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絶望freaks

作者: 切亡

この世で一番崇拝しているメリーのガラさんを

モデルに書きました

第一話 背徳という名の絶望

背徳感に酔いたかったのに



年上の貴方と付き合って

背徳感に酔いたかったのに 敗北感しかない

貴方は人妻とも付き合っていて

私は彼女に勝ちたい訳でも 別れてほしい訳でもない


二人の関係は不倫

私との関係は何?


遊ばれている事は分かってる

私だって遊びだし そんな事じゃない


私と別れたら きっと貴方は

私みたいな可愛いJKと付き合うだろう


人妻と別れたら どうするだろうか?

欲求不満の人妻ビッチなんていくらでもいるけど

貴方は そこまで女に飢えてないよね?


それが 私が敗北を感じる理由だ


貴方と別れて クラスメートと付き合ったっていいし

二股したっていいけど

背徳感が感じられないのがつまらない


人妻は背徳感を感じているのだろう







第二話 共存という名の絶望


私の名前はセツナ

年上の彼氏に依存している18歳のJKだ

彼氏の名前はカイリ

32歳の人妻と不倫をしている

私は 二股をかけられている


人妻には子供はいない

カイリは子持ちには絶対手を出さないから

人妻が旦那の子供を妊娠したら別れるだろう


私はカイリが大好きで

二股なんて全然気にならなかった

カイリも私も結婚願望なんてなくて

今が楽しければいいって思ってた


カイリも私も束縛されるのが嫌いで

私はカイリを束縛する事は もっと嫌だった

浮気する事はあっても

既婚者と付き合う事は絶対嫌だった


カイリは私と同じマンションに住んでたから

会わない日はなかった


だけど 私はカイリを独占したりしない


人妻がカイリに会いたいって言えば

終わるまで待ってた

不安なんか何もなかった

私は大人のつもりだった



そんなある日

私はカイリの部屋で小説を書いていた

カイリは人妻と密会中


あー 今頃どこ舐めてんだろー?

考えてたら いつの間にかエロ小説になっていた

人妻の顔を想像したら

脳内に 石田ゆり子と荻野目慶子がいた

エロいな…

でも 人妻はJKに見られる程

見た目が若いって言ってたから全然違うな

浜辺美波? 若過ぎる

二階堂ふみ? 全然違う

水原希子? やっぱり違う

私が好きな女優を想像してみたが

全部違った



少し眠くなったので

ベッドに潜り込んだ

お腹空いたなー

カイリが食べたいー

でも 眠いー


眠りこけてたら いつの間にか

カイリが私の中に…入ってきた


セツナ? 濡れてるじゃん

エロい夢見た?


カイリ!?

会いたかったよー

お腹空いたよー


肉食べに行く?


うん!!



あっー そーそー

あいつ子供欲しいんだってさ


あいつ!? その呼び名はけしからん

人妻と呼べ


了解致した

俺 人妻と別れたよ


えっ 嘘!?


子供欲しいんだって

だから別れた


えーーー 嘘でしょー!?


嘘じゃない事は すぐに分かったのに

別れた事が嬉し過ぎて

頭の悪いクラスメートみたいな事を言ってしまった



結婚する?

カイリは言った


誰と誰が結婚? 脳内が追いつかない

カイリと私の事か? それしかないな


理性を取り戻した私は 嫌だと答えた

でも どちゃくそ嬉しい


そうでしょ!?

いつでもいいからね


うん 考えとく…



大好きなカイリと結婚ですって

私 プロポーズされたわよ

素敵過ぎてニヤけてしまい

その時の私はきっと

賭ケグルイましょう!!の台詞を吐く時の

浜辺美波みたいな顔になってただろう


だが しかし 私に結婚願望はない

カイリを束縛したくない

どうしよう…


そんな事を考えていると


大丈夫だよとカイリが言った


何が? 私 何も言ってないよ


束縛していいから

セツナも俺だけのモノになってよ


えーーー め、め、めっちゃ嬉しい


カイリが私を束縛しようとしている

束縛するのは嫌いだけど

好きな人に束縛は一度されてみたかった


しかし 頭の悪い私は こう返した


バカなの?

