表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/60

第四話 第一独立機動艦隊 〜三度名の変わった戦姫〜

 更新開始します。

    12月1日

 北太平洋において、20ktの速度でハワイを目指している真・八八艦隊に、横須賀を出港していた今作戦の中核『第一独立機動艦隊』との合流を目指していた。



   大和 第一艦橋

電探員「電探に反応、味方識別器にも反応あり。第一独立機動艦隊と認識しました!」

小沢「いよいよ来たか。さあ、主役の登場だぞ!」

望月(第一独立機動艦隊・・・司令長官は南雲忠一大将、旗艦はあの『扶桑』か。)

 扶桑、近代軍艦史の中でも特に珍しい軍艦である。

 扶桑は世界で始めて建造された『航空戦艦』であった。

 1939年5月に、爆撃機を搭載し陽動作戦を実行する『戦略戦艦』に改名された。

 そして1941年3月、第二次改装を経て三度目の名前が与えられた。

  『強襲揚陸戦艦』

 山本総理は対米戦を戦い抜くには陸軍との共同作戦も必要と考え、陸軍揚陸隊を乗せた大発を40隻収納できる強襲揚陸戦艦に生まれ変わったのである。


望月(世界初の強襲揚陸戦艦・・・複雑な気分の筈だ。)

 三度も名を替えられ、さらには仲の悪い(世界的には)陸軍部隊を送り届ける、危険な仕事に違いない。制空権が無ければ、航空機の恰好の的に成りかねない。

 それから彼女らを守るのが、自分達の仕事だ。必ず守ってみせる、そう思いながら近づいてくる艦隊を眺める、若き戦略参謀長がいた。





 第一独立機動艦隊の南雲大将が大和に乗艦した頃には、既に霧が晴れ初めていた。

 しかし、気象予報員が言うにはしばらくするとまた霧が出始めるらしい。当日の天気が心配されている。

小沢「しかし、俺もお前もまさか大将に成るとはな、驚いたよ。」

南雲「それなら俺の方が驚いたよ。水雷畑の人間が、機動艦隊の司令長官に成ったんだからな。」

 元々、南雲は水雷科を卒業し駆逐艦や巡洋艦等の指揮をした事はあったが、本人曰く機動部隊は寝耳に水だった。

小沢「まぁ、仕方がない。米内大臣から直接の任命とあっては、お前と言えども断れまい。」

南雲「やはり、俺を推薦したのはお前だったのか。」

小沢「はっはっはっ。まぁ、そう言うな。お前以外適任は居ないと、米内大臣と山本閣下も言っておられたのだから。」

 小沢の言う『米内大臣』とは、海軍大臣の米内光政大将の事を言っている。山本内閣発足時に、山本が直々に頼み込んだと言われている。


南雲「そうだとしても、強襲揚陸戦艦とはまた突拍子の無い物を作ったものだ・・・」

 とその時

???「長官、それでは私が変わり者の様に聞こえますが?」

南雲「なに、俺も十分変わり者だ。変わり者には、変わり者が合うんだよ、扶桑。」

 黒いロングの髪、朱色の簪を付けた少女がいた。

扶桑「ふふふ、そうですわね。私も長官も、随分変わっていますもの。」

小沢「久し振りだな、扶桑。」

南雲「お久し振りです、小沢閣下。」

小沢「その呼び方は止めてくれ。どうもくすぐったい。」

扶桑「申し訳ありませんわ。しかし、私は少将ですからこう呼ばなければいけないのです。」

小沢「年功序列じゃなくて、直接任命された俺には、大将は荷が重すぎるよ。」南雲「まぁ、俺も同意見だな。しかし扶桑、お前随分機嫌がいいじゃないか?」

扶桑「ええ、実は先程・・・」

 この話は別の所で語れるだろう。

 刻一刻と迫ってきた『大熊作戦』の成功は、この第一独立機動艦隊の存在無くして実現しないだろう。

 一路ハワイを目指す2艦隊、作戦開始はすぐそこに迫っていた。

 次回は内地に目を向けてみます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