけていたタオルを乱暴に邑璃へと投げつけて、そのまま戸を閉めた。


「ぶはっ!」

 

 顔面にタオルが命中した邑璃はくぐもった声を上げていた。



 ……つーか。バレたし!

 

 この上なく決定的な証拠付きで(息子のガン見)でバレたし!……


 しかも裸を見たのはお互い様のはずなのに俺の方だけかなり損したような気分になってるし!


 何だコレ? 何だこの状況!?


 つーかどうするよこの後!?



「……はあ。覚悟決めるしかないよな」


 とにかくバレてしまったものは仕方がない。


 幸い、邑璃の方はあまり動揺もしていないみたいだし、こうなったら事情を説明するしかないだろう。


 邑璃が部屋の方に戻っていることを確認してから浴室を出る。

 


「む……」


 女装用のウィッグと眼鏡を装着していこうかとも思ったが、事情を説明する上では邪魔になりそうなので止めておいた。


 こうなったら正真正銘男として、邑璃と向き合うしかない。


 服装も女装用ではなくジーンズとTシャツのみ。


「さて! 行くか!」


 意を決して洗面所から部屋の方に移動すると、



「あ、なっちゃん遅かったね」


「って! なんで服を着てないんだお前は!!」



 タオル一枚巻いただけのあられもない姿の邑璃が、よりにもよって俺のベッドに座っていやがった!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