私にはカイリしかいないんだよ

(今のところは)

二股してたのはカイリじゃん


そうだよ

でも 別れたからセツナのモノになった


そんな事 他の男に言われたら

絶対 信じなかったけど

カイリは私に嘘ついた事は一度もなかったから

信じてあげることにした






第三話 束縛という名の絶望


私の大好きな人は 人妻と別れたのだ


てゆか 最初 子供って言うから

カイリの子供が出来たのかと思ったよ


そうなる前に別れたかったんじゃない?


そうだね

どっちの子供か分からなかったらヤバいもんね


カイリと人妻とは生でやってたらしい

怖いモノ知らずだな…

私も生だけどNANAのナナみたいにピル飲んでるから

ヘマする事はないだろう

お腹がスイカ化するなんて真平だ


だが ちょっと待て

私と結婚したいって事は

カイリは子供が欲しいのだろうか?

私には結婚願望などなかったが

カイリと別れるのは絶対嫌だ

それなら 結婚するっきゃない

人妻が旦那の子供を産んだとしても

私が結婚しなきゃ

カイリを他の女に奪われてしまうかもしれない

或いは 人妻の気が変わって

やっぱりカイリの子供が欲しいから

旦那と別れてカイリと結婚したいとか

言い出すかもしれない



ねー カイリ

結婚願望ないって言ってたよね?

どうして気が変わったの?

私 結婚したいとか言ってないよね?


言ってないよ

けど セツナ 気が変わりやすいじゃん?

だから 結婚する?って聞いたんだけど


そうだよね…



カイリにも結婚願望などなかったはずだ

子供が欲しくなって気が変わったのか?

私が駄目なら他の女と結婚するのか?

聞きたかった答えが何も聞けなかった

 


焼肉屋でマルチョウとレバーとラムタンを食べ

赤ワインをカチ割りで一本空けた後


そんなネガティブな事ばかり考えて帰宅すると

玄関先で隣の住人とバッタリ出くわした


ポテト食わね?


食べる


こいつ またバイト先からパクって来たな


こいつの名前はミヤビ

タメの癖に生意気に一人暮らしだ

ミヤビは幼馴染でもクラスメートでもない

隣に住んでるから仲良くなっただけ

ミヤビは勉強は嫌いだけど地頭は良い

脳内に淡紅のタンポポみたいなお花が咲いていた私は

ミヤビの部屋でポテト食べながら 

つい話してしまった


はああ!? マジで!?


マジで!!


お前 ぜってー騙されてるっつーの!!

遊びだって言ってたじゃん!!

セツナと結婚したら浮気出来っから結婚してーとか

言ってんじゃねーの!?

マジないわ!!


こいつに話したの間違えたかも…

だが 私の女友達は間違いなく口が軽い

特にアカネとマリとリナとアユナとミク

間違いなく全員 口が軽い

言いふらされるのは別に構わないが

大人達の耳に入ったら面倒だ


あのさ ミヤビ

遊びって言ったのは

したいやつがたまたま現れなかっただけで

もし 誰か現れてたら やってたと思う

カイリの事は本気で大好きだよ

でも その本気は浮気できるレベル

カイリも私と同じだと思う

ミヤビには理解できないだろうけど

私達は そういう関係で共存してるの

だから 結婚して浮気されるとかは別に構わない

でも 運悪く相手が本気になったら困る

特に既婚者は面倒くさいじゃん

カイリは子持ちビッチには手を出さない主義だけど

もし 私に子供が出来たら

他の女とは付き合って欲しくない

私が良くても 子供のメンタル弱くてグレたら嫌だし

グレ方にもよるけど

あと 何でも子供のせいにして

早く帰って来てとか育児を手伝ってとか言って

束縛するのが一番嫌だ


なら 結婚しなきゃいいじゃん


だよね

辞めた方がいいよね


バッカみてー

育児を嫌がる奴とかマジないわ


カイリは嫌がったりしないと思うよ

私がカイリを独占するのが嫌なだけ


独占? 普通するだろ?

