連鎖理法
全8話+エピローグ完結済みです。毎日19時頃に更新予定です。
あらすじや各話のタイトルや文章の精査にAIの力を借りています。
昭和十七年 初夏
蓮華島の周辺海域は、一見すると南国の平穏を保っていた。
だが、その上空では、三機の『迦楼羅』による熾烈な狩りが行われていた。
「佐藤、深追いするな! 誘い込め!」
真壁の一号機が黄金の飛沫を上げ、海面を滑走する。1ヶ月の練成を経て、佐藤の駆る量産型三号機も、実戦に耐えうる動きを見せていた。
「了解です、真壁先輩! 」
「今だ!階堂さん!」
「フン、言われるまでもない。露払いは済んだな」
上空から、薄紅色の光を引いて階堂の二号機が舞い降りる。独鈷杵の一撃が、敵偵察隊の最後の一機を粉砕した。
「三機での連携、ようやく形になってきたな」
真壁が通信機越しに呟いた
蓮華ドックに帰還した三人を待っていたのは、源さん班長の、これまで見たこともないような青ざめた顔だった。
「……負けた。ミッドウェーで、我が連合艦隊は壊滅した」
その一報は、蓮華島を凍りつかせた。
赤城、加賀、蒼龍、飛龍。誇り高き第一航空戦隊の主力空母が、一夜にして海の底へ沈んだという。
「…そんな、嘘だろ? 一航戦の精鋭たちが、あんな紙切れみたいな米軍機に…」
佐藤が声を震わせる。
階堂は拳を血が滲むほど握りしめ、吐き捨てるように言った。
「魔導を使わぬ米国人が、数の力押しだけで我が精鋭を圧殺したというのか?いや違う、奴ら(英国魔導騎士)もそこに居たはずだ」
山本の密命を受けた潜水艦がもたらした情報は、より残酷だった。
米国人の魔術適性は低い。だが彼らは、その欠点を補って余りある「物量」を、英国の「魔導」と連携させたのだ、数は少ないが一騎当千の魔導兵器で攪乱し、米国の圧倒的な物量がそれを殲滅する。その連携の前に、日本の艦隊はなす術もなかったのだ。
「真壁上飛曹、階堂中尉、そして佐藤一飛曹」
ドックの奥から、妙蓮が静かに歩み寄った。彼女の瞳には、悲しみを超えた決意の光が宿っていた。
「もはや、この島での悠長な修行は許されません。山本長官より、特命が下りました。……我ら特務部隊『蓮華』は、これより残存艦隊と合流。米英連合艦隊に対しての直接殴り込みを敢行します」
ドックの入り口に、巨大な影が浮上した。
それは、従来の潜水艦の常識を超えた超大型潜水空母――『伊四〇三』
迦楼羅を三機格納し、さらに機体始動用の巨大マニ車を艦内に増設した、まさに「動く寺院」であった。
「源さん、準備は?」
「おう。徹夜で積み込みを終わらせたぜ。……真壁、一号機の梵字は妙蓮さんが夜なべで書き直してくれた。これまでとはわけが違うぞ」
出撃の直前。
真壁は、伊四〇三の甲板に立つ妙蓮の元へ歩み寄った。
潮風が彼女の袈裟を揺らす。
「…妙蓮さん。俺たちは、死にに行くわけじゃない。赤城や加賀の、あいつらの無念を晴らしに行くんだ」
「分かっています。…真壁さん。あの日、あなたの手のひらに書いた守護の文字、まだ消えてはいませんか?」
真壁は無言で、厚くなった手のひらを見せた。そこには、半年間、汗と脂にまみれながらも、消えることなく刻まれた小さな梵字があった。
「……よし、行くぞ! 」
巨大な潜水艦が、南方の碧い海へと沈んでいく、目指すは、ミッドウェー
そこには、無数の米艦隊と、空を覆う魔導騎士の群れが待ち構えている。
「さらば、ラバウル。……いや、さらば蓮華島」
真壁は、潜望鏡の向こうに消えていく孤島に、静かに別れを告げた。
次に彼らが水面へ上がる時、それは黄金の理が、巨大な鉄の要塞に真っ向から挑む、反撃の火蓋となる。
伊四〇三の艦内には巨大なマニ車の回転音が、怨嗟と希望を孕んで響き渡っていた。
後書きと言う名の言い訳
なにせ投稿素人な物で、行間、特にセリフと混じった時の行間の開け加減が今だに掴めません。




