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第二章 ロボット

 扉を開けてすぐ横の壁際には、いつもの通り盆が置いてあった。艶々の黒い盆に散りばめられた桜の貝殻が、廊下の照明を浴びてキラキラと輝きを放っている。俺はこのいかにも仰々しい盆が大嫌いだ。見るだけでどうにも舌打ちが出そうになる。


 それなのに、俺は今日もそそくさと盆を引き寄せ、部屋の中に招き入れている。生きるためには仕方のないことだった。


 盆の上にはいくつかの椀が並んでいる。白米の入った茶碗に、味噌汁の椀、ナスの浅漬けの小鉢に、メインの皿には千切りキャベツと生姜焼きが載っていた。


 ぐうぐうと鳴る腹の虫に耐えきれず、箸に手を伸ばして白米を摘む。四時間ほど前なら美味しく食べられていたはずの白米は、すでにカチカチに固まっていた。


 口に運ばずともわかる、白米の冷たさ。持ち上げた箸を見つめてため息を吐くと、薄く開いた窓から風が吹き込んでレースのカーテンが揺れた。


 「これは、これは。実に食欲のそそられるお食事ですね」


 どこからか小さな声が聞こえてきて、俺は椅子から飛び上がる。


 「だ、誰だ? 俺の部屋に誰かいるのか?」


 照明も灯していない部屋の中、明かりは付けっぱなしにしていたPCの画面だけ。暗がりに視線を走らせる。カーテン以外に動いているものは何も見えなかった。


 白米を摘んだまま持ち上げた箸を下ろすこともできずに、部屋の中でじっと息を殺す。眼球だけを左右に忙しなく動かしていた。


 「いやですね、どこを見ておられるのです?

 わたしはこちらですよ、お兄さん」


 また声がして、俺は急いで部屋の中を見回した。


 ベッドの上、誰もいない。本棚の隙間、空っぽだ。まさか、すぐ目の前の机の下? 膝をついて覗くけれど、そこにも誰もいなかった。


 「ですから、こちらですって。わたしはあなたの目の前です。

 早くしないと食べてしまいますよ。ほら、その美味しそうなご飯。いただいてもよろしいですか?」


 訳も分からず、混乱したまま生姜焼きの載った盆を見た。そこにはまだ、手付かずのままの俺の夕食が並んでいる。白米を摘んだ箸を動かそうとして目の前に持ってくると、箸の上にマスコットみたいな人形が乗っていることに気がついた。


 「やっと目が合いましたね」


 暗がりの中で声がして、俺は急いで部屋の照明を灯す。


 あまりの眩しさに目が眩んだ。ゆっくりと目をこじ開け、右手に握ったままの箸を見る。


 「なんだ、これ?」


 箸の上には小人のようなものが乗っかっていた。


 「こんばんは、お兄さん。こんな夜更けにお食事ですか?」


 小人は箸を掴んで鉄棒のようにぐるりと一回転すると、そのままの勢いで盆の上に飛び移った。生姜焼きの皿の真横に綺麗に降り立ち、小人は両腕をまっすぐに伸ばして体操選手のようにポーズを決めた。


 「なんだ、お前……?」


 盆の上に乗った小人は背丈が椀の半分ほどもない。それほど小さな人間が動き喋る様子は、まさに夢か、幻のようだ。


 「これは、失礼。自己紹介がまだでしたね」


 小人は鉛筆のように細い脚を交差させ、いかにも紳士らしく頭を下げた。


 「わたしは空の色を作る妖精です。人々が見上げたくなる空の色を作って塗るべく、この世界を旅して回っているところなのです」


 不思議な存在の不思議な自己紹介は、ツッコミどころが満載すぎてよく分からなかった。はい、そうですか、と納得することはできなかったけれど、一旦胸の中に無理やりねじ込んで仕舞い込むことにする。


 「いつから、この部屋にいた……?」


 「つい、先ほどからです」


 妖精は下げた頭を元に戻し、俺とまっすぐに目を合わせた。


 「実は何日も前から月下美人の蕾の中で眠っていたのですが、今夜の満月に魅せられたのかその蕾が花開きまして。月明かりの眩しさにそのまま眠っていることもできず、フラフラと彷徨っていたところなのです。


