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第三十六話 空母の意味合い

 閑話休題的な内容です。

 1945年12月12日午後8時、日米両艦隊は相対速度35ktで互いに近付いていた。

 双方の予定では、明日の午前7時頃には艦隊間の距離は200海里(約370㎞)になる。そうすれば、相手に対して航空機による攻撃が行える。

 艦隊同士の戦いでは、まず航空機による前哨戦があってから、戦艦・水雷戦隊による『艦隊決戦』があり、航空機並びに空母はあくまで補助艦艇の域を出ていなかった。

 この考えは各国若干の違いはあったが、大差は無かった。

 英国は、大半の空母を装甲化させて耗失率を低下させた。その代わり、艦載機数は船体の割にかなり少なくなっている。

 アメリカは、先程述べた通りの運用方法を採っていたが、それとは別に『特設空母』と言う小型空母による船団護衛を行ったり、側面から援護等の作戦を展開している。

 ユニークなのは、ソヴィエト連邦の建造したエカテリーナ級空母だ。

 海軍音痴のスターリンが珍しく自らの命令で建造した空母だがこのエカテリーナ級空母、実際に『空母』と呼べるか疑問が残る。

 エカテリーナ級空母は1941年4月、ソヴィエト海軍増強計画を元に極東艦隊に配属された。

 艦名の『エカテリーナ』は、ロマノフ王朝のエカテリーナ女帝からきている。

 艦名の付け方もさながら、外見にも特色を放っている。

 世界初のアングルド・デッキ採用空母であるエカテリーナ級空母、しかし飛行甲板はアングルド・デッキのみで、艦首には20.3㎝主砲連装2基が搭載されていた。

 これが、同級が空母とは言えない理由である。

 正式には『エカテリーナ級航空巡洋艦』と呼ぶのが相応しいが、ソヴィエト海軍はあくまで『空母』として保有している。

 日本海軍の空母運用方法は言わずとも分かるように、空母を主幹とした艦隊編成を行っており、艦載機についても最低2年以内には新型機を開発する事になっている。

 しかし問題もあった。

 特に、射出機構の開発は困難を極めた。それまで日本海軍は、カタパルトに火薬を用いていたが、空母に火薬式カタパルトは危険すぎたため、油圧式カタパルトの開発を急いだ。

 悪戦苦闘の末、ようやく『射出機1号1型』が完成したのは1940年2月の事だった。

 ドイツ・イタリア両国は未だに空母は保有していないが建造を急がせており、来年中盤には竣工予定になっている。

 世界で空母を保有しているのは計十ヶ国に及ぶ。その内、亜細亜連合が七ヶ国と過半数に達している。

 今後世界は本当に『航空機主兵装』へと向かうのだろうか?その答えは、後半日あまりで判明するだろう。

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