第一回亜細亜平和会議参加国合同演習大会〜日中艦隊編〜
久しぶりに艦魂が登場します。
１９３５年９月９日、南洋諸島において『亜細亜平和会議参加国合同演習大会』が行なわれた。
日本は勿論、中国・朝鮮・台湾・満州・エルサレム・タイの各国海軍が、新造艦を本国から回航させ、今や１００隻を超える大艦隊が、南洋諸島に集結している。
特に目を引くのは、朝日をモチーフにした海軍旗を掲揚している、日本海軍所属の新型艦、航空戦艦『伊勢』型と、中型空母『雲龍』型の２隻である。
航空戦艦『伊勢』型は、改扶桑型と言っても過言ではない艦である。艦載機を倍以上に増加させ、速度を２９ノット出せる快速艦となっている。
中型空母『雲龍』型は、本格的な量産型空母であり、工期は９ヶ月〜１年程で完成する。鈴木商店が確立した『ブロック工法』は、巡洋艦や駆逐艦だけでなく、大型艦の建造にも役立っている。
その後方から、凄まじい速さで洋上を疾走する４隻の艦影が見える。『金剛』型高速戦艦である。
最高速度３５，２ノットの高速を発揮し、３５，６㎝５０口径連装砲４機を搭載する日本海軍主力艦の一角を成している。
その後方で新型艦上戦闘機――九五式戦闘機――の発進準備を進めているのは、正規空母『赤城』型の赤城と天城の２隻である。
???「なぁなぁ、姉さんや。」
???「婆臭いな。お前そんなに歳取って無いだろうが？」
???「・・・実はのぅ。今朝起きたらこんな口癖になってしもうとったんじゃ。」
???「嘘付け、さっき普通に喋っていただろう、羽黒や青葉と。」
???「・・・・・・チッ」
???「そんな事で舌打ちするなよ、天城」
姉をからかう事を日課にしている茶髪のショートカットの少女こそ、空母天城の艦魂天城である。
天城「だって、最近反応薄いんだもん。赤城姉さん。」
毎日の妹の悪戯に、最早頭痛すらしなくなっている、黒髪のツインテールの少女こそ、空母赤城の艦魂・・・説明は同上。
赤城「薄いとはなんだ、薄いとは。そんな事言っていると、榛名の部屋に放り込むぞ？」
天城「お姉さま誠に申し訳ありませんでした。今後は二度とこのような不祥事が起きないように・・・」
赤城「（やり過ぎたか・・・）もう分かったからいい。と言うか止めてくれ。」
天城「ふぅ〜、疲れた。」
赤城「・・・・・」
ここまで天城が怯える理由、それは金剛型戦艦３番艦榛名の艦魂にあった。大の可愛い物好きで、可愛いと判断すると勝手に部屋に連れて行く癖がある。天城は一度、連れ去られて危うく大切な物を失う所であった。
天城「しかし、すごい数だね。」
赤城「ああ、ざっと１００隻はいるな。」
天城「中国の新型空母も来てるみたい。」
赤城「会ってみたいな・・・」
今日本艦隊が居る場所を南とすると、その反対の北に中国艦隊は集結していた。その真ん中に、中国が建造した新型空母が鎮座していた。
正規空母『鎮遠』型である。日清戦争で日本海軍と闘い敗北した戦艦の名を冠した空母は、中国海軍の士気高陽には十分である。
???「ねぇ、定遠」
定遠「何ですか？鎮遠姉さん。」
鎮遠「暇。」
定遠「はぁ・・・」
姉の自覚が無いような有るような声を出すのは、正規空母『鎮遠』型１番艦鎮遠の以下略。
そんな姉を見て少し困っているのが、２番艦定遠の・・・同上。
定遠「では、しりとり等は如何でしょうか？」
鎮遠「いいね！やろうやろう！」
こうして、平和な時間は過ぎてゆく。全員心の中に不安を抱えて・・・
赤城
身長 １６３㎝
体重 軍機
階級 中将
所属 機動艦隊旗艦
正規空母赤城の艦魂、古き良き武士の風貌であるがゆえ、新入の艦魂には怖がられやすい。妹の天城の悪戯に手を焼いている。
天城
身長 １６０㎝
体重 軍機
階級 中将
所属 機動艦隊
空母天城の艦魂、悪戯好きで上手くいくと調子に乗るタイプ、姉をからかうのが日課だが、最近榛名の名が出るだけで拒否反応を出す。
鎮遠
身長 １６６㎝
体重 軍機
階級 少将
所属 主力艦隊旗艦
正規空母鎮遠の艦魂、仕事をする事は苦手でいつも妹の定遠が作る料理を食べるのが楽しみ。ついでに、結構な大食い。
定遠
身長 １６４㎝
体重 軍機
階級 少将
所属 主力艦隊
正規空母定遠の艦魂、赤城とどことなく似ている。姉の為に料理を作っているが、毎日凄い量なのでちょっと大変。しかし、姉の為と言って休む事もなく働いている。
