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i = 0; init; // 意識の出発点に立って..
「グウウ…」
「ウ…ウ」
「ト…ド」
「トッド」
『トッド』という音が私という存在を指すということを
いつ、どのように知ったのだろうか?
何も考えずに歩いていると無意識が私の足を慣れたところに導くように、
無意識に『トッド』という音に私の意識は目覚めた。
暗闇の中にかすかな一筋の光が入ってきた。
繊細に編まれたクモの巣にかかった餌の動きに反応するクモのように
かすかな光の幹に沿って私の意識が周辺を認知して眺めた時、
私はここに立っていて私の周りには彼らがいた。
「ト〜ド」
クラウドは私の背中をそっと押しのけて,これ見よがしに話した。
「ここなら君に答えをくれると思うよ」
「グウウ…ウ」
クラウドはぐるぐる回りながらダンスを踊るように歩きながら話した。
「きっとこの道が正しい」
クラウドは自分が何かすごいことを発見したかのように、
その誰かに自分を知らせたい人のように周りに叫んだ。
「きっとこの門が正解だよ」
「ウウ…グウウ」
幾多の声。
その中で私は私を探して去った。