 そんな時にこの部屋から良い香りが漂ってきたものですから、そこの開いた窓から入らせてもらいました」


 「良い香りって……、これのことを言っているのか?」


 俺は目の前の盆に視線を移す。鼻から思い切りよく空気を吸い込んでみるが、もう湯気も立ち上らない味噌汁や生姜焼きからは何の匂いもしなかった。


 「ええ、もちろんですとも。本当に美味しそうなお食事です」


 妖精は生姜焼きにその小さな顔を近づける。目を閉じて恍惚とした表情を作った。


 「くれてやっても良いけど、俺も腹が減ってるから少しだけにしてくれよ」


 そう言ってから、こんな小さな体では米粒の一つくらいしか食べられないのかもしれないと思い至った。意地悪なこと、わざわざ言う必要などなかったかもしれない。


 しかし妖精は少しも気に止めた様子はなく、パッチリと目を開いて顔を綻ばせた。


 「よろしいのですか、お兄さん?」


 その嬉しそうな顔に俺は胸を撫で下ろし、狭すぎた心を無理やり広げる。


 「ああ、好きなだけ食べればいい」


 すると、妖精は盆の外に飛び出して全体を眺めてから言った。


 「私が食べるとなれば、こちらのお食事を全ていただいてもまだ足りないくらいなのですけれど……」


 「え?!」


 驚いた声が大きすぎたのか、妖精は俺の顔を見てニヤリと笑う。


 「ですが、今回はわたしの食事のためにいただきたいわけではないのです。

 そちらの、今お箸でとりわけている分だけをいただくことにいたしましょう」


 そう言って、妖精はどこからか小瓶を取り出す。コルクの蓋を引き抜き俺に空っぽの小瓶を差し向けた。


 「この中に、その白米を入れていただけますか?」


 「え? でも……、こんなカピカピの乾いた米粒なんかで良いのかよ?」


 俺が箸を上げ下げしながら迷っていると、妖精はまた箸の上に飛び乗ってくる。


 「鮮度は落ちてしまっていますが、まだ問題はないでしょう。大丈夫です。

 ちょっと、失礼。いただきます」


 そして箸の先端から白米の塊を抜き取り、そのまま小瓶の中に仕舞い込んだ。


 「その米、食べないのか? そんなところに入れ込んで、何に使うんだ?」


 妖精は小瓶を紐みたいなもので自分の体に括り付けると、咳払いを一つした。


 「先ほども申し上げました通り、わたしは空の色を作る妖精です。ですから、いただいた白米は空の色を作るために使うのです」


 「空の色? 空の色が作れるのか? こんな乾いた米で?」


 手に持っていた箸で茶碗の中のご飯をつつく。一口サイズを掴んでから口に放り込んだ。米は思った通り、冷たい上にカチカチに固くなっていた。


 それもそのはずだ。この盆に載った食事は、四時間か五時間くらい前に母さんが廊下に置いたものなのだから。俺はその食事を誰にも気づかれずに部屋へ引き入れるため、家族が寝静まった後に食べることにしていた。もう数ヶ月くらいは温かな湯気の立ち上るご飯を口にしていない。


 「米が必要なら、明日の朝にまた出直して来いよ。そしたら、炊き立てのもっと旨い米がいくらでも手に入るだろうから」


 米から空の色を作るという手法についてはよく分からないが、良い色を作るには良い道具が必要なことくらい俺にもわかる。太陽の光に染まるようなひまわりの色を塗るのに、黄色いクレヨンの先に他の色が付着していたらひまわりが汚い色になってしまう。空の色を作るのも、きっと同じようなものだろう。良い色を作りたいのなら、良い米があった方が良いに決まっている。


 しかし妖精は小さく首を横に振る。


 「このお米が良いのです。キラキラの詰まった、このお米が」


 「キラキラ? 一体なんのことだ?」


 もう一度茶碗から白米を摘み上げ、目の高さまで掲げてあらゆる角度から観察した。それでも白米に詰まっているらしいキラキラが俺の目には見えてこなかった。俺はまたカチコチの白米を荒く咀嚼してから喉の奥に流し込む。生姜焼きにも手をつけて食事を始めると、妖精は盆の隣に腰を下ろして俺の様子を眺め始めた。


 「ときに、お兄さん。こちらのお食事はご自身で調理されたものなのですか?」


 「いや、違う。……母さんだよ。俺の母さんが、作ってくれた」


 「そうでしたか。ご家族と一緒にお住まいなのですね。

 そのご家族とは一緒にお食事をとられないのですか?」


 「とらない。っというか、俺はこの部屋から出ないから。一緒に住んでいたって顔を合わせることもないくらいだよ」


 「お話もされない、と?」


 「ああ、しない。向こうだって俺の顔なんて見たくもないだろうし。


 だからわざわざ、みんなが寝た後にこうして食事をしたり、トイレに行ったり、風呂に入ったりしているんだ。家の中で誰とも鉢合わせしないように」


 数ヶ月前、昼寝から起きたら家の中が静まり返っていたことがある。誰もいないと思って部屋を出たら、トイレに行く途中の廊下で母さんと顔を合わせてしまった。久しぶりに見た母さんの顔はすっかり痩せこけていて、窪んだ目は幽霊でも見たかのように怯えていた。