夫婦なんだから別に良くね?

セツナはガキだわ

結婚に向いてねーよ

お前 年上野郎と付き合って大人ぶってっけど

マジでガキだから

結婚したって幸せになれねーよ


幸せになるとか興味ないし どうだっていいよ

今 めっちゃ幸せだし これ以上要らないし


じゃあ好きにすりゃーいいじゃん

悩む必要なくね?



悩んでる?

私は怖くて迷ってるのか?

そうかもしれない

悩むのは性に合わない

私 やっぱりカイリと結婚する

カイリと別れたくない


ミヤビには その事は言わずに

私の脳内のタンポポが そう決断したのだ





第四話 裏切りという名の絶望


結局 私はJKを卒業した後

ヴィジュアルデザイナー学院に入学し

カイリと籍を入れ 一緒に住み始めた


それなのに

ミヤビの言う通り 私に結婚は向いてなかった

こんな事になるなら デキ婚した方が良かった

カイリは浮気なんかしなかった

浮気して カイリを裏切ったのは私

怖れてもいなかった事が起きてしまったのだ


離婚する?


そうカイリに言われた時

背筋が凍りつき倒れそうになった


嫌だ…


そう? 良かった



カイリは何も変わっていない

変わってしまったのは私


結局 あの人妻も子供ができなくて旦那と別れた

カイリとヨリを戻すだろうと思ったが

それは なかった

人妻は旦那を裏切り 私のカイリと愛し合い

背徳感に酔う事が出来たのだから

充分 満たされたのだろう

私は再び敗北感に酔いしれ吐きそうだ


私は自分という名の存在に騙されていた



当時 学生の中でデザインの仕事を依頼されていた

生意気な奴等が何人かいて 私もその一人だった


そして 絶望系カリスマレトロパンクバンド 

メリイのニューアルバム 絶望PSYCHO-PASSの

デザインを任され ベーシストのルカと出会ったのだ


しかし ルカはベースなんか全く弾けなかった

作詞作曲はしてるらしい

レコーディングやライブは

テツというミステリアスな

長身のイケメンベーシストが弾いていた


ルカは年下で妻子もいた

それなのに背徳感を感じる事はなかった



なんでボクだけ悪者扱いされるの?

セツナだって旦那いるって言ってないよね?


そうだけど ルカにとってどうだっていい事でしょ?

私にとっては どうだっていい事じゃないの

既婚者とは絶対 付き合いたくなかったの


知らないよ

ボク達 付き合ってないじゃん

ボクは付き合いたいけど

ボク アヤちゃんとは離婚したい

けど アヤちゃん 面倒くさいから嫌だって

どうでもいいけど面倒くさいよ

セツナに抱かれて忘れたいなあ

面倒くさい事全部


私だって忘れたいよ…ルカ



アヤちゃんはルカの嫁だ

ルカ達がメジャーになる前から追っかけをしてて

ルカが孕まさせたらしい

昔からよくある陳腐な話だ



私達 付き合ってないかもね

私はルカとキスもした事がない

身体の交わりがないから

ルカは そんな事を言うの?


私は浮気してる

不倫という私が一番忌み嫌っていた地獄に堕ちている


ルカの事が好き過ぎて 会う度に目で犯して

カイリと別れたくないのに

ルカと離れられない

これが浮気じゃないなら本気の恋だよ ルカ


やる事は簡単なのに

カイリを裏切ってるのに

私は卑怯だ


ルカに襲いかかって 

めちゃくちゃにしてしまえばいい

敗北感に酔えばいい

もっと絶望すればいい

それなのに 出来なかった

私はカイリを裏切ってる

カイリも私を裏切ればいいのに


絶望すら出来ない私に

ルカは また変な事を言ってきた


絶望freaks


何それ?


宗教プロジェクト


宗教とか興味ないし嫌い 辞めれば?


私は どちゃくそ機嫌が悪かった

それは 宗教に対する嫌悪感より

私は絶望すら出来ないでいて

脳内のタンポポが鬱病にかかっているというのに

ルカは毎日 悪魔が乗り移った天使みたいな顔で

笑って楽しそうに生きてるからだ


少しは悩めよ!!

