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D.O.A(ドア) ー 探してるのはBLAST  作者: a.z.bako
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3/6

i = 1; echo $WHOAMI // エコーのシナプス

「あ…」


最初に彼らを見た時は皆同じように見えたが、

ずっと見れば見るほど皆違う姿であることが分かった。


クラウドは私たちが座る席を探しながら私に話した。


「ここでは多くの質問が飛び交う。

君が知りたいことも分かるはずだ」


クラウドはここを『エコー』と呼んでいた。


円筒形の大きな空間の真ん中に大きな円形のバーを

中心に多くの人々がテーブルを囲んで座っている。


空中に浮かんでいる円板を踏んで、

さらに高いところに上がる人々。


あの上にも多様な色で輝く照明とその下で

うるさく騒ぐ人々が見えたが、

上に行くほど照明の光だけが見えた。


ベインは私の手を取って椅子に座りながら話した。


「自分たちの話をしたい人たちでいっぱいの所だよ。

きっとここには、あなたの望む答えを知っている人もいるだろう」


クラウドは全身を震わせながら目を閉じて話した。

「あ、ここにいると私が感じられる..

このざわめき。

この感じ、いいね」


ベインは突然忘れていたことを思い出したかのように深刻な顔で私に尋ねた。


「ところで、トッド、

あなたが知りたいことは何だっけ?」


そうなのだ。

クラウドとベインが私を率いてここに来たのは

私が彼らにした質問が分からないと言ったからだ。


「私は誰?」


クラウドは短くぶっきらぼうに答えた。


「トッド」


ベインもクラウドに従って答えた。


「そうだ、トッド」


私は彼らに尋ねた。


「トッドって何?」


漠然とした響きだったが、それは結局また別の質問を投げかけさせた。


「私たちはどこへ行くの?」


クラウドは困った顔をして話した。


「えっと…あの…

トンネルの終わり?」


「終わり?」


ベインは私の肩に手を当てて、私と目を合わせ、

もう一方の手ではこだまの先も見えない天井を指差して話した。


「人々はあの端を向いている」


いつの間にか私たちのそばに一人の老人が近づいてきていた。

その瞬間、沈黙が流れ、変な音が聞こえた。


「タッ…タッ…」


それはこだまのみんなが私たちと老人に

注目するために彼らの声が回る音だった。


老人が話した。


「私たちはθに向かって進むのだ」


少し離れて私たちを見る人が静かに話した。


「絶対基準とも言うよ」


誰かが話せば、多くの人々がそこに向かって首を向ける。


「タダダッ···タッ」


「違うな」


その音はエコーになって空間を響いた。


「タッ…タッ…」


彼らは話し続けた。


「ドアを開けなければならない」


「他人が作ったドアではなく、

あなただけのドアを開けなければならない」


「いや、他の人が作ったドアでもいいんだ」


「次の階には行きたくない」


「私たちはずっと進まなければならない」


「ここでずっといたい」


彼らはいつの間にか話し始め、

それに合わせて首をかしげる音が空間を泣かせた。


一つの話が広がり、再び大きな音に変わっていった。

青色の光に変わった照明も、再び多様な色に変わった。


私たちのそばに来ていた老人は灰色になって

苦しそうな表情をしながら私の前でほこりになっていた。


ベインは話した。


「窒息したんだ」


クラウドが私の手を再び握って導きながら話した。


「ここでは自分の話が他の人に共感されないと、

こう消えてしまう」


私は何が起こったのか理解できなかった。

クラウドはため息をつきながら私の耳元で静かに話した。


「共感を得られないより死ぬんだ。

ここに集まった人たちはみんな同じだよ。」


ベインは自信満々に話した。

「どうだ?

トッド。

あなたが望む答えを得たようだね?」


私は答えた。


「いや、私にはまだよくわからない」


クラウドがほほえみながら話した。


「ドアを開けてみようと、

みんな言ったじゃないか。

続けて行けばあなたが望む答えを

得ることができるだろう。 ハハ。

行こうぜ」


そうしてクラウドとベイン、私は再びトンネルに出た。

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