i = 2; try $WHERE //門前に立つ
白いトンネルを進んでいた。
数多くの扉があった。
トンネルからは不思議な音が聞こえてきて、ベインはそれを『風』と呼んでいた。
クラウドは体をくねらせながら話した。
「扉がたくさんあるけど、どの扉を選べばいいの? あー!選べない。他の人たちはどこに行ったの? 誰か教えてよ!どの扉を開けばいいの?」
いつの間にか大声で叫んでいるクラウドを置いて、ベインは下の方にある扉の前に立ち、私たちに手招きして呼んだ。
「こっちに来てみよう!感じるものがあるんだ」
トンネルの中で私はふわふわと浮いていた。
「あれ、どうやってそこに行ったの?」
ベインは自然に私の側に近づいてきた。
「こうやって、君がどこに行きたいかを見て、考えると、そこに行けるようになるんだ」
クラウドが言った。
「そう、トッド。それは本当に簡単なことよ。誰でもできるわ!」
クラウドはするすると下の方の扉へと自然に降りながら話した。
「考え...あっ、降りよう。降りよう」
瞬間、体がひゅっと落ちていった。
私の意識はまだ上にあったのに、あまりにも早く降りてきたので、上に別の自分がいるような気分になった。
「トッド、顔が青いね」
「初めてだからさ。いや、トッドは元々顔色が悪かったよ」
クラウドとベインは私のことを置いて、互いに声を高めながら話していた。
「あ...私はここにいるんだ」
ベインが私を引き寄せながら話した。
「そう、トッド。君はここにいる。まさに扉の前にね」