私はルカの苦悩する顔が見たいんだ

お願いだから綺麗な顔で笑わないで

ルカの目に歪んだ私が映る

私の目に透明なルカが映る

それだけで逝きそうになる

もう無理…



セツナに理解も共感も求めてないよ


分かったから ルカ

少しは私を理解して 少しは私に共感して

触れ合う事が許されないなら

脳内で もっと一つに溶け合いたい

それも許されないの?


そんな台詞など吐ける訳もなく

脳内のタンポポが枯れて逝った


もう駄目だ


ルカを穢してしまおう


私の脳内の無様な様に

全く気づいていないルカは

宗教プロジェクト 絶望freaksの説明を始めた


絶望系アーティストは神と呼ばれる程の

カリスマの集まりなんだよ

教祖がいたって別にいいじゃん

教祖様はガラちゃんだけど


ガラちゃん?

その名を聞いて 心臓が一秒停止した


あの いつも半裸で暴れてる

両性具有とか言われてるボーカリスト?


そうだよ

ボクはガラちゃんの一番の理解者だから

観て!!


そう言ってルカはPCの動画の画面を開いた


今こそ我等に絶望を

今こそ未来に絶望を

キミには光が見えません

キミには明日が見えません


ガラちゃんは真紅の縄で

透明なブランコに縛られ

純白の百合の花をクソ不味そうに

喰い散らしていた


美味しいのかな?

私も喰べたくなった

よく分からないけど なんかカッコ良かった


どう?


ルカの目は不気味な程 煌めいていた


別にいいんじゃない?

でも 私は協力しないよ

巻き込むのはやめてね


私はガラちゃんに嫉妬してるのだろうか?

そうじゃない

きっと ルカに嫉妬してるんだ


セツナは ただ観てればいいよ

背徳に酔わせてあげる

ボクから目を離さないで


背徳?

私がどんなに望んでも

手に入れられなかったモノを

何故ルカは知ってるの?


ルカ

キミはセツナというクソくだらない宇宙の中で

TOPなんだよ

宇宙一綺麗 宇宙一可愛い

全て宇宙一なのに穢してしまいたい

そんな穢らわしい宇宙なんか

存在価値もないのに

そんな宇宙で輝いたって

キミは汚れるだけなのに

愛してる

脳内のあざとい蟲達が喚く

キミは穢れて逝く

こんなにも穢らわしい宇宙を

どうか嫌いになって欲しい



まるで残虐歌劇みたいな憐れな物語の結末は

カイリが消えて終わると思ってた


何があっても私の神はカイリだけだ

それを失うことが罰だと思ってた


それなのに…

消えたのはルカだった


ルカはガラちゃんと

絶望ハルシオンを大量に飲み

二人は手を繋いで絶望freaksという螺旋階段を

上がって逝ったのだ



何故こんなにも綺麗で

あっけないのだろう


もう宗教プロジェクトどころではないと思ってたのに

残されたルカの嫁のアヤちゃんが

マナ様という名の教祖様になっていた

そして ルカはゼラと改名され

ガラちゃんと共に広告塔になっていた

ルカの娘のヒナちゃんは

カリスマ美少女モデルとして海外デビューし

様々なファッション雑誌の表紙を飾っていた


そして メリイという音楽プロジェクトは

絶望の神と呼ばれるアーティスト集団に進化した

ガラちゃんの代わりは

アキとライムが演ってるらしい





第五話 幸福という名の絶望


私の絶望の神は 一人しかいない



セツナ おかえり


ただいま(教祖様)


カイリは何も変わっていない


やっぱり変わってしまったのは私だ


結婚という名の檻の中で

飼い慣らされていたのは

一体 誰だったんだろう


甘美な水槽

絶望という名の鳥籠の中で

私は飼い殺される


絶望と化した幸せという背徳に

私は酔いしれている










愛してる… ルカ





         



                  the end


ヒロインのセツナは昔の自分を思い出して

書きましたが 殆ど妄想なのでフィクションです

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