 その時にわかったんだ。母さんですら、俺の顔を見るのも嫌だったんだ、と。


 「なるほど、なるほど。だからこちらのお食事には、こんなにも強いキラキラがたくさん込められているのですね」


 見ると、妖精はその小さな頭を大きく縦に振っていた。


 「さっきから言っている、そのキラキラって一体なんのことだよ? この飯に何がそんなに込められているって言うんだ?」


 「おっと、これは失礼。説明が不足していたようですね」


 妖精は立ち上がり、盆の周りをゆっくりと歩き始める。


 「わたしたち妖精の目には、この世界に溢れるキラキラと輝くものが見えています。それは、あなた方が見ている輝きとは少し異なるものです。例えばガラスや、水飛沫といった光の反射による輝きなどではありません。


 わたしたちが見ているのは、あなたたちヒトや、モノの内に秘められた熱い想いです。その想いがキラキラと輝いて見えたとき、わたしたち妖精はその輝きを力に変えて仕事をするのです。


 つまり、わたしの仕事は空の色を作ることですから。あなたのお母様の想いが詰まったこのお食事のキラキラをいただいて、空の色に調合したいのですよ」


 「この食事に詰まった、母さんの想い……?」


 「ええ、そうです。


 先ほどあなたはご家族とお話をされないと仰っていましたね。その代わりなのかわかりませんが、このお食事からはお母様からあなたへの想いがキラキラとなってたくさん溢れ出ているように見えます。それはもう、まるで何枚にも綴られたお手紙のようです」


 盆に載った生姜焼きに視線を移すと、とろりとしたタレが照明の光を反射していた。箸で摘んでかぶりつくと、硬くなった豚肉が俺の歯を押し返してくる。無理やりに噛みちぎり、口の中で咀嚼した。冷えていてもなお、豚肉には生姜焼きの味がしっかりと染み付いている。


 「手紙だかキラキラだか知らないが、どうせそんなの『いい加減にしろ』みたいな恨み節だろ。そんなのを使って色を作ったら、空がドス黒い色に染っちまうんじゃないか」


 「ふむ。確かに、怒りに似た感情も熱い想いであることに変わりはなく、時として炎のようにギラギラと輝いて見えることもありますが……。


 今わたしに見えているのは、そのような輝きではありません。もっとあなたに寄り添うような、それでいて背中を押すような、そんな静かな光です」


 「どうだか。たとえ光っていたとしても、母さんのは諦めに似た僅かな灯火くらいのものだろ。そんなの使ったって、明日も見えないような暗い空しか作れないと俺は思うけどね」


 「お兄さんは、そのような色の空を見上げたいのですか?」


 「俺は空なんか見上げないよ。もう何ヶ月もずっとこの部屋から出ていないんだ。これからもずっと、俺が見上げるのはこの部屋の天井だけだよ」


 「そうですか……。空の神様が仰っていたことは本当だったようですね」


 「空の、神様?」


 「はい。実は、空の神様は大変心を痛めておられるのです。


 人々が空を見上げることが少なくなった、と。


 ですから、わたしは『人々が見上げたくなるような空の色を作って塗る』ことを志しているのです。


 そうです。ここは一つ、お兄さんが見上げたくなる空の色を作って塗るのも悪くはありませんね」


 妖精は顔を上げて小さな拳をポンと叩くと、俺の机の上をウロチョロと歩き出した。


 「そうと決まれば、早速他のキラキラも集めなくてはなりません。さあ、忙しくなってきましたよ」


 俺は空など見上げないと言っているのに、妖精の耳には届いていなかったのだろうか。妖精はキビキビと動き出し、俺の部屋をあちこち見回している。


 「ちょっと、失礼。お兄さん、少しお力を貸していただけませんか?」


 「なんだよ? 面倒なことはごめんだぞ」


 「いえいえ、ちょっとお手を拝借したいだけなのです。よろしければ、わたしをこの机の上から下ろしていただけませんか? 手のひらの上に乗せていただければ結構です」


 律儀に頭を下げる妖精に、俺は箸を持っていない方の手を差し出す。妖精はチョコチョコと歩いて俺の手のひらに乗る。紙切れでも乗ったかのように重さを全く感じなかった。


 「そこで、結構です。その床に下ろしてください」


 言われた通り、俺は手のひらを慎重に動かして床に手の甲を付けた。あまりにも軽すぎる妖精は少しの風圧で飛ばされてしまうかもしれず、不本意にも慎重に体を動かさなくてはならなかった。


 「ありがとうございます」


 俺の手のひらから降りると、妖精は目標がすでに定まっているらしくスタスタと床の上を歩いた。妖精が向かって行った先にあるのは、行き場がなく部屋の隅に山積みしておいた紙の束だった。


