第十三話 紅い悪魔:1
どうも皆さん、お久し振りです。風邪と中間テストが同時に来てしまい、更新出来ませんでした。
本日から再開致します。宜しくお願いします。
1941年12月7日午前8時14分、大日本帝國陸軍特設輸送艦『魔王』率いる輸送艦隊は、橋頭堡を築き上げる事に成功した。
しかし、艦内では新たな騒動が始まろうとしていた。
魔王 艦橋
観測員「ソーナー室より『感あり、距離右舷30』!」
艦長「了解!右舷15㎝単装砲、砲撃用意!」
谷口「気を抜くな、相手は潜水艦だ!油断すると魚雷を食らうぞ!」
この人は、陸軍ハワイ全任指揮官である谷口 光昭陸軍大将だ。
谷口(潜水艦か・・・今までだったら、輸送艦は格好の獲物だが、この魔王に会ったのは運の尽きだな。)
そう心の中で呟き、艦橋の天井を見上げた。
魔王 電探所
多くの乗組員は、その日魔王の周りは雲が掛かっていたと言う。
予報は晴れだったが、見事な曇りとなった。
「・・・血を。」
犬歯よりも鋭い2本の歯を見せ、不気味に少女は『嗤う』。
「血を・・・もっと血を寄越せ。」
口を開けたその顔は、一度見たら忘れる事は不可能だった。
狂気に満ちた紅い目、その目と同じ様に紅い髪、背中には蝙の様な翼、その姿は正しく・・・
「・・・血を寄越せ!!」
西洋の妖怪『吸血鬼』だった。
この少女こそ、大日本帝國陸軍特設輸送艦『魔王』の艦魂、魔王である。
魔王「・・・今宵は紅い月が昇る。・・・我に相応しい夜と成ろうぞ。我に、捧げよ。その身に流れる血を、我に寄越せ。フハハハハハハハハハ!」
そう言うと、長く伸びた右手の爪をするりと横に滑らす。
魔王「貴様の血で宴が始まる。終わる事の無い宴が・・・。」
同時に右舷の単装砲3門が火を噴いた。
魔王「精々我を、愉しませてくれよ?」
始まる、狂気の宴が・・・
次回も続きます。