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のじゃロリと暮らす日々  作者: 大崎 狂花


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3/3

最終話 いつもの日々へ

「久しぶりのお出かけ、楽しみだねー」


「そうじゃのう」


「デートだねデート!」


「ふふ、そうじゃな」


 今日のトウカはカエデと2人でお出かけだ。トウカはそこそこ出かけたりもするものの、カエデと2人でというのは久しぶりなのでウキウキだ。


「電車に乗るのって、なんかワクワクするよね。まあ、混んでる時はちょっと遠慮したいけど・・・・・・」


「確かに。空いてる電車はなかなか良いものじゃな。なかなか味わい深い」


 電車に乗って遠出して、やや栄えてる街まで出るのだ。今日はよく晴れた日なので、窓の外は青く高い空が流れている。年老いた目にはこの空はやや眩しいと、カエデは言った。


「ついた!」


「相変わらず、この辺は人が多いのう」


「そうだねえ。今日は休日だし、特に人が多いのかもね」


「そうじゃな。・・・・・・はぐれたら困るしの。ほれ」


 カエデはそういうと手を差し出した。


「わ、手! 握っていいの!?」


「?別に良いぞ」


「やったー!」


 トウカとカエデは手を繋いで、2人連れ立って人混みの中を歩いた。


「んふふふ」


「なんか嬉しそうじゃな」


 さて、今日の目的地は駅前に新しくできた大きめのショッピングモールだ。新しく出来ただけあって、中は非常に綺麗で、目新しい物や店が色々とあった。で、まあとりあえず2人は服屋に入った。


「似合うかのう?」


「かわいい! すごく似合ってるよおばあちゃん!」


「そうかのう・・・・・・?」


 試着室から出てきたカエデは自分の格好を見てやや不安そうにしていた。カエデが今着ているのは上は肩出し、下はショートパンツだ。普段は着物のカエデにとっては慣れない格好である。服装に合わせて普段はストレートの髪もポニーテールにしている。


「やや派手ではないかのう?」


「いやいや、これくらい普通だよ! 次、これ着てみる?」


「・・・・・・なんじゃそれ?」


「バニー衣装!」


「そんなもの着るか!」


 カエデだけでなくトウカも色々な服を試着して、気に入った服を買って店を出た。


 昼食


「あっ、これおいしい!」


「わしのもおいしいぞ。食べてみるか?」


「いいの? じゃ、交換こしよう!」


 トウカとカエデは互いの料理を交換こして食べた。


「あっ、おばあちゃんのもおいしいね!」


「トウカのもなかなかうまいな」


 映画


「こ、怖かった・・・・・・」


「『サメお化けの逆襲2』・・・・・・これにも結局サメお化けは出てこんかったな・・・・・・しゃけは出てきたのに・・・・・・」


 ゲームセンター


「む・・・・・・これはなかなか難しいのう・・・・・・」


「あっ、おばあちゃんゲームしてる時に体も一緒に動くタイプなんだ! かわいいー!」


「いや、お主も動いとるぞ・・・・・・?」


 と、まあこんな具合に2人は昼食、映画、ゲームセンターなど色々と楽しんだ。


「さてと・・・・・・次はどこに行こうか?」


「ああ、少し本屋に寄っても良いかの? 買いたい本があるんじゃ」


「いいよ! 私も買いたい漫画があったんだ!」


 2人は本屋に行く。カエデはやや堅い本のコーナーに、トウカは漫画コーナーに行った。


「よし、あとあの漫画はどこにあるかな・・・・・・?」


 と、トウカが欲しい漫画を色々と集めていると、ふと『地獄への扉』というタイトルの漫画が目についた。


「地獄・・・・・・」


 地獄といえば、思い出すのはカエデのことだ。本人曰く、カエデは無間地獄に堕ちたという。


 トウカはあまり本を読まないため、その無間地獄というところのことはよく知らない。しかし、地獄というところがとても凄惨な場所だというところは理解している。そして、無間地獄というのは最下の地獄だ。


 カエデは死なずにこの世に生きることが最下の地獄だという。前にこのことを聞いた時、カエデは


「どんなことでも極まればシンプルになるものじゃ」


 そう言っていた。だから、最下の地獄というものはただ寂しいだけなのだと。


 トウカはあの人────カエデが地獄に堕ちる原因となった人物のことを思った。


 ◇


 さて、トウカとカエデは買い物デートを楽しんで再び電車に乗って帰宅していた。


 電車には、2人しか乗っていなかった。晴れていたから、夕日もよく映えて綺麗だった。辺りは蜜柑色の夕日とともに、優しい雰囲気に包まれていた。


 トウカとカエデは、静かに座ったままぼんやりとその夕日を眺めていたが、やがてトウカが口を開いた。


「ねえ、おばあちゃん」


「なんじゃ?」


「私も、無間地獄に堕ちようか?」


「・・・・・・」


「私も一緒に無間地獄に堕ちるよ。そうすれば、ずっと一緒にいられる。おばあちゃんも、もう寂しくないんじゃないかな?」


 トウカは何気ない口調でそう言った。表情も普段と変わるところはなかった。カエデも普段と変わらない調子で言った。


「わしのために、そこまでする必要はない。無間にまで、堕ちるほどの罪を、トウカは犯してはならぬ。無間に堕ちたとしても、わしと同じ状態になるとは限らんしの。それに・・・・・・」


 カエデはこう言った。


「それに、わしはもうお主からたくさんの思い出をもらった。それで、もう十分じゃよ。それだけでもうこの無間地獄も極楽じゃ」


 それを聞いて、トウカは少しだけ安心して、また不安になった。


 電車は2人を乗せて、優しい夕日の中を進んでいった。


 終幕

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