 「こちら、拝見してもよろしいでしょうか?」


 妖精が振り返る。


 「勝手にしろ」


 俺は妖精に背を向けて、味噌汁を一気に飲み干した。


 しばらくシンと静まり返った後、背中からガサゴソと紙の擦れる音が聞こえてくる。首だけを回して盗み見ると、妖精は自分の体の何倍もある紙を持ち上げてどこかに運んだり、紙に書いてある文字を読んだりしていた。


 俺が部屋の隅に仕方なく置きっぱなしにしていたのは、クラスの担任から配られるプリントの山だ。宿題もあれば、行事の連絡事項がまとめられたものもある。他にもクラスメイトからの形だけの謝罪文もあれば、登校を促す励ましの寄せ書きなどもあった。


 紐で括って廊下にでも出しておけば母さんが気づいて捨ててくれるのだろうが、俺の部屋に紐なんてない。全てをぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨て入れることも考えたけれど、日々積み上がっていく束から目を背けるようにして過ごしてきた。


 それが今、妖精の手によって山が崩されていく。


 始めのうち妖精は山の一番上から丁寧に紙をどかしていたのだが、手を止めると山から降りた。床から紙の束を眺めた後、ジャンプして紙の束をよじ登る。山の中腹辺りで登るのをやめ、紙と紙の間に挟まれたものを掴んだ。それを懸命に引っ張り出そうと体全身に力を入れている。


 その様子をしばらく眺めていると、妖精の手は掴んでいたものを離してしまい、勢いづいたまま床の上に転がり落ちた。真っ直ぐに積んでいた紙の束は斜めに傾き、床に転がった妖精目掛けて崩れようとしている。ただの紙切れと言えど、数が重なれば何キロにもなる重さだ。小さな妖精のペシャンコになる姿が俺の脳裏を掠めた。


 咄嗟に動いた体は足を上げきれずに椅子に躓き、盛大に転んで顎を床に打ちつけた。その間にも、紙の束は崩れ落ちてくる。妖精はまだ床に転がったままだ。立ちあがろうにも、足の指を強打していて上手く踏ん張ることができない。日頃の運動不足がこんなのところで祟るなんて。俺は匍匐前進で埃をかぶった床を進んだ。


 しかし、俺の努力も虚しく紙の束は崩れ落ちる。目の前で妖精は紙の雪崩に飲み込まれた。急いで紙の束をどかすも、顕になった床の上に妖精の姿はない。まさか、すでにペシャンコになって紙と同化してしまったか。散らばった紙をバサバサとひっくり返しながら表と裏を確認するも、押し花状になった妖精を見つけることは出来ない。


 「ちくしょう、どこに行っちまったんだよ……」


 紙を何枚も捲り、消えた妖精を必死で探した。修学旅行のしおり、もう読める気もしない英語の宿題、複雑な数式の並んだプリント。もう関わりたくないと心に決めたそれらは、目に入る度に俺の心に深く刃を立てた。


