第一話『真・八八艦隊』
前に投稿していた小説がかなり無茶な小説だったので、根本から変えました。何とぞよろしくお願いします。
1941年 11月25日
午後10時37分
千島列島 単冠湾
ここ連合艦隊泊地には、大艦隊が停泊している。
空母を主体とし、正規空母『赤城』型4隻、中型空母『雲龍』型4隻、護衛空母『大鷹』型8隻、戦艦『長門』型2隻、『金剛』2隻(金剛が2隻なのは後程)と、主力だけで此れ程停泊している。
そんな中、南側から4隻の大型艦が十数隻の駆逐艦と共に入港してきた。
その4隻には、大型の三連装砲三基が搭載されており、一見すれば戦艦であるが、両脇には機銃すら配置されていない甲板があった。代わりに、空母のように突き出して機銃や高角砲が設置されていた。
これが、日本海軍連合艦隊が建造した最新艦、『大和』型航空戦艦である。
全長312.5メートル、全幅61.7メートル、世界最大の46サンチ砲を搭載、速度35ノット、総排水量8万5千トン、搭載機数84機、世界最大の航空戦艦である。
大和CIC
小沢「航海長、もうすぐ入港するかね?」
航海長「はい、小沢長官。後10分程度です。」
小沢「うむ、ありがとう。」
小沢長官と呼ばれたこの男性、現連合艦隊司令長官小沢治三郎中将その人である。
1937年7月に山本五十六前連合艦隊司令長官が総理大臣に任命されたため、連合艦隊司令長官に就任したのである。
小沢「出港は明日の午前4時だ。入港したらすぐ搬入をお願いするぞ、野田艦長。」
野田「は!了解いたしました。」
野田と呼ばれたのは、航空戦艦大和艦長、野田馨大佐である。
日本海軍初の女性艦長として着任した彼女は、父親が航空戦艦『扶桑』の乗組員だった事もあり、幼い頃から船乗りを目指していた。二十代前半の彼女にとって、この戦争は初めてであるが、とてもそうは見えない指揮を行っている。
小沢「うむ、何時もながら、いい返事だ。」
野田「ありがとうございます!」
そう言うと野田艦長は、CICの端にある大型機の前に行った。
海技廠(海軍技術工廠)が開発した、特殊電算機『雷光』である。暗号の制作、暗号解読防止、そして敵暗号の解読ができる優れものである。
そんな野田艦長を見て小沢長官は、将来は連合艦隊司令長官だな、と細く笑んでた。
千島列島、単冠湾に停泊する大艦隊、日本連合艦隊主力『真・八八艦隊』の全容であった。
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