 その時だった。耳元で微かな声が聞こえてきたのは。


 「何か、お探しものですか?」


 驚いて声のした方を見るけれど、振り向いたベッドの上には誰もいない。


 「そちらじゃありませんよ。こちらです」


 左に回していた首を、今度は右に回した。


 「いえいえ、そちらじゃありません。わたしはここです」


 もう一度左に回すと、首がグキっと音を立てて痛んだ。


 「もう少し視線を下げてください。そうそう、そのまま。ほら、目が合いましたね」


 妖精は、俺の左肩の上で微笑んでいた。


 「お前、紙の下敷きになったんじゃないのかよ?」


 「そうですね、もう少しで下敷きになるところでした。

 ですが、わたしは妖精です。小さいながらも背中に羽だって生えているのですよ」


 妖精が小さな拳を握って力を込めると、背中に透明な羽が生えた気がした。その羽は風のように目には見えない構造をしているらしかった。


 「ご心配をおかけしてしまいました。申し訳ありません。


 ところで、お兄さんこそお怪我はございませんか? 盛大に転んでいたようにお見受けいたしましたが」


 思い出したかのように俺の顎がジンジンと痛み出す。


 「平気だよ、これくらい。なんてことない」


 妖精から顔を背けて折っていた膝を伸ばすと、床に付けた足の指が激しく傷んだ。喉元まで出かかった悲鳴を飲み込む。


 妖精は心痛そうな表情で俺を見ていた。




 「そんなことより、お前の方こそ何か探してたんじゃないのかよ? こんな紙の山から引っ張り出そうとしちゃってさ」


 「ええ、そうでした。上に重なった紙の束がなかなか重くて引っ張り出せなかったのですが、こうも崩れてくれると助かります。お宝が見えてきました」


 妖精は俺の腕を滑り台のようにして指先まで滑り降りると、そこから紙の束にダイブした。


 妖精が崩れた紙の上を歩く。立ち止まって持ち上げたのは、他のどの紙よりも白さが際立つ四角い封筒だった。


 「なんだ、それ?」


 封筒が妖精にとっては重たいのか、妖精は封筒の端を摘み上げるだけでそこから動けそうにない。俺は妖精ごと封筒を持ち上げ、そのまま机の前に移動した。


 見覚えのない封筒だった。最近は学校から帰ってきた弟が勝手に俺の部屋のドアを開け、僅かな隙間からプリント類を投げ入れていた。その時間、ベッドの中で狸寝入りを決め込んでいる俺は、弟がいなくなったのを見計らってドアの前のプリントを部屋の隅に移動させる。何が届いたかなんてろくに確認していなかったせいで、封筒の存在に気が付かなかった。


 「こちら、開けてもよろしいでしょうか?」


 「あ、ああ。大丈夫だ、と思う」


 宛先も、差出人の名前もない封筒だった。ただ真っ白な封筒の封はセロハンテープで留められていて、妖精はそれを丁寧に剥がしていく。ペリペリとした音が止むと、妖精は封筒の中に潜るようにして入っていき、中身を取り出した。


 予想に反して、中に入っていたものは手紙ではなかった。封筒から顔を出した妖精がズルズルと引っ張り出してきたものは意外にも小さく、俺の手のひらくらいの大きさしかない。


 妖精がバランスを崩して机に尻餅をつくと、妖精の手から離れたものがふわりと宙に舞う。小さな長方形のそれはクルクルと回りながら机に落ちた。それに描かれた絵柄が見えたとき、俺は反射的に手を伸ばしていた。


 「これは……!」


 俺の目にも見えるキラキラの輝きを纏ったカードだった。


 「これは、これは。実に猛々しいロボットの絵ですね」


 いつの間にかまた俺の肩に妖精が乗っていた。俺は妖精の方に少しだけカードを寄せる。


 「ただのロボットの絵じゃないよ。いや、ロボットアニメのカードであることに間違いは無いんだけど、レア中のレアものだ。


 このカードには他にも百種類以上の絵柄があって、商品を買う前に中身を知ることは出来ないんだよ。何が出るかは買ってからのお楽しみ。どんな絵柄のカードを手に入れられるかは完全に運任せなんだ。


 だから欲しい絵柄があってもそれを手にすることはなかなか難しいし、絵柄によってはそもそもの絶対数がかなり少ない。いくらつぎ込んだって引き当てるのは相当難しい絵柄がいくつかあって、そのうちの一つが、これだよ」


 「なるほど。とても貴重なカードだということがよくわかりました」


 妖精は左手を背中に回し、右手だけを胸の前に添えてお辞儀をした。


 俺はもう一度、手の中のカード見つめる。妖精には素直に言えないけれど、このカードが貴重なことにはもう一つの理由があった。


 それは、これが『俺が最も欲しかったカードである』ということだ。


 まだ学校に通っていた頃、授業が終わり、家の玄関にカバンを放り投げた俺は近所のコンビニまで走ることが日課だった。お年玉にともらった紙幣で棚に並んだ商品を買い、今日こそはと念じながら何度も封を切った。結局お年玉を使い切っても欲しかったカードは手に入らなかったから、泣く泣く諦めるしかなかったのだけど。


 「それなのに、なんでこれが、こんなところにあるんだ?」


 俺の部屋の片隅に埋もれていた封筒。その中から、このお宝は発掘された。しかも、妖精の手によって。


 「まさに、宝の山とはこのことですね」


 妖精が軽やかに笑う。


 「お前は封筒の中身がこのキラキラのカードだって、知っていたのか?」


 笑っていた妖精は笑顔のままで首を横に振った。


 「いいえ。いくら妖精だからと言っても、透視のような能力は持っておりません。


 先ほども申し上げましたが、わたしに見えているのはあなた方の内に秘められた熱い想いです。その想いがモノに込められていた場合、そのモノ自体がキラキラと輝くのでその光を追ったまでなのです」


 「想い? このカードにどんな想いが込められているって言うんだよ?」


 「それは、お兄さんの方が詳しいんじゃありませんか? お兄さんの驚いたご様子ですと、きっとこのカードをお兄さんに差し上げた人物がいるのでしょう。その方の熱い想いが、わたしには今もキラキラと輝いて見えていますよ」


 「そんなこと言われたって、わかりっこないよ。何か物で俺の機嫌を取ろうっていうなら母さんが一番に思いつくけど、母さんは俺がこのカードを欲しがっていたことなんて知らないはずだし。俺がいくつもハズレを買い込んでいたことだって、きっとバレていない、と思う。


 それに、この紙の山に埋もれていたのなら弟が学校からもらってきたプリント類の中に混ざっていた可能性が高いけど、学校の中に俺にこんなカードをくれる友達なんていない。母さんと同じように、俺がこのカードに熱中していたことを知る友達はいないから」


 「では、神様からのプレゼントだったのかもしれませんね。


 と言いたいところですが、それは違うとわたしにはわかりますよ。だってキラキラが見えていますからね。このキラキラはヒトの想いから生まれたものです。誰か、お兄さんへこのカードに想いを込めてプレゼントをした人物がいたことは明らかです」


 「でも、本当に誰にも話したことなんてないんだ。俺がこのカードを買っていたことを知っている人物なんて、他にコンビニの店員さんくらいしか思い当たらないよ」


 そこまで声に出してみて、ふと思い当たる出来事が脳裏に甦ってくる。


 「あれ? ちょっと、待てよ……」


 俺の脳内に、コンビニの商品棚の前、しゃがみ込んでどのカードを買うか吟味していた時の光景が浮かんできた。

ふと背後に気配を感じて、振り返った。そこに立っていたのは、コンビニ店員でも、母さんでも、友達でもない。二歳年下の、俺の弟だった。


 「弟だ。あいつに、コンビニでカードを買うところを見つかったことがある。

 最近じゃろくに口も聞かないし、口を開けば喧嘩する仲になっちゃったけど……。


 あの時だってあいつは俺の手元を見て、『まだそんなものにハマってんのかよ』って言ったんだ。あいつだってこのロボットアニメが大好きだったのに。いつの間にかあいつだけ卒業しちまった。昔はよく一緒にアニメを見ながら、このロボットのこと『カッコイイ』って言い合っていたのに……」


 「そうでしたか。それなら謎は解明ですね。このカードは弟さんからお兄さんへのプレゼントだったのでしょう」


 「でも、そんなことがあるはずないんだ!」


 声を荒げてしまうと、妖精は驚いたように目を丸くした。


 「そんなこと、あいつがするはずないんだよ」


 真夜中の狭い室内。俺は声を押し殺して妖精に言い聞かせた。


 「前に、あいつと母さんの言い合いが聞こえちまったことがあったんだ。あいつは母さんに向かってはっきりと言っていたよ。


 『あんな兄なら居ない方がマシだ』って。


 だから、あいつは俺を恨んでいる。毎日のようにプリントを運ぶ係をやらされる中で、情けない俺のことを揶揄されることとかあるんじゃないか。近所でも噂が立っていて、弟はその矢面に立たされているのかもしれない。あいつが俺を恨むのは、当然のことなんだ」


 「うーん……、いや、しかし……」


 妖精は首を九十度折り曲げて眉間に皺を寄せている。


 「このカードに込められたキラキラは、先ほどのお米と同じようにギラギラと煮えたぎるような熱いものではありませんよ。どちらかと言えば、悔しさを弟さん自身に向けたような、それでいてお兄さんには寂しさをぶつけたような、そんな美しいキラキラが込められているようにわたしには見えています」


 「そんなはず、ないって……」


 「弟さんの言葉にしても、今のお兄さんとの関係から脱却したいのではないかとわたしには思えました。『あんな兄なら』ということは、『こんな兄なら居て欲しい』という言葉の裏返しなのではないでしょうか?」


 「仮にそうだとしても、今の俺をあいつは許せないってことに変わりはないだろ……」


 「そうかもしれませんね」


 あっさりと認める妖精を、俺は瞬時に睨みつける。


 それでも妖精はキラキラのカードを見つめたまま微笑んでいた。


 「このカードに込められたキラキラは、総合してお兄さんを応援する気持ちで溢れていますから。叱咤激励とでも言いましょうか。このままで終わることのないお兄さんへの、弟さんの想いが伝わってきますよ」


 妖精は俺の肩から降りると、机の上の封筒に歩み寄った。


 「ちょっと、失礼。そちらのカードを頂くことはできませんが、こちらの封筒をほんの少しいただいてもよろしいでしょうか?」


 「勝手にしろよ」


 吐き捨てたのに、妖精はまた俺に向かって律儀に頭を下げる。封筒の端を細かく切り取ると、どこからか出した小瓶にその切れ端を詰め込んだ。


 「それからもう一つ。この部屋にはまだ強いキラキラを放っているものがあるようですね」


 妖精は机の端まで移動すると、そのまま下に勢いよく飛び降りた。ガサガサと音が鳴り、妖精の姿が見えなくなる。


 妖精が飛び降りた先にあったのは、机の横に置いたゴミ箱だった。


 俺は急いでゴミ箱を横倒しにし、中に詰まったゴミごと妖精を救出した。


 「何やってんの? さっきから、ゴミと遊んでばっかりじゃん」


 赤ちゃんがハイハイでもするような格好で、妖精はゴミの間から顔を出す。


 「いえ、こちらがゴミ箱だったとは気がつかなかったのです。あまりにも眩しくて、わたしの目には光しか映らなかったものですから」


 「ゴミが? 光ってたとでも言うのかよ?」


 床に散乱したゴミ箱の中身に目を向ける。ぐしゃぐしゃに丸めた紙屑に、カラフルな色のついたティッシュ、それから空になったおやつの袋が目に入った。そのどれかが輝いていたなんて、本当に馬鹿げている。


 妖精はまだ赤ちゃんのような体勢で、床に手をついたまま動けないでいるようだった。


 「うぅ、眩しいのです。あまりに光が強すぎて……。

 ちょっと、失礼。お兄さん、今わたしの目の前にある物を代わりに取ってくれませんか?」


 妖精は太陽にでも照らされたかのように左手を目に添え、右手で自分の前にあるものを指している。仕方なく、俺は妖精の前にあったものを拾い上げた。それはやっぱり、ゴミ箱の中から出てきたゴミでしかなかった。


 「それの一部で構いませんから、ほんの少し分けていただきたいのです。そしてそれをこの小瓶の中に収めてください」


 妖精はゴミに背を向け、小瓶だけを差し出してきた。俺はゴミの端を爪の先程に千切り、言われた通りに小瓶の中へ入れる。


 「ありがとうございます。助かりました。

 光は強くてもその大きさが小さくなれば、わたしもなんとか目に入れることができるのです」


 妖精はゴミを入れた小瓶を大事そうに眺める。



 それから今まで集めた他の小瓶も隣に並べ始めた。合計で三つの小瓶が俺の机の上に並べられる。


 「どれもゴミみたいなものしか入っていないじゃんかよ。

 こんなので空の色を作ったら、空の神様が怒って空ごと落っこちてくるかもしれないぞ」


 「空が落ちるとは、愉快なお話ですね」


 妖精は腹を抱えて笑った。


 「しかし、どれもゴミではないのですよ。いただいたものは確かにもう本来の用途では使えないものばかりかもしれませんけれど。わたしはそのものに込められたキラキラを集めたにすぎません。どれも、今でも強い輝きを放っています」


 そう言った妖精の顔が、キャンドルに照らされたかのようにほんのりと明るく染まって見えた気がした。


 気がつくと、薄く開けた窓の向こうも明るくなり始めている。


 「ちょっと、失礼。お兄さん、空の色を調合するために必要な物をお借りしてもよろしいでしょうか?」


 「え? あ、ああ。もう、勝手にしろよ」


 妖精は机の上をチョコチョコと移動し、あっちこっちと行き交って二つの物を小瓶の隣まで運んできた。


 それは小さめの紙パレットと、柄の短い一本の筆だった。どちらも俺がプラモデルに色付けするときに使っているものだ。部屋の隅に隠すように置いておいたのに、目ざとく見つけてきたらしい。


 「それでは、これから空の色の調合を始めます。お兄さんが見上げたくなる空の色をこれらから作ることができると、証明してご覧に入れましょう」


 妖精はひらりと舞うように、一つ目の小瓶の蓋を外す。


 「これは、お兄さんのお母様が作られたご飯です。このご飯には、お母様からのお手紙かのような想いが幾重にも重なって込められておりました。お兄さんを静かに見守り、いつでもお兄さんの幸せを願っている。そんな温かな想いがキラキラとなって、今も溢れ出ております」


 妖精が小瓶を逆さまにすると、乾いた米粒が紙パレットの上に落ちた。



 妖精は二つ目の小瓶の蓋を開ける。


 「そしてこれは、弟さんからお兄さんへの贈り物です。お兄さんを喜ばせたいと願う弟さんの想いが見事に現れたキラキラです」


 妖精がまたしても小瓶を逆さまにする。中からは封筒の切れ端がハラハラと紙パレットの上に舞い落ちた。



 「そして最後に、こちらの紙切れです」


 妖精が三つ目の小瓶を開ける。俺はゴミ箱の中から出てきたその本体を、まだ手の中に握りしめていた。


 「それが、なんだって言うんだよ。ただの、ゴミじゃないか……」


 妖精が小瓶を逆さまにする。ゴミは、ヒラヒラと舞って米粒と封筒の切れ端と混ざり合った。


 「いいえ。これがゴミではないということは、お兄さん、あなたが一番よくわかっているはずですよ」


 俺は強く拳を握りしめ、妖精に向かって吠える。


 「わかっているから言ってるんだよ! それは俺がパソコンで描いたゴミみたいな絵の切れ端だ! 上手く描けた気がしてプリントアウトしてみたけど、細部の立体構造がてんでなってない。何度修正してみたって上手く描けないからゴミ箱に入れたのに……、それをわざわざ拾い上げて持ち出すなんて……」


 怒りで爪が皮膚に食い込むほど強く拳を握ると、妖精の凛とした声が俺の耳に響いてきた。


 「何度でも申し上げましょう。これはゴミではありません」


 顔を上げると、妖精は強い眼差しでこちらの目を見つめていた。


 「これは、と言うより、ゴミ箱の中にあったものの大半は、わたしにはゴミには見えませんでした。ぐしゃぐしゃに丸められたいくつもの紙屑、あれらは全て強い輝きを放っていましたから。


 その紙からは、強いお兄さんの想いが感じられます。絵に込めた情熱と、絶え間ない努力、そして怒りに似た悲しさ、それらが全て合わさって、強い輝きを放っているのです」


 そう言って、妖精は自分の体の何倍も長い筆の柄を抱えるようにして握った。


 「お兄さんと、お兄さんのご家族の想いが詰まったこれらで空の色を塗って差し上げます。見ていてください。あなたの血と汗の滲んだ絵は、あなたがゴミだと思っていた絵は、こんなに綺麗な色をしていたんだとお見せしましょう。


 そして忘れないでください。あなたは決して、一人じゃない。どんなお兄さんだって見ていてくれる者がおります。あなたの側で、言葉にならない想いを抱えて生きている者がおります。


 どうか、目を逸らさないでください」


 筆の先で紙パレットの中をかき混ぜると、妖精は筆だけを持って勢いよく飛び上がった。


 「ちょっと、失礼。行ってきます」


 そしてそのまま、窓の向こうに消えていく。



 妖精が去った後、俺の部屋のカーテンはずっと風に吹かれて揺れていた。そのせいか、窓の向こうがよく見える。白んで明けてゆく空に、朝日が昇ろうとしていた。


 その空が、血塗られたように真っ赤に染まってゆく。


 赤い空に浮かぶ雲は僅かに朝日を反射し、朱色を帯びて燃えていた。影になった部分は黒く、まるで焼け焦げた跡みたいだ。空はどこまでも赤く続いていく。


 「これが……、俺の絵の色? 母さんと、あいつの想い?」


 あまりにも強すぎる赤に、俺は目が離せないでいた。まるで折れた俺の心に火をつけるような空だ。心が震えているのがわかる。


 学校に居場所が無く、家にも居場所は無いと塞ぎ込んでいた。部屋のベッドから起き上がれなくなったあの日から、ずっと。


 憧れたロボットヒーローはいつでも強くてカッコ良いのに、生身の俺はいつまで経ってもへなちょこで、それが自分でもイヤだった。嫌いだった、弱い自分のことが、一番。


 だから弟に「いない方がマシだ」と言われてもその通りだと思っていたし、母さんにイヤな顔をされても仕方のないことだと片付けていた。俺なんていないほうがいいに決まっている。


 だからますます部屋に篭り、世界に存在していないフリを続けた。誰の目にも留まらないように。


 「わぁ、見てポンちゃん。空が真っ赤だよ」


 突然人の声が聞こえて、全身に緊張が走った。空ばかりに気を取られていたせいで気づかなかったみたいだ。窓の外にでかい犬を連れて散歩している人がいたことに。


 飼い主と犬は互いの顔と空を交互に見上げながら、楽しそうに会話を続ける。


 「力強い色の空だね。なんだか元気が湧いてくる色だ」


 飼い主はそう言い残し、ふさふさの尻尾をブンブンと振る犬を連れて遠ざかってゆく。


 そんな一人と一匹の小さくなる背中に向けて、俺は小声で囁いてみる。


 「なあ、その空の色、俺が描いたロボットの絵からできているんだってさ。母さんの炊いてくれた米粒と、弟がくれた白い封筒も、混ざってる。


 信じられないだろ? 俺も、信じられないよ……」


 一人と一匹は2階の窓から囁く俺に気が付くはずもなく、道の向こうに消えていった。



「あんな風に喜んでくれる人がいるのなら、俺はまだここにいてもいいのかな……。

 大好きなロボットの絵を描き続けたら、いつかもっと多くの人に喜んでもらえたりするのかな……」


 部屋の窓を全開にし、握りしめていた紙屑を広げる。パソコンを駆使して描いていたのは、俺の大好きなあのロボットだった。


 いつの間にか空から舞い戻ってきていた筆を取り、妖精が使っていた紙パレットに赤い絵の具を垂らす。他にも白やオレンジ、黒、黄色といった絵の具を使って目の前の空の色を作った。それを筆にとり、ロボットの背景に塗ってゆく。雲を描き足し、燃える朝日も模写した。


 空が赤から青に変わってしまうまで、俺はスケッチを重ねながら夢中で空を見上げていた。


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